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●配信者と恋人

【あらすじ】
配信者のアサヒとその恋人ヒナタのヤキモチ大会。
 ほのぼの日常系イチャラブストーリー。

利用契約について https://note.com/merrow15/n/n6802d670f4df

性別変更可。口調変更可。
NL、BL、GL、男女交代なんでもあり。

人数変更不可。

【キャラ設定】
《アサヒ》
攻め。底辺なりに人気の配信者。
むっつりヤキモチ。

《ヒナタ》
受け。学生。
ヤキモチ全開。

ーーーーー

アサヒ:はい!というわけで、本日の配信もそろそろ終わりのお時間ですね!
 皆とお別れは俺も寂しくなっちゃうけど、明日もまた同じ時間に配信するから、それまでの辛抱ってことで!
 凸きてくれたにゃこにゃんも、処刑人ABYSS(あびす)くんもありがとね!
 にゃこにゃんはいつもその可愛いお声にみんな癒やされてるよ!
 処刑人ABYSS(あびす)くんは名前からしてもっと中二病なのかと思ったら、めっちゃ真面目で好青年だった!俺めっちゃ好き!
 ね!みんなもそう思うよね!ね〜!絶対、またお話しようね!
 ではでは、ヒカリの配信はここまで!明日もまたこの時間に。
 おつかれさまー!おつありー!

(配信を切る)

アサヒ:…ふぅ。
 配信は楽しいけど、やっぱ疲れんなぁ。

(アサヒ、居間に移動。
 ヒナタはソファに寝そべりながら不機嫌そうに小説を読んでいる。)

アサヒ:ひなー、コーヒーちょーだい。

ヒナタ:…。

アサヒ:ひなぁ?

ヒナタ:………。

アサヒ:ひぃな?

ヒナタ:……………。

アサヒ:どうしたヒナタ、なんで俺の事無視すんの。

ヒナタ:別に。

アサヒ:別にって、そんなどこかのモデルみたいに冷たく言わなくても…。

ヒナタ:誰それ。

アサヒ:えっ!うそっ、まじで!?まじで知らないの?!

ヒナタ:知らない。

アサヒ:まじかぁ、ジェネレーションギャップ…。

アサヒ:で?なんでそんな不機嫌なわけ。

ヒナタ:ちょっ、隣座らないでよ。

アサヒ:いいじゃん。ね、どうして怒ってんの。俺、なんかした?

ヒナタ:別に、なんでもないんだって!

(暴れたヒナタの爪でアサヒの頬を引っ掻いてしまう。)

アサヒ:いってっ。

ヒナタ:あっ、ごめんっ。大丈夫?

アサヒ:だいじょーぶ。
 怒ってても心配してくれるヒナは優しいなぁ。

ヒナタ:優しくなんか…。

アサヒ:俺には優しいの!
 で?なんで怒ってんのか話してくれる気になった?

ヒナタ:それはっ…ほんと、なんでも、ない…。

アサヒ:なに。言ってくんないと俺、わかんないよ?

ヒナタ:…。

アサヒ:なぁ、ヒナってば。

ヒナタ:ちょっ、何変なとこ触ってんの!

アサヒ:変なとこ?それって、どんなとこ?

ヒナタ:ちょっ、わかった!わかったってば!

アサヒ:わかったって、なにが?

ヒナタ:言う!言うから!
 言うから、腰をくすぐろうとすんのやめて!

アサヒ:まだしてないしー。

ヒナタ:腰に触ってるだけでも、くすぐったいんだって!

アサヒ:えー、そもそもくすぐるんじゃなくて、やらしく触ろうとしてただけなんだけどなー。

ヒナタ:そっちのほうがだめ!

アサヒ:えー、だめなの?

ヒナタ:だめったらだめ!…ちゃんと言うから。

アサヒ:はいはい。

アサヒ:…それで?どうしたの。

ヒナタ:…。

アサヒ:ひぃな?

ヒナタ:あ、うー…。

アサヒ:腰。

ヒナタ:わかってるって!
 ………ユウさん。

アサヒ:ん?

ヒナタ:ユウさんと、仲良いよね…。

アサヒ:えっ、ゆう、さん?

ヒナタ:…にゃこにゃん、さん。

アサヒ:にゃこにゃん?
 …あー!にゃこにゃんさん!

アサヒ:そういや、本名ユウだっけ。すっかり忘れてた。
 てか、なんで本名知ってんの?

ヒナタ:アサヒが、前に通話してるの聞いたから。

アサヒ:通話?
 …ああ、あんましつこく寝落ち通話誘うもんだから、放送前に通話してあげたやつね。
 でもあれ、他にも何人かいたよ。
 二人きりではしたことない。

ヒナタ:ほんとに?
 じゃあ、にゃこにゃんさんはアサヒ以外もいる場所で本名明かしたの?

アサヒ:それは、みんなが通話落ちたあと…ではあったけど…ほんと、一瞬だよ?

ヒナタ:一瞬でも二人きりだったじゃん!
 それに、それからというもの、毎度毎度、ヒカリの配信に来てはマルチあがってくるし、自分が一番ヒカリのことわかってますって顔するし。

アサヒ:うん、なるほど。ヤキモチか。

ヒナタ:そうだよ!ヤキモチだよ!
 アサヒがみんなの人気者だってこと知ってる。配信者としてもそれなりに長いし、ファンがたくさんいるのだってわかってる!
 …わかってるの。だって、私もアサヒの声が好きだから。

アサヒ:そうだな。声がかっこいいから配信してみたらって言ったのは、ヒナタだったよね。

ヒナタ:あの時はまだアサヒのことは恋愛として好きじゃなかったし、家でもアサヒのかっこいい声が聞けたらいいなっていう安易な気持ちで提案しただけで、まさかこんな…こんなに人気者になるなんて思ってなかったんだよ。

アサヒ:酷いなぁ。俺だよ?
 人気者になるに決まってんじゃん。

ヒナタ:そうだよね。

アサヒ:いや、そこつっこむとこ。
 俺、今、凄く恥ずかしい。

ヒナタ:だって、アサヒはかっこいいもん!

アサヒ:うん?

ヒナタ:アサヒは、声も顔も、仕草もかっこいいし、優しくて親身で頼りになる!

アサヒ:ありがとう?

ヒナタ:そんなアサヒが、人気者にならないはずなんて絶対にありえない。

アサヒ:うん、過大評価してもらえるのは嬉しいけど、配信者の中ではわりと底辺だよ?

ヒナタ:それはみんなの見る目がなさすぎるんだ!

アサヒ:うん、ちょっと落ち着こうか。話しがズレてる上に変な方向へヒートアップしてる。

ヒナタ:そんな人気者のアサヒが、モテないはずがない!

アサヒ:あ、ちゃんと話、繋がってたんだね。

ヒナタ:聞いてるの!?

アサヒ:聞いてるよ。

ヒナタ:本当にちゃんと聞いてる?!

アサヒ:聞いてる。俺が大好きなヒナタの言葉、聞き逃すわけがない。

ヒナタ:じゃあ、なんでさっきからそんなマヌケな返事ばっかなの!

アサヒ:マヌケって…。
 いや、ただ、なんつーか。可愛いなぁって。

ヒナタ:は!?

アサヒ:ヒナが、可愛いなぁって。

ヒナタ:なっ…。話そらそうとしても無駄なんだからね!

アサヒ:そらそうとなんかしてないよ。
 ただ、ヤキモチ妬いてるヒナがまじで可愛いだけ。

ヒナタ:だから、それがっ…。

アサヒ:みんなから好かれてる俺を見てて自分のように喜ばしい自分と、配信を勧めたことで皆からチヤホヤされてモヤモヤしてる自分がいるんでしょ。

ヒナタ:…そうだよ。

アサヒ:だから、そこが可愛いの!

ヒナタ:意味分かんない。

アサヒ:わかんなくていーよ。
 俺は知ってるから。

ヒナタ:私は知らない!

アサヒ:はははっ。
 …じゃあ、そんなヒナチャンに、一ついい質問です。

ヒナタ:ん?…なに。

アサヒ:こないだから随分と鈴村さんと仲がよろしいようで。

ヒナタ:え?
 …まぁ、確かに最近よく、会うかも。
 でも、同じバイト先だし仕方ないでしょそれはアサヒもよく知ってるじゃん。

アサヒ:こないだまで俺もそこにいたしねー。
 でもさ、なんか、コンビニとかで一緒にいるのよく見かけるんだけど。

ヒナタ:家近いし、シフトがだいたい同じだから帰りが一緒になることが多いんだよ。
 それに、ユキはひとり暮らしだからコンビニでご飯を…。

アサヒ:ユキ?今、ユキっつった?

ヒナタ:言った、けど。

アサヒ:え?なに?
 たかがバイトが同じだけで一緒に帰宅して、下の名前で呼び合ってコンビニデートしてんの?

ヒナタ:コンビニデートって…。
 ちょっと買い物付き合ってるだけだよ。

アサヒ:先帰ればいいじゃん。

ヒナタ:そうかもしんないけど、そんな怒ること?
 そもそも、ユキには恋人もいるし…。

アサヒ:ヒナは可愛すぎるから、ついクラっとし襲ってくるかも知んないだろ?

ヒナタ:ありえないよそんなこと!

アサヒ:なんでそんなこと言えるんだよ!

ヒナタ:私にそんな魅力ないもん!

アサヒ:じゃあ、俺は何なんだよ!

ヒナタ:物好きなんじゃない?

アサヒ:じゃあ、その鈴村さんも物好きなんだったらどうすんだよ!

ヒナタ:あーもー!
 そんなこと一々心配してたら、キリないじゃんか!…あっ。

アサヒ:…わかった?そういうこと。

ヒナタ:…うん。

アサヒ:まぁ、俺が鈴村さんのことは気に食わないのは本当だし、なんなら他にもまだまだたくさんいるけどさ。
 そんなこと言い出したらキリないんだよ。
 キリがなくなるくらい、ヒナタの事が好きで、独り占めしたくて、なんならずっと部屋に縛り付けて俺以外の何も考えなくなればいいのにって思うよ。

ヒナタ:怖いよ…。

アサヒ:うん。
 でも、そうしないのは、自由でコロコロ表情変えて楽しそうにはしゃぐヒナが一番好きだから。だから今まで言わなかった。
 …でも、そのせいでヒナに自信なくさせて、ヤキモチ妬かせて泣かせてちゃったね。ほんとごめん。

ヒナタ:アサヒ…。
 違う、違うよ。アサヒは悪くないよ。
 私が、私がもっとしっかりしてなかったから、全部アサヒのせいにして、逃げてたから…。

アサヒ:………。ヒナ。

(アサヒ、ヒナタを抱きしめる。)

アサヒ:愛してるよ。

ヒナタ:私も。私も愛してる。

アサヒ:これからはちゃんと、お互い口に出していこう。
 ヒナがヤキモチ妬いたときは、俺がこうして抱きしめて慰めやる。

ヒナタ:じゃあ、アサヒがヤキモチ妬いたときは、私がアサヒを抱きしめて慰めてあげるよ。

アサヒ:俺はできれば、一緒にお風呂のほうがいいなぁ。

ヒナタ:なっ、何いってんの、調子乗んないで!

(ヒナタ、アサヒの背中をを軽く抓る。)

アサヒ:いって!

ヒナタ:………ふふっ。

アサヒ:今度はどうした?

ヒナタ:んー?…幸せだなぁって。

アサヒ:…だな。

ヒナタ:アサヒ。

アサヒ:ん?

ヒナタ:コーヒー、入れてくる。

アサヒ:ん。さんきゅ。お願いした。

ヒナタ:うん!

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