【エッセイ】警視庁のカレシ。
こんばんは。
今日も先日に続き、ブライダル業界で出会った人です。一体何人いるんだって話ですが、本当に珍しい人ばかりだったので、まだ居ます(笑)
彼女は、前回の元自衛官の子が辞めてから入社した子です。年齢は20代後半だったと思います。ぱっつん前髪で肩より少しある黒髪で、平安美人というのでしょうか?そんな子でした。
彼女は、家庭の事情で生活保護を受給していた為、フルタイムで働いたことがないと面接で言ったそうです。
どういう事情だったかまで、私は知らないのですが、あまり裕福ではなかったとだけ聞いていました。
いつもニコニコしていて、リアクションも大きくて、見るものみんなはじめてー!みたいな感覚だったのが、印象的でしたね。
ある日、彼氏の話になって、付き合っている人がいるんですって彼女は言うんです。
でも、母子家庭で男性にはあまりいいイメージを持っていないようで、結婚に対して、そこまで前向きではないという感じでした。
遠距離をしている彼がいて、その彼が警視庁で働いているというのです。
警視庁?って、まず思いました。私的には、遠距離だし、話を聞けば捜査の最前線にいるということで、命の危険もあると。だから、母親からはあまりよく思われていないと言うんです。
じゃあ、写真を見せてって流れでなるじゃないですか?そしたら、その写真がどこから撮ったらこんな写真になるんですか?ってくらい、遠い写真で。
簡単に言えば、拾い画のような写真。しかも、ちょっとぼやけている。一緒に撮った写真はないのかと聞くと、ないというのです。
遠距離してたら、一緒に撮った写真を眺めたりしませんか?私は、遠距離経験者ですが、よく写真見てましたよ。
今の時代なら、いくらでも顔を見ながら通話できますが、7年前ですから、そうもいきません。
彼女も、自衛官の彼女同様、私と同じ仕事をしなければならず、リハーサルの台本を覚えられないのです。
確かに、原稿用紙3枚分の台詞を叩き込むのは大変ですが、私は上司から見て覚えるように教えられたので、それ以外の覚え方を知りませんから、もしそれが合わないのなら、自分なりの覚え方を見つけてもらうしかありませんでした。
彼女が入社して3か月も経ったでしょうか。その日、彼女は出社してきませんでした。そして電話が1本あったのです。
その電話は私が受けた訳ではありませんが、内容はこうです。
「帰宅時、最寄りの駅で強姦に襲われたので、恐怖で出勤出来ないから、辞めます。」
というものでした。強姦にあったら、ニュースになりませんかね?不審者情報、出たりしませんかね?
結局その電話1本で、そのままフェードアウト。
翌日、私は休みだったのですが、彼女は会社に出勤してきたんだそうです。事務所にある自分の荷物を取りに来たんだそうです。
しかも、その時の恰好というのがロリータファッションだったそうで、傘をさして、ミニのワンピースを着て。
前日、強姦にあって通勤出来ないって言ったのに、ミニ着れます?私だったら、絶対に着れないです。
本当は、強姦になんて遭っていないのではないでしょうか?
本当は、警視庁のカレシなんて、いないんじゃないでしょうか?
人って、辞める為だったら、もう何だっていいんだなぁって思いました。確かに、辞めるのだから一生会うこともない。だったら、その相手にどう思われようが関係ないのでしょうね。
私的には、自衛官の彼女が辞めた時点で、結構ショックでした。嘘付かれたと。だから、次に入ってくる子は、頑張って育てたいと思っていたのです。
でも、その気持ちさえも軽く踏みにじられるのだなぁと思ったのでした。
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