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自らが生きた証に、ここでやるべきことがある。 ──COO山室がメリービズと歩んだ、7年間の軌跡

こんにちは!メリービズ広報担当です!

本記事では、私たちの頼れるリーダーの一人である、COO・山室佑太郎の人となりから、メリービズの魅力をお伝えできればと思います!山室は、創業間もない2014年にインターン生として入社したのち、総合系コンサルティングファームを経て、2015年に出戻りを果たしました。

「ジョイン前は、経理領域のサービスにはまったく興味がなかった」と笑う山室は、なぜ数々の困難に直面しながらもCOOとして経営を担う現在の立場に至ったのでしょうか。草創期から現在までを知る山室だからこそ語れる、メリービズの軌跡、自身の仕事観、ビジネスパーソンとしての想い、モチベーションを存分に語ってもらいました。

取締役 / COO 山室 佑太郎
1991年生まれ、長崎県長崎市出身。長崎東高校卒業。東京理科大学専門職大学院イノベーション研究科在学中より、エムスリー株式会社にて製薬会社へのマーケティング支援に従事。
その後、総合系コンサルティングファームを経て、メリービズ株式会社へ参画。経理/会計業務のアウトソーシングサービス「バーチャル経理アシスタント」の立ち上げを担当。2016年10月より、同取締役に就任。COOとして、事業戦略の立案推進などに従事。

後世に残る「何か」を生み出すために、社会人1年目から大きな成長を求めた

──メリービズとの最初の出会いは、大学院生のころだそうですね。

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はい。インターン先を探していたとき、たまたま見つけたんです。

──その後、インターン生として入社することに。経理領域の仕事やサービスに興味があったのですか?

いえ、まったく(笑)。メリービズ入社以前、大学院に通いながらあるベンチャー企業でインターンシップをしていたんです。いい経験を積めましたし、とても楽しかったのですが、かなり仕事が定型化していて。僕としては、もっと雑然としたというか、整っていない環境で働いてみたいと思い、新しいインターン先を探していたんです。

なぜかと言えば、自分にとってそういった環境で働くことが「仕事」だと思っていたから。というのも、僕の父は建築士として祖父の代からある事務所を経営していたんです。幼いころ、大工さん達と集まり、わいわい働いている様子を目にしていました。それが、「仕事」の原風景なんです。だから、自分もそういった環境で働きたいと思っていました。

──インターン生として入社したのは2014年11月だったと聞いています。そのころ、メリービズにはどれくらいのメンバーが在籍していたのでしょう。

10名いないくらいだったと記憶しています。正社員が5名ほどで、業務委託の方が数名。インターン生としては2人目の入社でした。

──まさに求めた環境があったわけですね。「雑然とした環境」を求めていた山室さんが、なぜいわゆる総合コンサルファームを1社目の入社先として選んだのでしょう?

社会人としての基礎力を付けたいと考えたからです。当時はビジネスパーソンとしての基本的な戦闘力を上げるには、コンサルティングファームで学ぶのが良いのではないかと思っていました。

──しかし、入社から半年弱でメリービズへの出戻りを果たすことに。

新卒で入社したコンサルティングファームの環境も、決して悪いものではありませんでした。しかし、僕にはフィットしていないような感覚を覚えるようになって。
というのも、やはりコンサルティングファームには一定の競争文化がある。「誰かに勝つこと」にモチベーションを感じる人もいるとは思いますし、その気持ちを否定するつもりはありませんが、僕は誰かとの競争にモチベーションを感じるタイプではないんですよね。幼いころから、母親に「あなたはあなた。人と比べる必要なんてない」と言われていたことが影響したのかもしれません。

──それでも、仕事にはがむしゃらに向き合っていた。

成長したいと思っていたので。誰かに勝つために、ではなく、単純に実力を付けたいと思っていたので、仕事には必死に取り組んでいました。とにかくいち早く、何かを生み出し、多くの人に価値を提供できるビジネスパーソンになりたいと思っていました。

なぜそう考えていたのかと言えば、これも親の影響が大きい。幼少期、母が看取り介護の仕事をしていたんです。たくさんの方を見送る母の話を聞く中で、幼いながら「人はいつか死ぬんだな」ということを強く実感しました。死んだら肉体は残らないわけじゃないですか。僕も当然いつか死ぬ。それなら、自分の存在がなくなった後にも残る「何か」を、生きているうちに生み出したいと思うようになったんです。後世に残る何かをつくるためには、ビジネスパーソンとしての力を付けなければならない。だから、1年目から成長を求めて必死に仕事に向き合っていましたね。

事業の停滞、相次ぐメンバーの離脱。それでも「なんとかなる」と思えた理由

──社員としての再入社は2015年10月。再入社直後はどのようなことを担当していたのでしょう。

マーケティングやカスタマーサポート部門の立ち上げなどです。社内の体制も整っていない状況だったので、数多くのゼロイチを任せてもらいました。

──当時の事業や組織の状況はどのような感じでしたか?

事業としては『バーチャル経理アシスタント』の前身である、レシートや領収書の入力代行サービスを展開していたのですが、事業は伸び悩んでいました。事業の状況が組織にも影響を及ぼして、会社全体が重い空気に覆われていたことを覚えています。一言で言えば「うまくいっていなかった」ですね。メンバーが次々に辞めてしまい、2017年初頭にはオフィスも縮小しました。

──かなり厳しい状況だったのですね……。山室さん自身は辞めようと思わなかったのでしょうか。

まったく考えなかったですね。「まだまだやれることはあるはずだ」と。盛り返す自信はありましたね。

──その自信には根拠があったのですか?

明確な根拠はありませんでしたね(笑)。強いて言えば、メリービズに入社して自分自身にビジネスパーソンとしての力が付いてきたことを感じていたことくらいでしょうか。それでも、なんとかなる気がしていたのは、工藤さん(メリービズ代表・工藤 博樹)の存在が大きいと思います。

人が少なくなり、小さくなったオフィスでふと横を見ると、工藤さんの目は爛々と輝いていた。まったく諦めていませんでしたし「まだ結果は出ていないが、価値のあることをやっているのだから、きっと大丈夫」と。工藤さんが諦めていないのに、僕たちが諦めるわけにはいかないじゃないですか。このころ、一番大きな支えになっていたのは工藤さんの存在ですね。

──工藤さんと共に、逆転の一手を模索していったと。

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そうですね。とにかく売上を立てなければならなかったので、ひたすらいろんなお客様に「どんなことに困っていますか?」とヒアリングしまくったんですよね。そうすると「売上データの作成が面倒」「経費処理が大変で……」といった、レシート入力代行以外のさまざまなニーズが出てきた。それらを「全部うちに任せていただけませんか」と。

──何としてでも売上をあげなければならなかったとはいえ、それまではレシート入力代行しかしていなかったわけですよね? それ以外のニーズに応える体制は整っていたのでしょうか。

「自分たちに何ができるか」より「お客様は何を求めているのか」の方が重要だったんですよ。とにかく「大丈夫です。任せてください」と言って、どうやるかは後から考えていました。幸い、経理業務に明るいスタッフさんが数名いたので、「どうやればいいですかね?」と相談しながら、お客様から依頼された業務を全うする方法を考案して、少しずつ売上が立つようになっていきました。

レシート入力代行サービスは単価が2,000円〜3,000円だったのですが、月額数万円をいただくような案件も増えてきて。そんな中、ジョインしたばかりの太田さん(メリービズ取締役・太田 剛志)が「しっかりとサービス化して、高単価な案件を狙いにいったらどうか」と真剣に提案してくれたんです。その一言が、『バーチャル経理アシスタント』誕生のきっかけでしたね。

激動期のモチベーションは、共に戦った仲間と信頼してくれたお客様の存在

──そうして、『バーチャル経理アシスタント』を2017年9月にローンチするわけですね。営業などは山室さんが担当していたのですか?

はい。ローンチ当初、ほぼすべての顧客接点を僕が一人で担っていました。営業をして、受注したら運用方法を決める。スタッフさんと相談しながら会計ソフトやスプレッドシートなど必要なツールを整え、お客様に運用をインストールする。サービス運営の上流から下流まで、基本的にすべての工程に関わっていましたね。

──苦労も多かったのではないでしょうか。

2017年の9月から正式にサービスの展開をし、年末までに10社ほどと契約することができました。年が明けたら運用が始まるということで、ローンチから2018年1月にかけては、それはもう……(笑)。

会社を存続させるためには、10社すべてに継続して利用してもらわなければならない状況でした。厳密に言えば、1社解約になったからと言ってすぐに会社が倒れるわけではなかったのですが、資金を調達するために「ここできっちり成果を残さなければならない」という危機感が大きかった。どんなことをしても、すべてのお客様に120%満足していただかなければ、後はないと思っていましたね。

──今メリービズが存在しているということは、サービス初期の山場を見事に乗り越えたと。

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すべてのお客様に120%満足していただけたかは分かりませんが、なんとか継続していただくことができました。その後、サービスを開始してから1年ほどが経ったとき、その次の年の計画を練ることになって、そのときサービスを軌道に乗せることができたと感じたことを覚えています。

──かなり大変だったことは想像に難くありませんが、そのころの山室さんを支えていたのはどんな想いだったのでしょうか?

自分たちがやっていることの価値を証明したいという想いが強かったですね。それに、途中で諦めたらそれまでの努力が無駄になってしまうじゃないですか。それだけは避けたいと思っていました。

もう辞めてしまった人たちも含め、様々な人の努力によって今がある。そのことを考えると、何としてでも形にしなければならないと。

──過去のメンバーたちの分まで、という想いがあった。

山室:もちろん、ご契約いただいたお客様のため、という想いも強かったですね。これは現在も変わりませんが、お客様の事業になんとか貢献したかった。それに、ローンチ当初は、なんとしてでも成果を挙げなければならなかったので。

週2~3で通い詰めた結果、社内に僕の席を用意して下さったお客様もいらっしゃいましたね。あまりにも何でも「やります!」と僕が言うものだから、「やれないことははっきり『やれない』と言ってくれていいんだよ?」と言われたこともあるくらい、何でもやっていましたね(笑)。

でも、それくらいお客様から頼られることが嬉しかったんですよ。メリービズとしてお客様に価値を提供していることが徐々に感じられ、まさにこれこそが「仕事」だなと。手触り感があって、本当に楽しかったですね。

全員が「ビジネスを楽しめる」組織を作る

──山室さんは『バーチャル経理アシスタント』のローンチ以降、どのような役割を担ってきたのでしょうか。

顧客接点がメインではありますが、マーケティングやバックオフィスも担当していましたし、基本的には「全部」ですね。現在は商流で言うと、受注後のフローやリモートワーカーコミュニティを主に管掌していますが、前工程、つまりマーケティングや営業にも関わっています。

──ローンチ時から比べると、組織もかなり大きくなりました。組織運営においてはどのようなことを大事にしてきましたか?

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メリービズが掲げるビジョンは「ビジネスを楽しく」。そんなビジョンを掲げる会社だからこそ、すべてのメンバーがビジネスを楽しめるような組織にしたいと考えています。そういった組織を実現するためには、まず一人ひとりの想いや人生に向き合わなければならないと思い、現在に至るまで全メンバーと定期的に1on1を実施してきましたし、採用のプロセスにも可能な限り関わるようにしてきました。

今後、組織が拡大していくにつれて、徐々にメンバーとの1on1もミドルマネジメント層に任せていくことになるとは思いますが、会社として一人ひとりのメンバーの人生に寄り添うスタンスは大事にし続けていきたいですね。

あとは、メリービズには創業以来、あらゆる立場を超えて一人ひとりと誠実に向き合い、相談しながら物事を決定していくカルチャーが根付いています。そこで大事にしているのが、「3H:はやく、はらをわって、はなす」という考え方。僕もメリービズで起こる全ての事が初体験なわけで、それはメンバーにとっても同じこと。であれば、みんなで意見を出し合い、相談しながら物事を決定していくことが合理的だなと思うんです。
それに、みんなで相談して納得した上で進んでいった方が、全員の力が発揮されやすい。社としての決定に対して「違うと思ったのに、意見を言う機会がなかった……」となれば、その先コミットしきれなくなってしまう恐れがある。もちろん、組織が拡大していけば、全ての決定に全メンバーの意見を反映することは難しくなっていくでしょうが、より良い組織にしていくためのひとつのツールとして、大事にしていきたいと考えています。

社会を前に進めるビジネスインフラを目指して

──今後、『バーチャル経理アシスタント』をどのように成長させていきたいと考えていますか?

ミッションに「ビジネスインフラを創る」を掲げているように、社会にとってなくてはならないサービスにしていきたいです。もちろん、その道程は険しいと思いますし、ゴールはまだまだ先にある。だけど、「遠いから」は諦める理由にはなりません。「『バーチャル経理アシスタント』があったから、社会が少し前に進んだ」と言われるようなサービスにすることを常に意識しながら、事業を推進していきたいですね。

──そこに至るために、まずどんなステップを踏まなければならないと思っていますか?

やや抽象的な答えになってしまいますが、まずは企業の経理・バックオフィス担当者が業務に困ったら「とりあえず、メリービズに話を聞いてみるか」と思われるような存在になりたいですね。採用の領域だと、「とりあえず」で想起されるサービスがあるじゃないですか。新卒採用だと『リクナビ』ですし、中途採用であれば『ビズリーチ』や『Wantedly』がそれにあたると思います。経理業務に困ったら「とりあえず、『バーチャル経理アシスタント』」と言われるサービスになれれば、ビジネスインフラに一歩近付いたと言えると思います。

また、働き手にとっても当たり前の選択肢の一つになりたいと思っています。メリービズには約1,000名(2021年11月時点)のリモートワーカーさんが登録し、共にお客様の業務をサポートしています。スタッフの方々は日本全国、または海外で生活をしながら、自らのライフスタイルに合わせてメリービズで働いて下さっている。自らのライフステージの変化などに合わせて、「より自由な働き方がしたいな」と思ったとき、選択肢の一つとして想起されるような会社になることも重要だと捉えています。

──正社員だけではなく、全てのメンバーが「ビジネスを楽しめる」ような組織にしていきたいと。

先程も言いましたが、みんないつかはこの世に別れを告げるときが来る。そのとき、「メリービズで働いて良かったな。とても楽しかったな」と思い返してもらえるような時間を提供したくて。だから、「めちゃくちゃ働いて、めちゃくちゃ成長しましょう!」と言いたいわけではなくて。もちろん、成長を目的にする人がいても良いのですが、いずれにせよ人生の中の「良い思い出」にしてもらいたいんですよね。

もちろん「仕事は仕事」と切り分けて考えても良いと思うのですが、すべてのメンバーにとって「メリービズで働くこと」が、良い人生を送るための手段になっていてほしいなと思うんです。一人ひとりの人生と仕事が、より良い形でリンクしていけばいいなと思いますし、そういった人生と仕事の在り方を実現できる組織を目指していきたいですね。

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