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アヘアヘキングダム1st Season Story 11

<Nyamusan’s Case ―― ニャムサンの場合>
この先のこと、本当は誰かに相談したい。話を聞いてもらいたい。でも、今はそれどころじゃない。記憶喪失って、ドラマとか映画では見たことはあるけど、正直「こんなことあるの??」って思ってた。

でも、実際目の当たりにすると、結構ショックだ。私でさえこうなんだから、ネーソーは…(´・ω・`) 

声をかけても「だれですか」としか言わないから、お見舞いに行っても、どうしたらいいのか分からない。

元気で、明るくて、笑顔がかわいい。アインちゃんはどこ…(´;ω;`)

<Tokiyu’s Case ―― トキユの場合>
もしもし。トキユです。はい。今病院に行ったのですが、依然変わらず…
って感じですね。いえ、ネーソーさんがずっと側にいるので、その心配はないかと思われますが…はい、分かりました。お気をつけて。失礼します。

何かスパイみたいだな、私。知ってしまったものは仕方ないが…正直気が重い。

<Dialog Neesou and Misaki ―― ネーソーとミサキの会話>
ネ:先生、それで、検査結果はどうだったんでしょうか。
ミ:うん。何度も調べてみたんだけど、脳にこれといった異常は見当たらないわね。何人か他の先生にも見てもらったんだけど、現時点で、はっきりとした原因は分からない。
ネ:そうですか…
ミ:ごめんね。
ネ:こういうことって、実際あるんでしょうか。 
ミ:うーん、私も専門外だから、基本的なことしか話せないんだけど。
まず、記憶障害の原因は主に「外傷性」「薬剤性」「心因性」の3つがあって…
ネ:ちょちょちょ、先生…何すかそれ。
ミ:あ、えっとね、簡単に言うと、頭のケガ、精神作用のある薬の服用、ストレスとか心の問題。分かった?
ネ:はぁ…まあ、なんとなくは…
ミ:それで、まず薬剤性はあり得ないでしょ。とすると、「外傷性」か「心因性」になるんだけど…
ネ:やっぱり、階段から落ちて頭打ったのが原因ってことっすか?
ミ:うーん、可能性としてはあり得るけど…ただね、脳震とうと言ってもすごく軽度だったし、特に目立った傷はなかったのよね。
ネ:はい…そうっすね。
ミ:でね、さっきも言った通り脳に異常はないし…身体的要因が見当たらないのよ。だから、私は「心因性」の可能性が高いと思う。ストレスが極限まで達したとか、心に大きな傷を負ってしまったとか…ネーソーくんは、何か心当たりない?
ネ:…いえ。
ミ:まあ、いずれにしても、一時的なものだったら良いんだけどね。今の状態が長引くようなら、一度精神科に連れて行った方がいいと思う。その時は紹介状書くから、言ってね。
ネ:ありがとうございます。
ミ:とにかく、私たちも出来る限りのことはするわ。ショウコさんのことも含めてね。
ネ:……
ミ:ネーソーくん。今は、君がしっかりとしないといけない時よ。
ネ:はい。分かってます。
ミ:リョウジさんにも、一時帰国してもらうように私の方から…
ネ:いえ。おやじには連絡しないでください。
ミ:ネーソーくん…
ネ:大丈夫です。俺っちが支えます。

<Fiimo’s Case ―― フィーモの場合>
アインちゃんのことは気になるけど、僕たちに出来ることはなにもない。ネーソーも「気にせんでええよ」って言ってくれたので、久々に実家に向かうことにした。この電車に乗るのも、久しぶり。

景色が少しずつ懐かしくなっていく。僕の不安も少しずつ大きくなってくる。

笑われたり、バカにされたり、呆れられたり。 自分でも、分かってるんだ。

でも、僕にはヨーグルトしかない。

おいしいヨーグルトを作って、みんなの笑顔が見たい。ただ、それだけなんだ。

<Dialog Shouko and Yuimi ―― ショウコとユィミの会話>
シ:ユィミちゃん、本当にごめんなさいね。色々迷惑かけてしまって…
ユ:いえ。あたしの方こそ、お役に立てなくてすみません。
シ:そんなことないわ。2人がまた一緒に生活出来るようになったのは、ユィミちゃんのお陰だもの。本当に、感謝してます( ^ω^ )
ユ:いえ、そんな…
シ:それで、アインの様子はどう?すぐに良くなるって聞いていたんだけど、まだ会ってないから…
ユ:…あ、アインちゃんなら、だいぶ良くなりましたよ。ただ、まだ無理はさせられないってことで、休んでいます。
シ:そう。それならいいんだけど…元気になったら、私の病室に来るように言っておいてくれる?
ユ:…はい。
シ:本当にごめんね。私も体調が良い日なら、自分から会いに行こうと思っているんだけど…なかなかね(苦笑)
ユ:いえ、ご無理はされないでください。あたしに出来ることがあったら、また言って下さいね。

<Dialog Neesou and Yuimi in the waiting room ――
ネーソーとユィミの会話 待合室にて>

ユ:(ハァ…) あ、ネーソー、隣良い?
ネ:(ハァ…) おう、ゆたさん。
ユ:…ショウコさん、アインちゃんに会いたがってるよ。
ネ:…だろうな。
ユ:で、アインちゃんは、どう?
ネ:変わんない。色々話しかけたり、写真とか見せたりしてんだけど、反応なし。
ユ:そっか…。ネーソー、これからどうするの?
ネ:俺っちが聞きてえよ…
ユ:だよね…ごめん…
ネ:いや…
ユ:……
ネ:……

<Munetaro’s Case ―― ムネたろうの場合>
もしもし。はい。到着、来週の水曜ですね。はい。お迎えに参ります。…お嬢様は、まだ病院です。ネーソー様が付きっきりで見て下さっているようです。いえ、ネーソー様のお友達に協力していただいています。病院には近づけませんので。分かりました。また何かあったらご連絡差し上げます。失礼いたします。

【STORY 12 Preview ―― 次回予告】  
雨 / それぞれの苦悩
ナカナイデ クダサイ / 当たり前のしあわせ
(✧≖‿ゝ≖) coming soon
※内容は、モデルこそいますが、あくまでフィクションです。
※筆者取材のため、soonでない可能性があります。ご了承ください。

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