解を求めて 今彷徨う1人〜営業についてなんか解った気がした日〜

今日、営業についてわかったことが2つある。
・最後まで諦めなければいいことがある
・営業はカードゲームに似ている

私は現在、正社員でありながらインサイドセールスとは名ばかりの架電要員(テレアポ)をしている。正直、アルバイトでもできる仕事だと周りからは言われている。それでも、営業として外回りをさせられないほど自分の価値は低い。

そんな僕ができる周りへの唯一の価値提供、それはより多く電話を架け、成約率の高い案件を営業担当者に引き継ぐことである。

しかし、架電の戦場は決して甘くない。人口減少がニュースで取り立たされて久しい我が国、日本。自分がいるIT業界は成長産業ではあるがレッド・オーシャンで競合他社がひしめいており、日々刻々とお客様は他社に取られていく。

そして、3月、決算期ということもあり、
どのお客様も「今年度は、ちょっと、、、来年度また電話ください、、、。」「もう他社の商材を使ってますので、結構です。」などが99%の回答である。
そして、弊社は業界においてはシェア率は低く、弱者である。

そんな中で上司が描いた今月に売り上げを立てるための戦略は、
「商材をまだ使っていない」「企業規模の小さい」お客様をターゲットに電話をかけることであった。

それ加えて、精神的にキツいのは
数ヶ月前に一度「検討していない」と断られたお客様に再度電話をしなければならないということである。
つまり、一度目ぼしい案件がすでに刈り取られたところに再度架電している。

僕は今ある限りの戦術を駆使して、
どうにか決済者を引っ張り出そうとするし
営業だと思われないような言い回しでアポイントを設定しようとする。

それでも先にも書いたように99%は断られる。
1日電話していてもアポイントが取れない日もある。そうなると上司に何も成果物を報告することができない。つまり、その日は会社に目に見えるカタチでの貢献はできなかったということになる。

時期的な要因もあるのか、最近はそんな日ばかりが続いていた。9日働いて、アポイントに繋がったのはたった1件のみ。
今日も同じような日を繰り返すのかと思った。

営業終了間際の17時。見知らぬ携帯電話から着信があった。
「よく内容も分からない引き継ぎをされて、念のためかけてきてくれたのかな、、、。」
と私は思った。

すると、
「早く検討しなくちゃいけないんだけど、御社のイニシャル・コスト、ランニング・コストはいくら?ホームページはある?〇〇は△△で合っている?」などマシンガンのように質問が飛んでくる。
最後に「見積書送っておいてください。はい、失礼します。」と足早に電話を切られた。

私は今飛び交ったばかりの会話を思い出し
上司に整理して報告した。

その少し後、上司が先方に電話をかけ出した。
注意深く聞いていると、
商品に関する突っ込んだ質問から、競合他社との具体的な違い、イニシャル・コスト、ランニング・コストetc先方からの質問に対して瞬時に答えていく。
そして、要所でクロージングの提案をしていた。

営業の何たるかを肌で感じた初めての瞬間だったかもしれない。
まるでカードを切るかのように、先方の質問に合わせて上司は適切に回答していた。僕が知らない競合他社の情報や自社製品の情報、近隣での導入実績の情報などを持っていて、先方が腹落ちするような情報をポンポン出していた。
僕には確かにできないことがすぐ隣で繰り広げられていた。必死で上司が言っていた内容をメモした。

一方で、この上司とお客様とのやりとりを引き起こしたのは、他でもない私が諦めないで電話を架け続けたからだった。

後で、お客様の情報を検索してみると、
「受付対応。上司に申し伝え、何かあれば連絡するとのこと。」というほとんどの場合、何も返ってこないような対応記録であった。

諦めずに電話をかけると万が一にも反響がある。ある種のギャンブルのようなものだけれど、確証がないところに挑み続けた末に得られた結果だったと思う。

テレアポというと、
毎日電話を朝から晩まで架け続けて
数えきれないほどお断りされるから
精神的にキツいよね〜よく頑張ってるね〜と
周りからは言われる。

しかし、テレアポをしない上司の仕事はキツくないのかというと、決してそうではない。
上司は、新規案件を自分で探してくる必要はないかわりに、私から振られた案件を利益を上げるために受注させなければならないという責任を負っている。一方で、私に具体的な粗利ベースでの目標は現在ない。その分、私の責任は軽い。そういう意味で営業マンは皆んな等しく死線の上にいる。

たぶん僕よりも厳しい戦場にいる人は沢山いる。上に上がれば上がるほど、求められる成果は大きくなる。結果を残し続けなければならない。厳しい世界だ。

でも、営業、おもしろい。
もう少し続けてみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?