「殺戮にいたる病」己の中の異常について(ネタバレ含)
こんばんは。今日は明日の面接に向けて模擬面接とか諸々準備していました。
現在ガッツリ就活中でして、大変な日々が続いておりますが、合間に本読んで音楽聴いて絵描いて、好きなことして乗り切ろうと思います。
さて、今回は「殺戮にいたる病」の感想を記そうと思います。こちらの小説は、我孫子武丸さん著書の「叙述トリック」が目玉の小説となっております。
ネクロフィリア(死体愛好者)のシリアルキラーを中心に、家族の葛藤や殺害された女を取り巻く人々達の奮闘激を主に描いています。
⚠️ここから下、ネタバレに触れますので嫌な方は引き返してください!⚠️
そしてこの小説といえば、ラスト1ページで全ての伏線が回収され、本著の叙述トリックの種明かしがされるトリッキーな最後が印象的です。
一家の長男だと思われていたシリアルキラー・稔の正体は、実は一家の大黒柱、大学生の息子を持つ父親であり、稔だと思われていた人物は稔自身ではなく稔の息子だったのです。
叙述トリックの小説を読む際、ネタばらしの前に見破ってやるぞ!!と意気込むのあるあるだと思うんですけど、これで見破る事ができる人って本当にいないんじゃないですかね。最後の内容を理解した時は爽快感を全身で感じました。
と言いつつ、中身のエロ・グロの描写はかなり血生臭く残酷です。文字のみで画像や映像はないものの、見るに堪えない情景が容易に想像できます。苦手な方には非推奨な作品です。
そしてこの作品では、異常者が己の異常に気づかない描写が巧みに表現されているのですが、
皆さんは己の「異常」について1度でも考えたこと、ありますか?
自分にとっての常識が周りにとって常識ではない。
例えば私なら、生まれつきの発達障害(アスペルガー症候群)があり、1歳半から精神科に通っているくらいの筋金入りです。こだわりが非常に強く、絵本の暗唱を一日中行い続けて母親をノイローゼにしかけたり、不登校の同級生の家に勝手に訪問しようとして先生に止められたりした事がありました。
このレベルの執着は「異常」なんです。でも私は己の異常に気づかず、当時の状況を聞いた今でも「あぁ、大変だったんだね〜」くらいの感想しかありません。客観的に見たら異常なんでしょうが、私の中の「常識」はこれだったんです。
殺人鬼という、常識とは相反する存在の中にある異常性。そもそも周りが本人の特性を理解していなかった環境下でもあり、少し哀れにすら見えてきます。
私の特性を理解してくれる家族、親身に相談に乗ってくれる友達、障害に関するサポートをしてくれる様々な機関の方々がいるからこそ、私は私の「異常」を世間で乗り切れるくらいに抑える事が出来ています。ネクロフィリアとはだいぶ話が変わってきているかもしれませんが、根本的に持つべきものは理解者です。
とまぁ、私なりの見解をなんとなーくざっくり書いてみました。
小説から得られるモノは人それぞれなので、後で検索などして様々なnoteを覗こうと思います。
今回はここまでです。では!
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