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日常生活で行える疲れからのリカバリー方法 ~アスリートを中心に~

人間は生活していると疲れが出てくる。その疲れを回復するために休む。その休み方に関して下手な人は多いと感じます。

なぜそう感じるか…

疲れを適切に処理出来ていれば大抵の怪我や病気は防ぐ事が出来るからです。しかし、現代人はいらぬ体調不良に悩まされている人が多い。

特にこのような疲れが多く掛かるアスリートにおいてもリ適切なカバリー方法を知らない人が多いです。この記事をきっかけに自分の体は自分で治すように努力してみましょう。

はじめに

現代は特にストレスまみれです。まずはストレスの理解から

ストレスには2種類ある

ユーストレスとディストレス

ユーストレスは良いストレスとされ、成長の為に必要である。
ディストレスは悪いストレスとされ、過度になると体調の悪化や病気へと繋がる。

疲弊へいく段階までに必要なのは、リカバリーです。
適切なリカバリーを行うと、ストレスを処理することが出来ます。これを繰り返すことで身体がストレスに適応してきます。
この適応を超回復と呼ぶ。

超回復には段階が4つある。
疲労、リカバリー、超回復、元の状態に戻る

・第一段階(疲労)
神経活性化の減少、筋グリコーゲンの枯渇、脳内のセロトニンに関連した脳疲労
交感神経優位になり、闘争か逃走の反応が生じる。休みが必要である。

・第二段階(リカバリー)
ATP、筋グリコーゲンの補充
酸素負債による酸素消費増大
タンパク質とホルモンバランス不安定によるエネルギー消費増大

・第三段階(超回復)
刺激を与える前よりも強い刺激に耐えうる体を作り出すことが出来る


トレーニングの効果をよりよくする為には、リカバリーは必要能力
リカバリーを行う時には「忍耐と信念」

リカバリーの効果
・冷却
・圧迫
・低強度運動
・受動的回復
4つを比較したもの
Effectiveness of post-match recovery strategies in rugby players.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16505085


オーバートレーニングを回避する

パフォーマンスが上がらない事が練習不足によるものか、休息不足によるものかを見極める。
休息不足なのに、練習量ばかりを増やすとオーバートレーニングになる。


リカバリーを測定する

リカバリー測定には、生理学的データと心理学データの2種類がある。生理学データでは、脈拍や血液初見などがあるが数値的に異常が見られている時点でもう大変な疲労状態に陥っている可能性が高い。その為、心理学に変化を読み解ける必要がある。

リカバリーの定量的評価

●安静時心拍数
→朝方の心拍数を測定。平均からの逸脱している場合は、ストレスに適応出来ていないことや、免疫が低下している事が考えられる。

●起立時心拍数
→オーバートレーニングになっている人は立ってから90〜120秒後に心拍数が増大するとされている

●心拍の変動
→変動数は一定ではない。一定に変動していると異常である。


怪我と痛みの区別

怪我からのリカバリー段階
持久力よりも、最大速度などの速筋がまず低下する事が多い
症状によってどの程度で復帰できるかは異なる。
風邪などでは1〜2日間程度で軽い運動から
インフルエンザなどでは、2週間程度
肋骨骨折では、1ヶ月程度
骨盤骨折では、数ヶ月程度

焦ることなく、復帰段階を進める事が結局最も早く復帰する事ができる。

ランニングは負荷量が大きい為スイミングやバイクなどが適切な負荷量である。

病気であれば、
首より上の症状であれば症状に合わせて適度な運動を実施
首より下の症状であれば症状が改善するまで運動非実施



具体的なリカバリー方法


アクティブリカバリー

陸上の競技大会や水泳大会での競技間のインターバルにてアクティブリカバリーを実施するとリカバリー効果が高いとされている→血中の乳酸値減少時間は、20~40分程度が適当な時間である。


ストレスの解消

最初に話したように、ストレスには2種類あり、ユーストレスとディストレス体にとっては適度なユーストレスは成長にとっても必要である。ディストレスが多くなるとバランスが崩れて交感神経優位になります。コルチゾール、アドレナリンが異常に高まる事で脈拍増加、呼吸数増加、筋肉の緊張、胃腸障害、睡眠障害などをきたします。

ストレスを上手く解消できないことによる身体への異常が生じるのです。

また、ストレスの原因を突き止める必要があります。
その日決めたトレーニング量をこなせなかった場合に、努力が足りないからだとトレーニング量を増やしていこうとする事があります。なぜトレーニング量をこなせなかったのかを考え、その日に起きたことや最近抱えていることに焦点を当ててみましょう。
例えば、パートナーとのトラブル。仕事のストレスなどが意外と原因になっている事があるのです。


睡眠

睡眠不足では、いつものパフォーマンスが発揮出来ないことは感覚的に理解しているアスリートは多いと思います。研究でも睡眠とパフォーマンスとの関係性について書かれおり、睡眠時間が長い人ほど陸上選手のスプリント能力、反応時間、気分の高揚感が高かったとされています。(Mah 2008)

●睡眠では4つのサイクルを経ています。
3つのノンレム睡眠と1つのレム睡眠です。
第1期(ノンレム):浅い睡眠
第2期(ノンレム):眼球が停止し、脳波がゆっくりになる
第3期(ノンレム):成長ホルモン分泌、徐々に深い睡眠へ
第4期(レム):記憶の整理、スキルの定着、夢を見る

しっかりとしたリカバリーのためには4つのサイクルをちゃんと回す必要があります。

●適切な睡眠時間とは
理想的には、自然と起きるまで寝る。これをスレプトアウトと呼ぶ。
多くの人はスレプトアウトが8時間程度なっている。
これより短い、長いでショートスリーパーやロングスリーパーとなる。

●質の良い睡眠をとるためには
寝室を寝る場所にする。
寝室で携帯を使ったり、テレビを見たりすると寝る場所がブレてしまう。
寝室に行ったら寝るんだっている設定を自分にかける事で自然と睡眠に着く事ができる。


栄養

はじめに詳しい栄養素の話は割愛します。量が膨大すぎます。
ただ、原理原則はマイケル・ポーラン
バーやゼリー、粉末状の飲み物はレース直前や直後にして普段の食事では良いものを取りましょう。


冷却療法

一般的には、損傷した組織の炎症を抑えるために冷却を行います。冷却を行う事で過度な炎症と浮腫を防ぐ事が出来ます。

簡便な方法では、アイスバスが試合後によく使われます。温度は13~15°程度が理想的です。
タイミングは、遅くても1時間以内。少しでも早く行うと良いです。


温熱療法

組織に損傷や運動直後であれば温熱は勧められません。しかし、運動後数時間経ってからの温熱はリラックス効果も高く有用であるとされています。
方法はサウナ、スチームルーム、お風呂などが挙げられます。


セルフリカバリー

●コンプレッションソックス

効果は、コンプレッションソックス着用群と非着用群に10km走を行わせてその後の遅発性筋痛の有無を比較。着用群にて有意に遅発性筋痛発生が低下しました。
リカバリーの効果としてコンプレッションソックスは有用です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17365528

●クリーム
良い匂いのするクリームにてマッサージを行うとリラックス効果が倍増します。


機械

●超音波

超音波を行うと気持ちが良いため良くなったと勘違いされる事が多くあります。しかし、現在の段階ではリカバリーに関してのエビデンスは出てきていません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14750017
ただし、プラセボ効果として選手に気持ちが良い良いという実感があるのであれば、それは使う理由になります。なんのために使うのかを明確化させましょう。


●電気刺激

電気刺激が心臓への血液の循環を改善させる効果があるとされています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18714251
また、筋肉自体の作業能を高めてくれるのでリカバリー方法として有用です。


マッサージ

マッサージを受けた事がある人はリカバリーに効果がありますか?と聞かれると「はい。」と答えるだろう

マッサージは気持ちがよくリラックス効果も高い。さらに筋肉をほぐすためにはとても良い手段であるとされている。

バスケットボール選手とバレーボール選手において遅発性筋痛がマッサージによって減少したという報告もある。
https://people.stfx.ca/smackenz/courses/hk396/handouts/Mancinelli%202006%20Massage%20and%20Doms_Paired%20Ttest.pdf

マッサージの目的は、
・循環の改善
・癒着の除去
・受容器への刺激

などが挙げられます。

マッサージを受ける適切なタイミングについて
試合の1週間前に慌てて行っても意味がない。むしろ逆効果になるかもしれない。
日常的に通う事でマッサージの効果が実感出来る。

また、毎回同じセラピストである事が望ましい。
強さは個人、個人好みはあるものの強すぎるマッサージは逆効果になる可能性があるので信頼関係が構築された間柄である必要がある。


セルフマッサージ

最も簡単な方法は自分の手を使う事である。
しかし、デメリットは単純に手が疲れる。

そのため道具を使うことを勧める。
例えば、フォームローラーやテニスボールを使いほぐすことです。

方法は色々あるので自分に合うものを使えばいいが、原理原則は大事にする。
・末梢から中枢へ
・痛みが強すぎるのはやめる

以上の事が簡単なリカバリー方法である。
自分で簡単に行える方法を見つけて継続する事がとっても重要になります。


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