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アヘアヘキングダム2ndSeason Story 19

<Ain’s Case ―― アインの場合>
最近は、仕事の合間に中学時代を思い出すことが多い。

作文、ポスター、問題集…様々な種類の課題を目の前にして、茫然とする僕がいた。1つだけなら、割と集中出来る方だと思う。でも、やることがたくさんありすぎると、何から手を付ければいいのやら…って感じで、なかなか始動出来ない。気が付いたら、部屋を掃除してたりww あの頃はムネさんの目が怖かった…お兄ちゃんがいなくなってからというもの、標的は僕1人だったし(・∀・)

そう。中学時代を思い出すのは、いろんな種類の仕事が舞い込んでくる今の状況が、あの頃に似ているからなのかもね。

今依頼されているのは、雑誌の記事の挿し絵と、自動車工場のパンフレット。雑誌の方は、打ち合わせの段階で依頼主さんのイメージを共有出来たので(あくまでも僕の感覚でw)、期日までには何とかなりそう。ただ、工場の方が…精密な構成力や、車に関しての知識が必要で…一度工場を見学させてもらった時にデッサンはしたけど…イマイチ手ごたえがなくて…(´-ω-`)

プロが泣きごと言ってちゃアカン。今、僕の口ぐせ(`・ω・´)


そしてもう1つ。これはまだ正式な依頼ではないのだけど…

たんぬ、童話の挿し絵とか、やってみる?(´PωP`)

ピイコさんから、胸が高鳴る一言。
僕、絵本作家になりたいと思っていた時期があった。
あ、それも中学時代か…w


アヘアへビル 再来月完成予定
テナント・居住希望の方、絶賛募集中です。
                       問い合わせ先:株式会社グヘヘ建設 担当:田中

<Neesou’s Case ―― ネーソーの場合>
ktkr!!!!!!!!!!!!!!!!!

うっし、ラキアにも電話しとくべ。

<Nyamsan’s Case ―― ニャムサンの場合>
4年ぶりのオーディション会場。
そうそう。このピリッとした雰囲気。久々だ。

ホント、不思議な感覚。
「あなた、2週間後には、オーディション受けてるわよ」
あの時の私にそう言っても、絶対信じなかっただろうなww

一番近いオーディションを受けると言っても、事務所の推薦がなければ無理な話だった。

「それだけ、僕はきみのことを買っているんだよ」
「大森さん、本当にありがとうございます!」
「実は、きみを推薦したのには、もう1つ理由があってね」
「え、何ですか」
「この作品は、櫻井孝宏さんが主演予定なんだよ」
「…そうなんですか」
「ずいぶん冷静だな(笑)」
「いえ、十分驚いてますw」

大森さんは、「君が直近のオーディション受けたいって言ってきた時、これは偶然じゃなくて運命だって思ったよ」って言ってたけど…合格しないと運命にはならないよねww まあ、どちらにしても、復帰していきなりこういうチャンスをもらえて、本当にありがたい。

控え室を見渡す。知ってる子…いなさそうだ。そりゃあね、4年もたっていればね。きっと10代の子ばっかりだろうな。見た目もそうだけど、何か雰囲気というか…オーラが若い。フレッシュな感じww

25歳なんて、きっと私1人だね。

(´・ω・`) 

いやいや!何を弱気になってんの!こういうことだって、覚悟して戻ってきたんだよ!!おぬこ、ダイジョウブ!むしろ、大人の魅力、見せつけてやるんだから(。◕ˇωˇ◕。)

よし、ここはひとまず、トイレにこもって気持ちを落ち着かせようwww てことで、離席ε=ε=(。◕ˇωˇ◕。)
 
部屋を出て、角を曲がった瞬間、知っている顔に出くわした。

……櫻井さんだ。

ずっと私が憧れだった人。最後に仕事をした人。「引退する」って言った私を、熱心に引き留めてくれた人。あれからも、常に第一線で活躍している人。気軽に話しかけるのはどうかな…でも、あいさつはしておかないと…あの時お世話になったお礼も、改めて言いたい。

時間にして、僅か数秒。色々な思いが頭の中を駆け巡る。
自分でも驚くほど冷静だった。

「櫻井さん」

<Dialog Neesou and Rakia on the phone ― ネーソーとラキアの電話>
ラ: はい、ラキアです。
ネ: もしもし、こちらイケメンです(´◉◞⊖◟◉`)ニャハハハハ
ラ: ネーソー、この前はごめんね。
ネ: あ?(´◉◞⊖◟◉`)何のこと?
ラ: いや…ニャムサンの件。僕、余計なこと言っちゃったから。
ネ: へ?(´◉◞⊖◟◉`)俺っち、何か言われたっけ?
ラ: …いや、「引き返せ」的なことを…
ネ: ああ、そのことか。そんなん気にすんなってww あいつも声優復帰目指して、また頑張るって言ってたし。
ラ: …うん。
ネ: 「ラキアと俺っちのお陰だかんな!出世したら、焼肉おごれよ!」って言っといたわ。ニャハハハハハハハハハ(´◉◞⊖◟◉`)
ラ: 僕は何もしてないよ(´・ω・`)
ネ: …ん?わりぃ、今聞き取りづらかった。何か言ったか?
ラ: いや、別に…
ネ: どしたんだよ。声が元気ねーぞ。
ラ: いや、何でもない。大丈夫。それで、今日はどうしたの?
ネ: あ、そうそう!あんな、アへビル、ついにテナント募集始めたぞ。
ラ: そうなんだ。
ネ: 連絡したか?
ラ: いや、してない。
ネ: オイ、ラキア~何もたもたしてんだよ~…って、別に早い者勝ちじゃねーからいいんだけどなww 希望者が多かったら抽選になるらしいし。
ラ: ………
ネ: おい、きいてっか!?
ラ: …あ、うん、ごめん(´・ω・`)
ネ: 締め切りが再来週だから、知らなきゃマズイかなって思ってよ。
ラ: ありがとう。でも、多分出さないよ。2店舗目の話は白紙にした。
ネ: あ!?なんでだよ~(´・ε・`)
ラ: 特に理由はないよ…あと、しばらくみんなとは連絡とらないと思う。
ネ: …ラキア、オメー、どうかしたんか?
ラ: いや、別に…(´・ω・`)
ネ: んだよさっきから。何かあんなら言えよ。
ラ: ごめん、もう切るね。
ネ: おい待て。
ラ: …それじゃ。
ネ: 待てって!!

<Dialog Nyamsan and Sakurai Takahiro ニャムサンと櫻井孝宏の会話>
櫻: ん?君は…
ニャ:お久しぶりです(*´∇`*) ニャムサンです。
櫻: ……ゴメンなさい。よく覚えてないんだけど…もしかして、去年のファン・ミーティングに来てくれた子かな?
ニャ:……
櫻: あ、違ったか…僕も歳のせいか、物忘れがひどくて(苦笑)。ゴメンね。
ニャ:いえ…
櫻: で、君は…オーディションを受けにきたのかな。
ニャ:はい。
櫻: そうなんだ。今回、僕も審査員なんだよ。まあ、ここで話したからといって、ひいきはしてあげられないけど(笑)。
ニャ:……
櫻: まあ、頑張って。それじゃ。
ニャ:…はい、失礼します。

<Yuimi’s Case ―― ユィミの場合>
タチバナさんと会ってきた(´・_・`)

私、ゆぃみさんにはまけませんから

あの毬固ちゃんの一言、ずっとひっかかってたけど、
こういうことだったのか(´・ω・`)

申し訳ない。本当は、こういう事言ってはダメなんだけど。
ただ、あの時に『今キミを連れてきてくれた人ね、ユィミさんって言うんだけど。僕の中では、今のところ彼女と君が有力候補かな』って、
毬固ちゃんにポロッと言ってしまってね…

…ぬうう、あんま聞きたくなかった(´・ω・`)

お詫びついでにもう1つ。

実際、うちに来てもらうことになったら、
僕たちが契約するのはユィミさん1人。

つまり、今一緒にやっているメンバーの人たちとは離れてもらうことになるけど、そのあたりは大丈夫だよね。分かってるよね。

だいじょばないよ…わかんないよ(´・_・`)


<STORY 20 preview ―― 次回予告>
今度は僕の番 / 気が変わった
ええやん!! / 板挟みング・ザ・主人公
(✧≖‿ゝ≖) coming soon
※モデルこそいますが、あくまでもフィクションです。

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