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ペットロス

ゲンキちゃんが息を引き取ってから16日経ち、日本のお盆という期間も終わり、今ようやく日常の生活に戻りかけています。でもこの日常は以前のゲンキちゃんが居た頃の日常ではなく、まだ胸が張り裂けそうな悲しみを抱いたままの日常で、相変わらず涙が突如として溢れてきます。
これはきっとペットロスという症状なのでしょう。ネットで検索してみると、最愛のペットを失った経験は私だけではないし、この喪失感に折り合いをつけるための色んなストーリーがあるというのも、知りました。ただ私は「虹の橋を渡る」とか「お盆に帰って来る」というのがどうしても信じがたく、「お空や天国に行く」という表現にも違和感を感じてしまいます。
また周りの人から「私に飼われて幸せだった」とか「それが寿命だったから」とか言われると、それが慰めの善意で言ってくれるのは分かるのですが、素直には受け取れずに、傷ついてしまいます。そしてそんな傷ついた自分を正直にさらけ出すと「皆んな心配して言ってくれているのだから」とか「ゲンキちゃんは喜ばないよ」とか言われて、更に追い討ちをかけられたような感じになり、それ以降は誰とも話したくなくなりました。今は一人で心の中のゲンキちゃんとだけ対話するだけです。
そんなどんな慰めのストーリーも励ましの言葉も受け入れない私、このペットロス、ちょっとやばいかも? この先、なるべく人を避けて、ただでさえ外国で、田舎で、隠遁生活を送っているのに、更に孤独になっていくかも知れない。これからどんどん年老いて、人の助けが必要となって行くのに、どうするんだろう?
でも私はもう自分に嘘をついて生きたくないし、世間に合わせて、人と上手く付き合うために自分を適当に誤魔化して、そんな無理して人と付け合うのはごめんだ。それだったら、一人で耐えている方がまし。そう思って生きてきた。あるがままの愛しいペット達と共に。
そんなペットとの突然のお別れがこれ程辛いものだとは、今はただ静かに哀しみに向き合うしかない。


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