ひとり暮らしレポート 美しい香り
去年末頃から友人と企画していた京都旅行に先日行ってきた。目的は友人のちいかわ推し活とスイーツ。わたしも友人もチョコレートが好きなので、京都に店舗を構えるパティスリーを巡った。まだ肌寒さを感じる日々ではあるが、イートインでジェラートを食べたり、唯一観光として行った金閣寺でソフトクリームを食べたり、欲望のままに食べてまくってしまった。四条河原町のパティスリーへ行った際、同じ建物のフロアにポップアップストアがあり、ふらりとのぞくと素敵な瓶の香水が売られていた。CURIONOIRというニュージーランドのブランドで、昨年日本に入ってきたばかりというその香水は、小さなボトルに大きなエネルギーを秘めていた。わたしは、香りに込められたイメージを綴る物語が好き。だけど香りの好き嫌いや、描くイメージは人それぞれ違う。だからこそ、自分で確かめたい、という欲が強い。並べられた8種類の香りを、ひとつずつ深く吸い込んで、香料と物語が自分の中でマッチするか、この香りを纏うわたしはどんな女になるのか、を本能で感じ取る。まずは好きなものとそうでないものに分けられて、次は自分のイメージに合うか合わないかで分ける。そうすると、だいだいふたつくらいになるから、そこからその香りを纏ったわたしをどう見られたいか、を選ぶ作業になる。以前ディプティックで香水を選んだ時も、同じ作業でふたつが残り、背伸びしたいと思って大人びた香りを選んだ。馴染むのに時間がかかったけど、途中からその匂いがないと落ち着かなくなった。今回も、大人びた香りと華やかな香りが残った。最初は大人びた方にしようと思ったが、変化する香りに自分らしさを見つけられなくて、絶対的に信頼できるセンスを持った友人の意見ももらって、華やかな方を選んだ。選び終わってから考えると、この香りが最初からいちばん好きだった気がする。もっと好きなものがあるかもしれないから、と探しても、最初に無意識下で選んでいたものに戻ってくることもある。今回はそれだった。選んだ香りはDARK BOUQUETという名前がついていて、闇なんて感じない、美しくて華やかな香りだ。春になるからこういう香りを選んだのかもしれないし、潜在意識が導いた〈なりたいわたし〉なのかもしれない。内容量はたった4mlの小さな瓶だけど香りの持続性が高いそうなので、半年くらいは持つらしい。この美しい香りを、大切に纏っていこう。