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美しいものを観よう

失恋をすると、胸にポッカリと穴が開く。
体の真ん中にガランとした空洞ができ、そこをビュービュー冷たい風が吹き抜けていく。
胸に穴が開くという言い回しが真に迫ったものだと知ったのは十代の頃。

この春、母を亡くし半年が過ぎた。
長く患っていたので覚悟は既にできていた。
できることは全てやれたという思いもあり後悔は少ない。

それでもやはり、時折ふと胸に大きな穴が開くのを感じる。
親を喪う悲しみは、そう簡単に癒えはしない。

夜半、救急車が走るサイレン音が聞こえ、母や義父の緊急搬送に同乗した時のことを思い出した。
入退院を繰り返し、そのたび何度、救急車に乗っただろう。最後には乗り慣れてしまった。

だけど、救急車に乗り慣れるなんて普通ではない。
そんな異常な生活が年単位で続き、私の心の一部は壊れて欠けた。機能を停止させねば持続できなかった。

今ようやく、それを自覚でき、私を包む薄い悲しみのもやを取り除いていこうと思えるようになった。少しずつ。

悲嘆はまだ続くだろうが、並行して自分らしさも取り戻していきたい。
時には全てを忘れて浮かれたい。その為にはーーー

そんなふうに考えていたところへ、はなちんママさんから宝塚歌劇鑑賞のお誘いが!
以前から一度は…と思いつつも、宝塚のチケットは即完売になることが多く、入手困難。また、母がいた頃はいつ緊急連絡が入るかわからず、観劇を楽しむ余裕はなかった。

ところが今、コロナの影響でチケットが取りやすいとのこと!
私の方の環境も、とりあえず今は父も義母も落ち着いているし、これはチャンス。
宝塚に精通しているはなちんママとご一緒できるなら、こんなに心強いことはない。

と言うことで、早速チケットGET!
夢の時間を過ごし、美味しいランチを頂いて来ますわぁ〜

更に長女からも嬉しいお誘いが!
ミュシャを観に行こうと誘ってくれた。
ミュシャの絵を愛す長女の感受性が好きだ。
アール・ヌーヴォーの曲線に癒やされて来るわ!

美しいものを観ることで、きっと心は修復され豊かになると思うの。

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