オカマの女子【飲み会編】

『あらすじ』
おかまの友人達が女子会（飲み）をしていると、オカマ界で有名なアキネさんが現れ…。
オカマの女子会、第二弾。
（前作やらなくても大丈夫ですが、やってもらえたら喜びます。）

性別変更不可

利用契約について https://note.com/merrow15/n/n6802d670f4df

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『キャラ一覧』

《リン》
20代前半。オカマバー勤務。
明るく、ムードメーカー。
見た目可愛く、声も高め。

《ミキ》
30代前半。美容師。
男女関係なく面食い。遊び歩くタイプ。
下品なことは嫌う。

《サクラ》
20代後半。ハンドメイド販売。
見た目はゴツく、声も低め。
女子力が高く、努力家。ネガティブ。

《アキネ》
30代後半。経営者。
とても上品で色気がある。
オカマ界では有名人。

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ミキ：それでは、今日も美しい私達に、カンパーイ！

サクラ：カンパーイ！

リン：カンパーイ！

ミキ：ごくっ、ごくっ、ごくっ…ぷはー！
　うんまーい！

リン：ちょっとミキ、貴方ペース早すぎじゃない？

ミキ：別に良いでしょー？
　せっかくの飲み会なのよ、好きに飲ませてちょうだいよ。

リン：そーれーに、さっきの乾杯の音頭、なに？すんごく恥ずかしいんだけど。

ミキ：あら、別に良いでしょ？
　私達、こんなに美しいんだもの。

リン：ミキが美容に気を使ってるのはわかるし、自信を持つのはいいことだと思うけど、大声でそう言われるとちょっと恥ずかしいわよ。

ミキ：自信は大事よ？自信は。

リン：場所を考えてっている言ってるのよ。

サクラ：まっ、まぁまぁ。
　せっかくの飲み会なんだよ？リンちゃんもミキちゃんも落ちついてよぉ。

ミキ：私は落ち着いてるわよ。突っかかってくるのはの方よ。

リン：なによ。

ミキ：その通りでしょ？

リン：…。

サクラ：まっ…まぁまぁまぁっ。
　今日は楽しく飲もうよ、ね？ね？

ミキ：…。

リン：…。

アキネ：あら？
　貴方達、こんなところで会うなんて奇遇ね。

サクラ：ふぇ？

ミキ：あっ、えっ、ええっ？

リン：うそっ、あなたはっ…貴方様は、ああああああっ、アキネさん！？

アキネ：うふふ、お久しぶりね。

ミキ：おっ、お久しぶりです！！

リン：わー、わー、まさかこんなところでみんなの憧れの的、アキネさんに会えるなんて！

アキネ：何やら揉めていたように見えたけれど、大丈夫？

ミキ：大丈夫です、大丈夫！！

リン：喧嘩するほど仲がいいってやつですから！

アキネ：あらあら。

ミキ：よっ、良ければ、ご一緒しませんか？…なんて。

リン：やっだ、ミキってば大胆！

ミキ：だって、憧れのアキネさんと飲めるなんて夢のようじゃない？
　ダメ元でも聞いてみたくもなるでしょ〜。

リン：だからって、アキネさんはとっても忙しい方で…。

アキネ：別に構わないわよ。

リン：えっ、いっ、いいんですか！？

アキネ：寧ろ、私が混ざってしまっていいのかしら。
　仲良しだからこそ、言えることや聞いてほしいこともあるでしょう？

リン：そっ、そういうのも、あります…けど。

ミキ：でもでも！それはいつでもできるし、アキネさんとお話できる貴重な機会を逃せないっていうかぁ。
　アキネさんって、凄く恋愛経験豊富で、そういった立場からのアドバイスとか聞いてみたいというか…。

アキネ：あら、その言い方…何かあったのかしら？

ミキ：…あー。
　実は…さっきから苛立ってるのは、ちょっと…恋愛で嫌なことがあったからなんです。
　だから今日も、リンとサクラに愚痴を聞いてもらおうと思って飲み会に誘ったの。

リン：そうだったのね…。

ミキ：八つ当たりみたいなことしてごねんなさいね。

リン：そうとわかれば気にしないわよ。

ミキ：…ふふ、ありがとう。

アキネ：いいわね。
　本音で話せ、素直でいられるお友達がいるのって。

ミキ：はい、本当に。

サクラ：私は…恋愛経験がないから、愚痴を聞くことは出来てもアドバイスとかはできないからなぁ。

ミキ：あら、愚痴を聞いてくれるだけで十分ありがたいのよ？

リン：…気持ち、凄くわかるわ。
　聞いてほしいだけの時もあるけど、相談したいときもあるわよね。

ミキ：そうそう。
　ただ、恋愛豊富なアキネさんからお言葉をいただけたら嬉しいなぁっていう気持ちがあるだけで、本当にリンとサクラにはいつも感謝してるのよ！

サクラ：わかってるよ。
　ミキちゃんはいつも明るくて、積極的で、そういうとこ、私にとってすっごく憧れで…。
　でも、そんなミキちゃんがそんなに悩んでるなら、早く解決しなくちゃ！！

ミキ：サクラ…。

リン：そうよそうよ！
　何事にも積極的で真っ直ぐなのがミキのいいとこでもあるの。
　アキネさんがよければ、一緒にお話しを聞いてほしいわ！
　ミキをよく知る私とサクラ、恋愛に詳しいアキネさんが揃えば、きっとどんなことでも解決できるに決まってる！！

ミキ：リン…。
　みんな、本当にありがとう。（うるっとくる）

リン：やだ、何泣いてんのよ。（照れている）

サクラ：ミキちゃんはとっても素敵な人だから、みんなミキちゃんに優しくしたいと思うんだよ。

アキネ：そうね。そしてそれはサクラさんやリンさんにも言えること。

サクラ：え？

アキネ：類は友を呼ぶって言うじゃない？
　友人は自分の鏡のようなものよ。
　自分の周りが優しい人ばかり、魅力的な人ばかりだと思うなら、それはあなた自身が優しくて魅力的な人だからなのよ。
　…んー。立っているのもなんだから、座らせていただくわね。

サクラ：あっ、はい！もちろんです！こちらへどうぞ！

アキネ：うふふ、ありがとう。

サクラ：お飲み物、何にしますか？

アキネ：そうね、ビールを貰おうかしら。

サクラ：えっ、ビール？

アキネ：あら、いけないかしら。

サクラ：いっ、いえ。…アキネさんのことだから、ワインとかオシャレなものを好むのかと…。

アキネ：ワインも好きよ。でも、ビールや焼酎、日本酒…お酒はなんでも嗜むわよ。

サクラ：意外です…。

アキネ：ワインもビールも、どちらも魅力的で素晴らしいお酒よ。
　ワインだからオシャレだとかビールだからオシャレじゃないとか、そんなものは個人の価値観であって、私にとってはどちらも同じでどちらも上品な嗜好品だと思っているわ。

サクラ：すっ、すみません。

アキネ：あら、別に怒っているわけでも責めているわけでもないのよ。
　あなたにとっての価値観はあなたのもの。それを変えるも変えないもあなた次第。
　私の価値観を知ったからと言って、無理やり相手に合わせる必要なんてないの。
　柔軟な思考や相手への同調は大切だけれど、時のは自身の断固たるなる意思というのも大切なのよ。

サクラ：…難しいですね。

アキネ：そうね。私も未だに見極めを間違えて失敗することもあるわ。

サクラ：アキネさんも？

アキネ：私だって、まだまだ若いのよ。うふふ。

ミキ：…価値観は、その人の自由…。

サクラ：ミキちゃん？

ミキ：…でも。でも！！…それでもやっぱり、私…あの男を、許せない！！

リン：あっ、あの男？

ミキ：…聞いてくれる？
　私ね、彼氏がいたの。つい最近付き合ってない、一昨日別れてきたんだけど。
　その男がね。あろうことか、二股かけてたのよ！！信じられる？
　しかも相手はめちゃくちゃ可愛くて、小柄で、守ってあげたくなるような天使のような女の子でね。
　私が二人一緒にいるところを見て問いただしたら、あいつ、「こいつは男だからノーカンでしょ」…なんて言いやがったのよ！？

サクラ：えっ…なにそれ、酷い…。

ミキ：顔だけで選んじゃった私も悪いと思うわ。見る目がなかった。そう言われればそのとおりだわ。
　でも、だからって…おかまや彼女を蔑（さげす）んだような言い方、考え方が…あまりにも腹立たしくて…。
　一昨日は彼女が泣きだしちゃって、あいつそのまま連れて帰って…私も唖然としていて、何も言い返せなくて…。
　ＳＮＳも全部ブロックされてて、もう…ただただ、腹が立つ。それだけよ…。

アキネ：ふぅん。なるほどねぇ。

サクラ：そんな男、最低すぎよ！！別れて正解！！その彼女からも捨てられてしまえばいいんだわ！！

ミキ：…そう、よね。

サクラ：ほら、お酒飲んで忘れよ？こういうときは、飲んで忘れるが一番って言うじゃない！

アキネ：そんな飲み方、私はおすすめしないわよ。

サクラ：…え？

アキネ：嫌なことは飲んで忘れる。悪くないと思うわ。
　でも、後悔や自省（じせい）は、お酒では流せないものよ。

サクラ：後悔や、自省？

アキネ：ミキさん。貴方。嫌な男に引っかかったことを嘆いているのではなく、あの時言い返せなかったことを後悔しているわね。

ミキ：…（首を縦に振る）

サクラ：そっ、そうなの？

リン：確かに、ミキらしくないというか…。

ミキ：外面だけは良かったから、そんなこと言われるなんて思ってなくて。
　それに…あっ、あんな可愛い彼女がいて浮気だなんて、人として最低でしょ！？
　あんな可愛い彼女を蔑（ないがし）ろにするなんて、ありえないわ！！

アキネ：自分のことではなく、彼女じゃ友人のことを馬鹿にされて怒っているのね。

ミキ：…なるほど。それで私はいつもよりムカムカしていたのね。

リン：わかってなかったの？

ミキ：わからなかったのもムカムカの原因だったみたい。
　今、少し落ち着いているわ。

リン：んー…。

サクラ：リンちゃん？どうしたの？

リン：…いくら考えても、よく、わかんなくて…。

サクラ：だから、ミキちゃんは私達や彼女さんのことを思って怒ってくれているんでしょ？

リン：それはわかってるよ。そこじゃなくて…。
　ミキ、彼女がすごーく可愛いと思ったんだよね。

ミキ：ええ、そうね。

リン：男にはSNSはブロックされたと。

ミキ：ええ。

リン：…勤務先や家は？

ミキ：家は知ってはいるけど、さすがにそこまでしたら警察沙汰になってしまうわ。

リン：彼女の連絡先は？

ミキ：さぁ、知らないけど…。SNSで探せば見つかるんじゃないかしら。

リン：…ミキって面食いじゃない？

ミキ：ええ、そうね。今回はそのせいで嫌な目にあったわ。

リン：性別関係なく、顔が良いと好きなんだよね。

ミキ：そう言われるとちょっとムカつくわね。

リン：彼女さんの顔は可愛いくて、ミキから見ても小柄で守ってあげたくなる魅力的な子。
　…今、もしかしたら、そいつに言いくるめられてまだ苦しんでいるかもしれない。

ミキ：…そうね。

リン：…じゃあ、どうして彼女を奪おうとは思わなかったの？

ミキ：え？

リン：だから。ミキ、その子のこと奪っちゃえばいいじゃない。

ミキ：ちょっ、急に何言って…。

リン：顔が可愛い、好みの子で、守ってあげたくなる。それなら、ミキが守ってあげればいい。
　そんな最低な男と一緒にいたら幸せになんてなれない。…なら、ミキと一緒になった方が彼女は絶対幸せになれる！！

サクラ：…確かに！

ミキ：そんな簡単に行くわけ…。

リン：簡単にいくかいかないじゃない、ミキがどうしたいかが大事なんじゃないの！？

ミキ：…リン。
　そうね。その通りだわ。私、なにをうじうじしてたのかしら。
　そうよ。あんな男に、あんな可愛らしい子…勿体無いわ！！
　私なら、もっと幸せにしてあげられる。私なら、全てを愛して全て包み込んであげられるわ！！

アキネ：うふふ。今回は私の出番はなかったみたいね。

ミキ：そんなことないですよ！
　アキネさんが私のもやもやを見抜いてくてたから、こうして解決したようなものです。

サクラ：うんうん！

アキネ：ふふふ。

ミキ：…それでさ。私の話は終わったとして、リンはどうしたの？

リン：え？

ミキ：あんたもさっきからだいぶ様子が変よ。

サクラ：確かに…。

リン：私は…なんでも…。

ミキ：あんたねぇ、人には色々言うくせに、自分のことになるとそうやって閉じこもるのやめなさいよ！うじうじしてて気持ち悪いわ。

サクラ：あはは…。
　ミキちゃんはこう言うけど、人一倍心配してるんだよ。

ミキ：何よ、恥ずかしいじゃない。

リン：わかってるわよ。人一倍、仲間想いで優しいもの。

ミキ：ちょっと…本当に恥ずかしくなってくるわ。

アキネ：それじゃ、そんな優しいお友達が心配してくれてるんだもの、無下にはできないわね。

リン：…。

ミキ：…。私達じゃ、役に立たない？

リン：そっ、そうじゃないわ！
　でも…なんていうか。…自分が、恥ずかしくて。

ミキ：恥ずかしい？

リン：…実は、ね。堂本さんから、告白されたの。

ミキ：堂本って確か…あの、エリートの？

サクラ：わぁ、よかったね！リンちゃん、ずっと片想いしてたんだもん。おめでとう！

ミキ：…それで？

リン：…お返事は、待ってもらってる。

サクラ：えっ、なんで！？

リン：…自信が、ないの。
　上手く付き合っていく、自信がないのよ。

ミキ：自信？…なんの。

リン：わっ、私、おかまになってから恋人できたことなかったし、彼…エリートで、凄く真面目な人で…周りも、凄い人ばっかで…。
　私なんかが、恋人になった…笑われるんじゃないかって…。

ミキ：なんかが？

リン：…あっ。

ミキ：あんた、今、自分のこと、なんかっつった？

リン：…。

ミキ：…はぁ。あんたねぇ。
　私やサクラには自信持てだの、何だの言うくせに、あんたがなんかって言葉使ってんじゃないわよおばか。

リン：…ごめん。

サクラ：そうだよ。
　さっき、アキネさんだって言ってたじゃない。友達が優しいのは、魅力的なのはリンちゃんも優しくて魅力的だからなんだよ！

リン：…ありがとう。

サクラ：だから！…だから、そんなふうに言わないで…。

リン：うん…ごめん。

ミキ：…。
サクラ：…。
リン：…。

アキネ：…ねぇ、リンさん。

リン：…はい。

アキネ：あなた、奪っていってほしいのね。

リン：…え？

アキネ：彼に、強引に自分のものにしてほしいんでしょ。

リン：強引に…？

アキネ：さっきのミキさんへの言葉。あれは、本当は自分がしてほしいから言った言葉なんじゃないかしら。

ミキ：…私と一緒になった方が、彼女は絶対幸せになれる…ってやつ？

アキネ：ええ。
　勇気が持てない、彼の気持ちに自信が持てない。だからいっそ、強引に彼女にしてくれれば、勇気も自信も持てるのにって…思ってなぁい？

リン：…そうかも、しれません。

アキネ：いいじゃない。

リン：…えっ。

アキネ：強引に奪ってくれるなんてロマンチックで、素敵だと私は思うわよ。

リン：えっ、でもっ…えっ？

アキネ：あら、否定すると思った？

リン：…はい。待ってるだけなんてだめって、言われるのかと…。

アキネ：そうね。待ってるだけなのはだめだと私も思うわ。
　でもね、それとこれとは話が別なのよ。
　彼が強引に奪いたくなるほどの魅力を磨けばいいの。簡単でしょう？

リン：かっ…簡単、ですか？

アキネ：恋の駆け引きって、やりすぎるのはいけないけど、それは乙女心からくるものですもの、たまにはしたっていいのよ。
　でも、忘れちゃだめなのは気持ちを伝えること。
　あなたが彼を好きって気持ちは、黙っていては相手には伝わらないわ。
　彼、優しい人なんでしょう？きっと。
　なら、気持ちのないあなたを強引に…なんてすることはないと思うわ。
　だから、好きって気持ちは伝えるの。そして、不安な気持ち、自信がない事、それも素直に伝えなさい。

リン：気持ちを、伝える…。
　それは、駆け引きって言うんですか？

アキネ：…人間の気持ちなんて、言葉にしなきゃわからないわよ。エスパーじゃあるまいし。
　言葉にしてても、嘘だって簡単につけてしまうのだから。

ミキ：うんうん。

アキネ：だから、気持ちは言葉で伝えなさい。目で伝えなさい。
　そして、彼が強引に奪ってくれるくらい素敵な人におなりなさい。
　それで彼の気持ちが本当にわかるなら、本当に信用できるのなら、してもいいと私は思うわよ。
　…告白をして、返事を待ってくれているということは、相手だってここでは諦められないという駆け引きをしているのだもの。
　その場で返事を急かすことだってできた。でも、内心では振られるのが怖いから、返事を引き伸ばすことにも同意したと思うのよ。

サクラ：優しいから…じゃないんですか？

アキネ：あらぁ？本当に優しい人が返事を引き伸ばすかしら。
　好きな相手が自分のために長期に渡って悩み続けることになるのよ。
　それは、ただの優しさとは言わないわ。

サクラ：たっ、確かに…。

アキネ：まぁ、確かな優しい気持ちもそこにあったんじゃないかしら。
　内心、恐怖もあったんでしょうていう話。あくまでも私の憶測だから気にしないでちょうだい。

ミキ：…うむ。でも、すごく納得する。

サクラ：うん。なんか、すごく、わかる気がする。

アキネ：…それで？どうするのかしら、このあと。

リン：この、あと…。

ミキ：そうね。彼に返事をするのかどうかも決めないとね。

リン：わっ…私はっ！！
　…勇気を出してくれた堂本さんに、恥ずかしくない自分で、向かい合いたい…。
　だから…正直に、言う。
　正直に言って、自信が持てるようになるまで、待っててほしいって…言う。

ミキ：なるほど。リンらしいわ。

リン：そっ、それでね！

ミキ：ん？

リン：ミキ。美容について、色々教えてくれない？
　綺麗になるために、もっと美容について色々学びたいの！
　ミキが最も得意とする分野でしょ？…だから、私に教えてくれない？

ミキ：あら、もちろんいいわよ？
　まぁ、あんたは元はいいんだから、私にかかれば今の二倍…いいえ、三倍は美しくできるわ！

リン：うん、ありがとう…。期待してる。

ミキ：ええ、任せてちょうだい。

リン：…それで、サクラ。

サクラ：なぁに？

リン：お料理…教えてくれない？

サクラ：いいけど、リンちゃんお料理もできたよね？

リン：ありきたりな料理を作るくらいよ。
　サクラみたいにオシャレなものを作れるようになりたいの！

サクラ：なるほど…。私でよければ、よろこんで！

リン：ありがとう…。

サクラ：あっ、あのね！
　私もミキちゃんに教わりたい！美容について、いっぱいお勉強したい！

ミキ：あら、サクラはすでにたくさんお勉強してるじゃない。

サクラ：最新コスメとか、そういうのはミキちゃんのほうが詳しいもん。

ミキ：まぁね。

サクラ：お礼に、ミキちゃんにもお料理教えてあげるね！

ミキ：え。私はいいわよ。料理なんて…。

リン：だめだめ。ミキは料理しなさすぎなのよ。たまには自炊しなさい。自炊！

ミキ：美味しいものが外に溢れてるんだから、外で食べればいいじゃない…。

サクラ：だめだよ！美容とお料理は、繋がってるんだから！

ミキ：それはほら、ちゃんと気にして選んでるし…信用できるのならお料理屋さんもたくさんあるし？

リン：自炊のほうが色々便利でしょ？

ミキ：うう…面倒くさいわ。

リン：はいはい。駄々こねないの！

ミキ：うぅ…。

アキネ：うふふ。いつもの三人になったみたいで良かったわ。

サクラ：はい！

リン：本当にありがとうございます。アキネさんのおかげで、吹っ切れました。

アキネ：いいのよ。私がしたくてしただけだもの。

ミキ：さすが経験豊富なだけあります…。

サクラ：あっ、あのぉ…。

アキネ：なぁに？

サクラ：よっ、良ければ、アキネさんにも色々学びたいなぁ…なんて。

リン：あっ、私も私も！

ミキ：ずるい！私だって聞きたいことたくさんあるのよ！

アキネ：あら、嬉しいわね。私でよければいつでも歓迎するわよ。

サクラ：やった！

ミキ：やるわね、サクラ。

リン：よぉし、おかま磨きめいいっぱいがんばるぞー！

サクラ：おー！

アキネ：私も、負けてられないわね。うふふ。