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むかしむかし 1

あるところに魔法使いがいました。
 黒い服を着て黒いベールをたらした帽子をかぶった かぎばなの普通の魔法使いのおばあさんでした 。ところがある日 、魔法使いのおばあさんは魔法を使えなくなってしまいました 。

 魔法の本をなくしてしまったのです。
  それまで空を飛んでいた魔法のほうきはジュモンをわすれたために ただのホーキになってお庭の掃除をすることになりました。
 ジュモンをとなえれば おいしいお酒があふれていたツボは、ただのツボになって水くみをはじめました 。
 ジュモン一つでお掃除もお料理もあっというまにできていたのに、魔法使いのおばあさんはパンをやくことからはじめなくてはなりません。
 「これじゃまるで人間じゃないか 」と魔法使いのおばあさんはブツブツ。  でもすっかり本にたよっていたのですからしかたありません。

  1年がたち 2年がたつと、魔法使いは すっかりただのおばあさんになってしまいました 。
 ある日、部屋のすみにネズミのあなを見つけました 。
 なにげなく のぞいた魔法使いのおばあさんはびっくりぎょうてん。
 あなのなかには、ネズミの家族が住んでいて、その中の一ぴきが 魔法の本を 持っているではありませんか。
「 あんただったの犯人は、 さあ早く返しておくれ」 と魔法使いのおばあさんがいったときです
 ネズミが 2ひきがかりで 魔法の本を開きました 。
「ダイカツーホマワシワ 」
 ネズミがジュモンを口にしたとたん、魔法使いのおばあさんは自分が魔法使いであることをわすれてしまいました 。

 ※この続きは童話の本「ひとりじゃないって」文研出版)になりました。


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