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① きっかけ

いくらグローバル時代になったとしても、
海外で働いていることは「普通」ではないみたいです。
私にとっては大学を卒業して海外に拠点を移したことが「普通」なことでしたが、
周りから「海外で働いてるってすごいね!」と言われる度に、
私の「普通」は人の「普通」ではないんだと気付かされます。

特別さを求められる今の時代に、
「普通」ではないことがひとつでもあることは良いことだと
ポジティブに捉えています。

今日は自分が日本に就職したきっかけになったひとつの出来事について話したいと思います。

時が大学3年の冬頃だったと覚えています。
韓国では大学に入るのも、就職するのも、全てにおいて競争が激しく、
大学在学中は様々な課外活動や語学試験で高得点を取るなど、
就活時にアピールできるよう準備しておく学生が多いです。
しかし、私はなぜかそのような活動に身が入らずなんとなく毎日を過ごしていました。

そんなある日、
日本の大学に留学していた友達にお招き頂き、
私は京都に旅行に行くことになりました。
友達と一緒に、そして一人で、
京都の色んなところを旅行し、あっという間に1週間が経ちました。


1週間後、
友達との別れを惜しみがら韓国に帰る飛行機に乗りました。
飛行機の座席はいつも窓側に座ることが好きで、
その日も窓側を選び、空の景色を眺めながら旅行の余韻に浸かっていたところでした。
その時、1つ席を開けて通路側に座っていた
40代ぐらいの男性の方から声をかけられました。

「旅行の帰りですか?」
「はい、そうです。」
「そうなんですね。私はビジネスで日本に短期間滞在してからの帰りなんです」

私は普段知らない人と話をすることが殆どないですが、
その日は楽しかった旅行の帰りというのもあり、長く話をすることになりました。
話を聞くとその男性は過去国際交流プログラムで日本で働いていた経験のある人で、
自身の試験を受けた話や日本での生活について色々と話を聞かせてくれました。

私は、中学生の時からなんとなく
「海外で働けたらいいかも」と思っていたのですが、
それが本当に実現可能なこととは思ってませんでした。
そんな私が、実際海外で働いた経験のある人に話したことは初めてだったので、
海外で働くことが実現可能なこととして近づいて来たような感覚を覚えました。
(その男性が言っていた国際交流プログラムは日本大使館で行っている
「JET」というプログラムででした)

その後、韓国に帰ってきた私はすぐそのプログラムの試験勉強を始めました。
結果、その試験には落ちてしまいましたが、運よく定期的に外国籍社員を採用していた今の会社に入社することになりました。

もし飛行機であの人に出会えなかったら…
名前も知らない、今は顔も覚えてない、少し話しただけの人ですが、
今は私が日本で働くきっかけのひとつを作ってくれた人として
私の記憶の中に大切に残っています。




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