見出し画像

ひとり暮らしレポート ついにかの国へ征く

10月にチケットを取った。日程を決めて、行きたい場所もネットや本を見て決めた。地理が得意な友人が行程を決めてくれて、ワクワクしながらカウントダウンをしていた。その間に勉強があったし試験もあった。イベントもコンサートもあって、仕事もめちゃくちゃ忙しかった。あっという間に3月になった。わたしはついにタイへ行くのだ。
タイブームに飲み込まれて、はや2年。ずっと行きたかった。マルタから帰ってきて、一人で海外に行くという経験を得て、これからはどこにでも行けると思えたのに、すぐにコロナ禍になった。お金もなかったから働いて、いつかまた海外に行く日を夢見た。わたしはついにタイへ行くのだ。
昨年から推したちが毎月のように日本にやってきては、イベントをしたりコンサートをしたりしてくれる。チケット代が高いから全てには行けないし、交通費や宿泊費も痛手だった。彼らが日本にずっと来たかった、と言ってくれるのと多分同じくらいの気持ちで、わたしもずっとタイに行きたかった。来てくれるのはとってもうれしいけれど、わたしからも赴きたかったのだ。わたしはついにタイへ行くのだ。
海外旅行は初めてだと気づいた。マルタは2ヶ月の留学だったから、旅行というより暮らしだった。だからパッキングがわからずにたくさん調べた。何を持っていくのか、何を現地で買うのか、着替えの枚数、お金、消耗品。キャリーバッグも自分だけの大きなバッグを買った。きっとこれからもわたしと一緒にたくさん旅をしてくれる相棒には、黄色のロジェールを選んだ。元日に楽天で買ってすぐに届いたそれに、毎日少しずつ期待とドキドキを詰めていく。わたしはついにタイへ行くのだ。
タイ語と英語の勉強をしている。マルタに行った時は、どのくらい話せたっけ。レストランでもカフェでも注文できていたな。お洋服だって買えたし、スキンケアグッズも店員さんに相談して買った。スマホも、マルタの経験も、日々の勉強もある。わたしが掴み取ってきたものや、わたしが選び取ったもの、わたしが積み重ねたものたちが、きっとわたしにもっともっと素敵な世界を見せてくれる。世界に旅に出ることができるのだ。わたしはついにタイへ行くのだ。
楽しい旅にしよう。挑戦する旅にしよう。愛おしい時間にしよう。はじめてのタイ旅行が、人生の中の輝く時間になりますように。