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朗らかなニヒリズム

評論家の呉智英氏は、偉大なる漫画家である水木しげる先生の作品をして『朗らかなニヒリズム』と評しました。
なんという的確な表現だろうと常々思います。

猫鬼は、人間や人間の集団に対して大した価値など感じられないし、それらに期待もしていません。
どちらかといえば、それらは嫌いなものの部類に入るのです。

とは言え、全く悲観はしていませんし、した事もありません。
人間とは、人間の集団とはそういうものだと、自分なりに思っているというだけの事です。
それでも人間を辞める事は出来ませんし、人間として生きていかなければならないのです。
だからこそ、自分の意思で前向きに生きています。

こういう考え方は、世間一般的にすんなり受け入れられるものではないでしょう。
そういう事は理解していますので、大っぴらに人に語る事でもないと思っていますし、語った事もありません。

しかし、漫画家の活動としては初期に当たる貸本漫画時代の水木しげる先生の作品からは、激しく共感出来るものがあります。
こんなに近い感覚で人間や、社会を見ていた人がいたのかと驚かされる事があります。
それらをこんな形で表現するのかと胸を衝かれる事もあります。

猫鬼には、そういう琴線に触れる表現を見かけると、写真を撮りデジタルスクラップとしてカメラロールへ仕舞っておくという癖があります。
このスクラップもそこそこ数が嵩んできたので、何か使い道はないものかと考えていました。

完全に猫鬼の視点、考え、嗜好で選りすぐっているので、正直何かの役に立つ様な代物では無いと思っています。
しかしいつか誰かの目に留まり、こういうものの見方もあるのかと、考えるきっかけになるかもしれません。

だから敢えて、ここに残してみようと思います。

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