歌詞解読 スピッツ「正夢」

先日、FMラジオから流れてきたスピッツの「正夢」が

どうも気になって心に引っ掛かり、

歌詞を調べてみたら、やはりいい曲だった。


作詞作曲の草野正宗さんは、歌詞の意味は聴き手に委ね、解説をあまりしない方のようだ。

音楽は、聴く人ごとに色を変えて心に伝わる。

歌詞の意味に正解はないけれど、

「正夢」の世界が鮮やかに見えたので、曲解かもしれないが

歌われている世界を描いてみる。

 
※スピッツ「正夢」 歌詞

http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B08061
 
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まだ胸のドキドキが続いている。

もう会えないと思っていた君が、不意に目の前に現れ近づいて来た。

その瞬間、僕は動けなくなった。

どんな顔をしたらいいのか、わからない。

どんな言葉を君にかければいいのか、見当もつかない。

ーーーあんなに、もう一度会いたいと願っていたのに。

突然舞い込んだチャンスに、足がすくんで一歩も動き出せない。情けないことに。

 

アラームが鳴り、それが夢だと気付いても、

強い動揺がいつまでも残り、なかなかベッドから起き出せなかった。

 

カーテンから漏れる朝の白い光の中で思い返してみる。

夢の中の彼女はあの頃のままの笑顔で、僕をまっすぐに見詰めた。

ああ、彼女は笑っていた。

 

あの頃、僕らは毎日、どんな小さな話題ででも盛り上がって時間が足りないくらいしゃべり続けた。

君は無邪気に笑い転げて、僕の肩を遠慮なく叩いて、

それが結構、痛かったけど、僕も声を上げて笑っていた。

あの時間がもう一度、戻るなら。

 

何でも分かり合えてると安心しきっていた。

疎遠になったきっかけは、ごく些細なことで

どうしてあんな言い合いになってしまったのか、

全てのタイミングが悪かったとしか言いようがない。

それとーーー

2人とも若かった、としか。

 

あの時、できなかった言い訳を

僕はもう何百回も心の中で繰り返している。

胸の中に残る幻の君に。

君に届くはずない告白をシュミレーションしている。

 

なのに、いざ君を目の前にしたら、何も言葉を発せないなんてね。夢の中でさえ。

何て言えば伝わるだろうか。

僕は今でも君のそばにいたいということを。

どうしたら、上手く過去を流せるだろう。

あの時の言葉を謝るから、君も僕を信じなかったことを謝ってよ。

そうすれば、きっと僕たちは元通りすっかり仲良しに戻って

また前みたいに笑い合ってふざけ合って

毎日は輝き始めるのに。

 

こんなことを、僕はあれからずっと考え続けているんだ。

季節も変わって、君の気持ちも移り変わっているかもしれないのに、

僕だけが全てから取り残されて、幻の君にとらわれている。

 

いい加減しつこいって自分でも思うよ。

僕の願望は現実的でないと本当はわかっている。

でも、夢見ずにはいられない。君の笑顔を。

だって、まだ僕は君が好きだ。

 

君が夢に現れて、僕は慌てふためいて

何も手につかず、気持ちもまだ落ち着かず、

出かける準備もできないまま出社時間に追われるように家を出て来た。

 

時間ギリギリ、必死で駅へと急ぐその曲がり角に

もしも、君がいたらーーーどうしよう?

 

夜更けに見た夢を誰にも話さなかったら、正夢になるって言うし、

だから、ほら、次の角に君がいるんじゃない?

 

胸が痛いくらい高鳴る。

君の気配を感じながら、飛ぶように坂道を駆けていく。

頬が火照って、吹く風が冷たくて心地いい。

 

いつもは通らないあの小道へ曲がってみようか。

そうしたら、もしかしたら本当に君が待っていて

僕の運命は動き始めるのかもしれない。

夢みたいなことを、こんなふうに本気で言ってるなんてヘンだって、ほんとはわかってる。

でも、

もう一度、見たいんだ。

君の笑顔を。

全てが上手くいって、洗い流せ、君と二人、笑い合える

そんな僕の理想。叶わない夢。

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※2017年7月の記事再掲
私のブログ「夢で逢えたら…」にも同じ日記があります。

http://merusas.seesaa.net/article/444054665.html?1556093857

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