20/12/17 日記

 33歳の最後の夜、Discordで年齢が10歳ほど離れた友人(であり、仕事の先輩でもある)と話していた。

 初めて会ったとき、自分は学生、相手はバリバリに仕事をされていた身分だったので、とにかく恐縮していた。それはそうだ。何者でもない自分と、自分の立ち位置がわかっている人。対等であるはずがなかった。少なくとも、自分はそう思っていた。

 それが今では、お互いの仕事について、こうなりたい/こうなりたくないという話題も交わせれば、「あるあるトーク」さえできるようになっている。長い歳月は、上の人を追い越すとまではいかなかった(し、別に追い越すつもりもない)ものの、同じフィールドに立っているのだな、と思うまでには自分を成長させてくれたのかもしれない。

 30代も半ばにさしかかれば、自分にできないことなど、たくさん見えてくる。

 よくも悪くも、この歳になると、わかってくる。少なくとも何かしらの主役になることはないし、突然スターになることもない。大きなものを起ち上げる機会もなく、国際的に活躍することもなさそうだ。

 その一方で、「しかしながら人生は、自分の想像もつかないことが起きる」ことも理解しているので、いきなり明日にでも人生が変わっても、まさか、そんな、信じられない……とはならないだろう。いや、驚くとは思いますけれど。

 年を取ると、誕生日なんて何とも思わなくなる、と周りの人がよく言っていた。そういうものかと考えていたけれど、30を過ぎると、家族があっという間に老いていったり、友人や知人が突然に世を去ったりするものだから、「そうはいっても、年齢を一つ重ねたのだ」と考えて、やはり大事な日なのだと感じるところもある。

 世界にはいろいろなことがあり、人にはそれぞれの考えがありましょうが、誕生日ぐらい、この世に生を授かったことのありがたさに無条件に浸らせてくれてもよいではありませんか。

 それにしても、もうボブ・ディランが『Blood on the Tracks』を出した年齢か……。

 34歳になりました。次の目標は35歳になることです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?