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こんなご時世だから、VRでユメノグラフィアはいかが?

この記事を書いている2020年3月28日は、東京で初めて外出自粛要請が出た日です。こんな時はVRでもしているのがいいのではと思い、ユメノグラフィアについて書くことにしました。

これまではVR環境が必要なので敷居が高かったですが、4月1日にデスクトップモード(VR不要のPC版)がリリースされます。それを契機にやってみようかなという方もおられるでしょうから、参考になればというのもあります。

ユメノグラフィアとは

ユメノグラフィアは、にじさんじ運営でもあるいちからの事業で、VR空間でキャラクターと1対1で会って会話などができるというサービスです。キャラクターはキャストと呼ばれていますが、まぁVTuber・Vライバー的なものと言えて、実際、YouTubeなどでも活動しているキャストの方は多いです。

これまではPC VRのOculus RiftとHTC VIVEのみに対応していましたが、4月からは普通のPC環境にも対応するので、一気に裾野が広がることになります。

ユメノグラフィアの始め方

セットアップについては、公式サイトや公式のnoteを見てください。あとで気づいたのですが、noteのほうが詳しかったです。

チケット一覧画面では、どの時間帯でどのキャストの枠が選べるかが表示されます。ちょっとオンライン英会話みたいと思ったけど、オンライン英会話のような、評価とか条件検索などはありません。まだそこまでキャストの数が多くないですしね。したがって、自己紹介動画などを頼りに選ぶことになります。

私の場合は、都合の良い日時に枠があった方の自己紹介動画をいくつか見て、声やしゃべり方の好みで「ころぼしまう」さんのチケットを取りました。まぁ直感的に選んだ感じです。キャストの方はたいていTwiterやYouTubeをやっているので、そちらも見て手掛かりにする手もあるでしょう。私はチケットを買った後で、予習としてTwitterやYouTubeを多少見ておきました。

支払いのところでクーポンを選べます。隠れていて見落としがちなのですが(私は見落とした)、初回割引クーポンなどがあります。

ユメノグラフィアの初体験は失敗した話

実は最初にやった時は、部屋に入ってもキャストの方が現れず、機器をつなぎなおしたり、再起動したりしても解決せずに時間切れになってしまいました。サポートに問い合わせて分かったのですが、部屋に入れただけではダメで、メニューを開いて1階層下にある「オンラインにする」を選択する必要があったのでした。

VRChatにしろ、Clusterにしろ、普通はVR空間に入った時点でオンラインなので、ユーザー操作でオンラインにする必要ありますか?という意見を送ったら、おっしゃる通りなので検討しますと言われ、最近のアップデートで自動的にオンラインになるようになりました。意見を生かしてもらえたのはよかったです。チケットは無駄になったけど。

後日、再挑戦して無事に会うことができたですが、ころぼしまうさんにその話をすると、「同じ時間と場所にいたのに、二人が会うことが出来なかったったって、物語みたいだな」と言われ、確かにそう考えるとちょっと面白と思ったり。「君の名は」みたいな話ですね。まうさんはこんな感じで、ポロっと面白いことを言ってくれます。

ユメノグラフィアの体験:1回目

ユメノグラフィアの最初の体験は、バレンタインの時期だったので、部屋や衣装がバレンタイン仕様になっていました。スクリーンショットや録画が禁止されているので、画像は公式からお借りします。右の方はころぼしまうさんですね。

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夕暮れの教室に二人だけでいるという、なかなかグッとくるシチュエーションではないでしょうか。窓から見える夕焼けがきれいで、夕日に照らされた教室や人物も雰囲気がありました。

最初なので、何を話すのかなとキッカケを考えていたのですが、まうさんの方から、私のnoteを見たことがあるという話を振ってきました。私のnoteは時々、chromeのおすすめなどに出るのですが、それで最近見た記事が印象に残っていて、私のTwiterを見て「あの記事を書いた人だ」と気づいたとのこと。予習してるのはさすがだし、いいフリですね。

そういう会話を円滑にするためにも、初対面の方のチケットを取ったら、Twitterなどで挨拶しておくのが良さそうです。まず間違いなく反応してくれるはず。

ころぼしまうさんは、優しい落ち着いた感じで、でもリアクションは快活で、とても話しやすかったですね。ユメノグラフィアの1枠は30分ですが、楽しくお話ししていたら、あっという間に終わっていました。

ユメノグラフィアの体験:2回目

1ヵ月ほどして2回目をやったのですが、記事を書くなら別の方も見たほうがいいかなと思いつつ、またころぼしまうさんにしました。

2回目はイベント期間では無かったので、通常の部屋?でしたが、まうさんが言うにはイベント前と変わったところがあって、隣に座ったときの距離が近くなったと。

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ゲストは移動ができませんが、キャストはゲストの前の席と隣の席に移動できます。隣の席に座るのは、教室空間でも見たのですが、確かにその時と比べても近くなって、ちょっと寄れば肩が触れ合うくらいの距離に感じました。

実は1回目を体験したときに、「これ必ずしもVRでなくてもいいのでは?」と思ったのですよね。確かにVRは臨場感がありますが、動き回るわけではなく、基本的に前にいるキャストさんとしゃべるだけなので、VRじゃなくて普通の画面越しでもそんなに体験は変わらないんじゃないかと。私の場合、3D映画を見ると最初はいいなと思うけど、すぐ慣れてしまって3Dであることを忘れてしまいますが、それと似ています。だからVR無しのデスクトップ版も出せばいいのではと思ったのですが、それは出ましたね。

でもキャストさんとの距離が近い時の、すぐ横にいるという臨場感は確かにVRでしか出ないでしょうね。ちなみに、過度なスキンシップは当然禁止ですが、頭をなでる・なでられるのはOKのようなので(キャストさんによるかもしれませんが)、許可をもらえればやってみるといいと思います。VRならではの体験です。

ユメノグラフィアのメインは、会話を楽しむことだと思うので、それはデスクトップ版でも同じように楽しめると思えます。まずデスクトップでやってみて、VRが欲しくなったら買うというのもありでしょう。

ユメノグラフィアの可能性

ユメノグラフィアを体験して、これはお金を払う価値のあるサービスだなと思いました。VTuberが好きな人にとって、VTuber(キャストはVTuberを兼ねていることが多いので)を30分間独占して時間を共有できるというのは、贅沢な話です。あと後述しますが、生身の人間と会話するのとはまた違う質のコミュニケーションがあるように感じます。

ただ気になるのは、今は1枠の値段が3千円(税別)ですが、本来はこの値段ではできないのではと。VRで演じるという性質上、キャストはそんなに長時間できないはずですし、1人が1人の相手しかできないのでスケールしにくい、事業拡大してもコストが下がりにくいという問題があります。今はまだ立ち上げなので採算度外視だと思えますが、事業継続するには、もっと値段を高くしないと成り立たないのではないでしょうか。

高くしてもお客さんに来てもらうためには、さらに付加価値が必要かもしれないですね。移動できるようにするとか、空間を複数用意して選べるようにするとか。

ころぼしまうさんはエルフなので、「エルフの森のステージとかあったらいいよね」と話したら、すごくいいと言っていました。ユメノグラフィアは「キャラクタと会話する」サービスなので、キャストはロールプレイしており、それを生かすためにもキャラクタに合ったステージは欲しいところです。そしてそこで動き回ることができて、一緒に景色を見たりできると、さらに楽しいでしょう。

そんなことは、当然考えているでしょうけどね。現状でも十分楽しいですが、この先にもいろいろ可能性があるし、事業として成り立ってくれるといいなと思います。

生々しい体が無いからこそのコミュニケーション

この記事を書いている時点では、ウイ・ルス騒動の真っ最中なので、テレワーク・在宅勤務になっている人が多くなっています。そういう人達が言うのは、雑談できないのがさびしいと。確かに職場にいると、なんだかんだで仕事の合間に雑談はしますからね。

最近は、在宅の人たちと会議するときはなるべくカメラをつけて、顔を見ながらやるようになりました。そうすると、声だけのときと違って、会議の終わりなどに何となく雑談するようになりました。みんな雑談に飢えているし、顔が見えることで親密さが上がるのかなと。会議での意思疎通も良くなる気がします。

そうなると、次はVRでやりたくなりますよね。みんなでバーチャルの身体でVRオフィスに通うという。そうすれば、生身とほとんど変わらないのではないか?

いや、むしろ生身より良いのではと、ユメノグラフィアをやった後では思います。心理学者のアルバート・メラビアンによると、話し手が聞き手に与える印象のうち、「見た目、身だしなみ、表情」などの視覚情報が、情報量の55%を占めるそうです。人は、視覚から情報を得つつ、声を聞きつつ、話の内容を理解して、コミュニケーションしていると。

でも本来、人の見た目は話の内容には関係ないので、ノイズだと思うんですよね。身だしなみとか表情筋の良し悪しとか、そんなものに左右されないほうが良いはずだし、その視覚情報からコミュニケーションに必要な情報を取り出すための翻訳に、余計な脳のリソースを使っている気もします。身振りや表情などの視覚情報はコミュニケーションに必要だとしても、生身に伴う余計な情報も多いのではということです。

ユメグラのキャストは、アニメなどで親しんだ姿をしていて、表情などもわかりやすいです。ある種、記号化されています。だから余計な翻訳が必要なく、余計なフィルターもかからず、見た目の情報(55%の部分)がスッと入ってきて、本来の会話に純粋に入り込める気がするのでした。わかるでしょうか、この感じが。生々しい体を通さないから、より魂に触れられると言ってもいいかもしれない。似たことはVRChatなどでも体験していたはずですが、表情などがよく、より自然に会話できるユメグラで特に感じました。

だからみんなVRで、あるいはVRでなくてもいいからアバターで出勤しようぜと。そのためにみんなユメグラを体験すればいいんだ、と思うのでした。


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