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校正・校閲・翻訳校閲

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校正・校閲・翻訳校閲についての情報、思っていること、書籍から得た知見などをまとめています。
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記事一覧

翻訳者が原稿を書くなら

 今日は翻訳者のライティングの話をする。有料、無料を問わず「原稿を書く」翻訳者に読んでほ…

ダブルのミスはおそろしい

  先日、こんなような文言があった。 This means we can save 1,400 cubic meters of water.…

セルフ校正のポイント――(3)

 先日の投稿 ↓ の続き。  「見る」の次は、心理的な機能を考えてみよう。  心理面で校正…

セルフ校正のポイント――(2) 経験値を積むことと「見る」こと

 (1)ではプロセスについて書いた。文字、ファクト、内容の整合性と、工程を3つに分けて見てい…

高倉やえ『雪の朝』~感想

 通訳者の作者と同じ職業に就いている「はるか」を描いた小説。  冒頭に、主人公の年令につ…

今年の登壇終了~翻訳校閲講座講師としての顔

 今年は、翻訳校閲講座での登壇が多かった。1月に翻訳研究會(アイディ)、6月に毎日文化セ…

セルフ校正のポイント――(1) プロセスを3つに分ける

 校正・校閲とは、原稿の誤りを見つける作業である。わたしは職業としてやっているが、最近は、自分の書いた原稿や翻訳文をセルフ校正したい、セルフ校正の質を上げたいと考える人から、「どうすれば(自分の)校正でもっとミスを減らせますか?」と聞かれることが多い。  そこで、自分や(たぶん)他の校正者たちがどうやって作業しているのか整理してみた。同じようにやれば、セルフ校正の質はだいぶ上がるはずである。  まず、プロセスを分ける。校正・校閲では、大きく分けて文字そのものが適切か、ファクト

稲泉連『「本をつくる」という仕事』~感想

 本に関連した八種類の職業人へのインタビューから構成された、全七章の本。第一章は活字、第…

英語を「飾り」に使うデザイナーの方へお願い

 昨日はCalendarのスペルミスの話を書いた。  そこで、編プロにいたときを思い出した。  …

カレンダーに1枚1枚シールを貼った話

 20年ほど前、わたしは翻訳会社にいた。 業界で機械翻訳の話は聞超えてくるけれど、まだ会社…

自分が校正した本を買う

 「校正業界のよくないところ」として、X(旧ツイッター)上にこんなポストが上がっていた。 …

校正者にとって一番の勉強

 先日、他の校正者が校正したゲラを見る機会があった。ちなみに一切の守秘義務違反はなく、当…

JATでスピーカーを務めます

 本日は宣伝です。  JAT(日本翻訳者協会)セッションにてスピーカーを務めることとなりまし…

翻訳チェッカーには注意力が不可欠

 いつも言っているが、翻訳そのものと翻訳チェックは別の仕事である。翻訳者になるためのスタートが翻訳チェッカーであるとか、それとは逆に良い翻訳者のゴールとしてチェッカーがあるという人もいるが、わたしはそうは思わない。翻訳と翻訳チェックは別の工程であり、別の担当者が遂行するものであり、一直線上に存在するものではない。  もちろんセルフチェックという工程もあるが、どんな仕事にもセルフチェックは必要だ。わたしが言っているのは、別工程としてのチェックである。  翻訳チェックで必要とされ