20/08/28 日記
政治家としての安倍晋三は、よくも悪くも(悪くも、のほうが割合が大きいと個人的には考えている)、戦後民主主義から生まれた総理大臣という感じだった。疑惑の多くは「便宜を図った」系だったし、何かを強権的に決めることもあまりなかった(できなかった)。
有能かどうかはともかく、「邪悪な独裁者」では、まったくなかった。言葉遊びみたいだけれど、もしそうだったとしたら、もっと支持率は高かった。
改憲を何度も口にしてはいたが、しかし、本心だったのだろうか。あれを言い続けることで、野党はその都度、土俵に上がっていたが、その分、中途半端な経済政策について突っ込むことも、代案を出すこともなかなかできなかった。野党が選挙で勝てなかったポイントは、案外、そんなところにある気もする。
総理大臣としての安倍晋三を評価するかと言われると難しいものの、彼を否定する人たちの中には、病気を揶揄する人たちもいた。本当に悪手だった。自分が支持・支援する政治家が、病歴で叩かれたら、なんと返すつもりだったのだろう。
また、そのような言い方で安倍晋三と自民党を攻撃している政治家もいたが、たとえば、自分の支持者に難病の患者がいる可能性について、考えられなかったのか。
心の底で何を考えていようとも、ここでねぎらうような言葉を言えば、周囲の見る目も変わってくるのに(それはまさしく、文字通りの「社交辞令」でしょう)。
手続き論への批判や、引責辞任のあり方などが、議論の俎上にのせられるのは、至極真っ当だ。ただ、支持する/支持しないに関わらず、ここで「お疲れさまでした」的なことが言えない人や、病気について馬鹿にする人などは、やはり、深いところで信用できない。
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