TRPGシナリオの本文書けたけど公開はまだ結構先ですって話

 こんにちは、海野芽里衣と申します。
 普段は寡黙なドッター座敷童としてドット絵を描いては投稿したりしなかったりする日々を送っております。

 早速ですが、今年やりたいことの1つとして掲げていた「TRPGシナリオを書く」というのがちょっと進展をいたしまして、自身の記録用(と、退路絶ち用)も兼ねてこの記事を書いております。
 今のうちに言っておくと、この記事において現在製作中のシナリオに関するネタバレ要素はありません(トレーラー等で公開する部分等には触れていることもあります)のでその点は安心して読んでいただければと思います。

 (どうしてドッターがTRPGシナリオを、という話は以前書いたこちらを参照していただくこととし、本記事では割愛させていただきます。)

 進捗としては、タイトルにも書いたようにシナリオ本文は書き上がりました。後述しますが本文を書いただけでは世に公開しづらいので(公開できる場合もあるけれど)、公開そのものはまだまだ先になります。
 本当は何月頃とか言えれば良いのかもしれませんが、シナリオを世に出すのが初めてで、公開までの一般的な所要時間や、公開できると思えるクオリティー作りに対して自分の作業速度がどれほど対応できるものなのかなどがもう何もかもわからないので目途の立てようが無いのです。
 ただ、折角「今年の目標」として掲げて本文を1月中に書き上げられた訳ですから、どんなに遅くなっても今年中に公開できるようにしたいと個人的には思っております。

シナリオ本文を書きあげてみて

 私は今まで個人的にTRPGシナリオを作ろうとしたことが何回もありました。何回もです。しかし、ただシナリオ本文を書き終えたことさえ今回が初めてです。今までは全て、本文の完成さえさせずに挫折してばかりでした。それがどうして(ある程度の構想が事前に決まっていたとはいえ)今回になって突然、今年に入ってから「シナリオを作る」という目標を掲げて、1月が終わる前に本文を書き上げることができたのかという部分を自分なりに考察&記録していこうと思います。
 私自身のメモとしても勿論ですが、私のように「TRPGシナリオを書くことに挑戦してみたけど挫折してばかりだった」という方への参考のひとつになるといいなと思っています。

コンセプトを決めることが完成への大きな近道になる

 ここで言うコンセプトとは、「同じジャンルの中の作品の中で、この点では他の何にも負けない」という要素のことです。特徴であり強み、といったところでしょうか。ただ、誤解を招かないように補足すると、「最初なのに何にも負けない作品なんて作れる訳がない」という考え方自体は正しいものです。何度かシナリオ作りに挑戦したことのある方は特に、「最初から凄い作品は書けない」という話を他メディアから聞いたり、御自身で実感されたりしているかと思います。
 では何故「他の何にも負けない要素」を、それも書き始める前に決めてしまうのかという話に移ります。まずはズバリ、「作品の方向性がぶれないから」です。他の何にも負けないようにという意思で作れば、少なくともその要素に関しては取捨選択で捨ててしまうことはありません。「作品としての形を作ること」ではなく、内容面である「コンセプト」を取捨選択の基準にすることで、充実した内容の作品をぐっと作りやすくなりました。また、コンセプトが決まれば時代背景や舞台となる場所も結構絞られることが多いと思います。

起承転結ってTRPGシナリオでは結局どうなの?

 TRPGシナリオに限らず、何か文章を書くときに「起承転結を意識する」というのは、もう耳にタコができるほど聞いたという人も多いのではないでしょうか。かく言う私もその1人です。でも、その起承転結すらまとまらない、そもそも起承転結ってTRPGに必要なの? などなど、起承転結が役に立つのかさえ結局分からなかったというケースを私自身辿ってきました。
 結論から言うと、「起承転結って結果論じゃない?」というのが正直な意見です。特に今回の場合、シナリオの大まかな流れが最初に決まっていました。そのため、それを起承転結に当てはめてみると、なるほどここが転だからその直前のここが承か、と当てはめることができたわけです。結果的に起承転結になっていた、というだけだったのです。
 こんな前置きをしておいてこういう言い方をするのはどうかとも思いますが、では起承転結というのはTRPGシナリオを書く上では無意味であるかと問われると、必ずしもそうではありません。大事なのは、起承転結「で作る」のではなくて、起承転結「を把握する」ことのようなのです。
 シナリオの流れそのものを考え始める時に、まず起から考えなきゃ、次に承を考えなきゃ、やっと転が考えられる・・・・・・と進めていくとなんか上手くいきません。これがどうしてかは私にもよくわからないのですが、おそらく起や承を考える時点で全体像が見えておらず、後々矛盾やズレが起こるからではないかなと思います。まず、起承転結になっているかどうかは置いておき、オープニングとエンディング、できればエンド分岐ぐらいまで決めてしまいます。この作業、私の場合は先程話題に上げた「コンセプト」が決まっていると意外とスムーズにできてしまいました。そこまで考えられるなら起承転結って結局必要無いじゃん、と思われるかもしれませんが、起承転結が必要になるのはこの後です。自分が考えた流れを起承転結に当てはめて、このシーンが起、このシーンは承、など、どのシーンが起承転結のどの部分に当たるのかを把握します。
 ここでまず、「転のズレ」が無いかを確認します。
 「転のズレ」とは何のことかを説明する前に、「転」がどういうパートかを改めて明確化しておきたいとおもいます。起承転結における転とはいわばクライマックス。小説なら読者、アニメなら視聴者、そしてTRPGならばプレイヤー(時にはその分身であるプレイヤーキャラクター)に対してその話の中で最も大きな印象を与える場面です。この場面での体験・経験がそのシナリオ自体の印象を大きく左右します。
 これを踏まえて、「転のズレ」とは何を指すのかというと、「転がコンセプトに相応しくない状態」のことを指します。これを放置したまま進めてしまうと、「コンセプトは面白いけど、このシナリオで無くても良くない?」という何とも残念な完成形に繋がってしまいます。では逆に、「転がコンセプトに相応しい状態」かどうかはどう判断するのでしょうか。正直様々な基準があってしかるべきだとは思いますが、私の場合は、プレイヤーがこのシーンをむかえて初めて、「だからこのシナリオはこれをコンセプトに掲げているんだ」と納得できるかどうかではないかと思いました。少し具体的に言うと、例えば「真犯人が誰にもわからないミステリー」というのをコンセプトにしているミステリー小説があったとしましょう。そのような小説では、転、つまり探偵役などによって事件の真相が暴かれた場面で、「なるほどこんなトリックが使われていては真犯人が誰にもわかるはずが無い」と読者に思わせるよう構成されているのではないでしょうか。そんな感じです。
 話を戻しまして、「転のズレ」が無い状態にしたら、今度は「転に相応しい承があるか」を確認します。またわかりづらい表現にしてしまって申し訳ないのですが、この説明の為に今度は「承」と「転」の関係性について明確化しておかなければいけないような気がします。
 「承」について、「転に向けた助走部分」という説明の仕方を聞いたことのある人も少なくないと思います。それは本当にそうだと思うのですが、なかなかはっきりとイメージしづらいように感じます。物語を考えるときは、先程も述べたように「転」の部分を最も大切にします。最も大切にするということはつまり、思い入れもあるし、具体的な情景描写等も1番浮かびやすいのではないでしょうか。それはごく普通のことです。ただ、「助走」という比喩がなされるように、「転」という一瞬のジャンプを大きなものにするには、相応の距離と時間をかけた「承」が必要です。ところが「転」のイメージがはっきりしすぎているために、脳内で決定している「承」のイメージ量が「転」よりも大幅に少ない、という状態になりがちなんです。
 そこで、「転に相応しい承があるか」を確認することで、細かくシナリオの内容を考えて始めてから、転に向けた繋ぎの場面が足りない、なんて状態にならずに済みます。
 ・・・・・・と、こんな感じで、TRPGシナリオにおいても起承転結という概念の活用が役立ったという例を一気にお話ししてしまいました。なんだか今見たらちょっと偉そうに書いてしまっている感じが自分でもするんですが、なんとこれ全部シナリオ本文を書き終えたからこそ気付けたことです。

どうしてすぐには公開できないのかという話

 記事冒頭で申し上げましたが、シナリオ本文を書き終えたからといってすぐに公開できるわけでは無いのでございます。シナリオの公開にこぎつけるまでにどんなことをしなくてはならないのかというのをここでお話ししようと思います。

テストプレイ

 ご存じの通り、TRPGはゲームです。ゲームである以上、ある程度形が整ったらテストプレイをして、ストーリー上の矛盾やプレイヤーに対する極端な説明不足が発生しないかなどを確認するのが基本的な行程です。勿論、身内で回せるシナリオになってさえいればいい、DL(エモクロアTRPGで言うゲームマスター)は自分だから自分が詳細を把握していれば大丈夫、という場合はテストプレイをせずに完成の早さを重視するというのもひとつの方法ではあります。しかし今回、私は「ドッターに楽しんでもらいたい」「あわよくばドッターでない人にもこのシナリオを通じてドット絵に興味を持ってもらいたい」という目的でシナリオを書いておりますので、私以外の方が回すのに困難な状態で完成と言う訳にはいきません。
 ただ、テストプレイをするには協力者を募ったり、私自身が長時間通話できる環境を整えなければならなかったり、さらにはそれらが学生である私の多くは無い休日に当てはまっていなければならなかったりと、思ったよりハードルがあるのでございます。
 実は2月3月は後者2つが解決できそうなタイミングが結構多いので、チャンスなのではないかと思っているのですが・・・・・・果たしてどうなることやら。
 できるかどうか全く未定なのですが、もし2月3月の平日昼間に長めのテスプできるよという方いらっしゃいましたら御一報ください、お誘いの声を掛けさせていただくかもしれません。何卒、なにとぞ・・・・・・

部屋素材作り

 いやぁ、これは全面的に私がそういう仕様にしてしまったのが悪いのですが、オンラインボイスセッションを前提に書いた今回のシナリオ、どうしてもある程度の部屋素材が揃っていないと演出が成り立ちづらいものになってしまいまして・・・・・・。そして思い出していただきたいのですが、今回のシナリオのコンセプト、『ドット絵が似合うエモクロアTRPG』。
 そうです。
 ドット絵製の部屋素材を絶賛制作中です!!!!!
 
自分で言うのもどうかと思いますが、これできるんか海野? 本当に「軽めのパソコンゲーム1個作るんか?」ってくらい素材が必要なことになってるんだけど大丈夫か海野? 海野?!
 まあ、あの、どうしてそんなことになってしまったのかはシナリオを公開した際に見ていただくということで、今は応援していただければと思います。


 というわけで、相も変わらず喋り散らかしてしまいましたね。どこが「寡黙な」ドッター座敷童なんでしょう、本当に。記事の締め方もよくわかってないのにこんな長文書くからもう。ところでこの記事、タグは何付ければ良いんでしょう? なんかこれも付けといた方が良いよというものあれば教えてください。
 ではでは、今後また良い御報告ができるよう精進いたしますので、応援していただければ幸いです。

海野芽里衣

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