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海外留学体験記 #5 ザ、イタリアンタイム

お察しの通り、時間割のない時間割がどのように遂行されているのかお話したいと思います。
イタリアに到着して間もない頃のある朝、滞在先の家主に今晩〇〇という映画があるから、、と教えてもらいました。部屋にテレビがあったのでいつも見てはいましたが、まだ言葉もよくわからないので何が何だかわからないけどかけている状態でした。でも映画となると言葉は分からずとも楽しみになります。私は今晩の楽しみが出来てウキウキで学校に行きました。学校に着くと、友達もその映画の話をしていて、色々盛り上がって帰宅。

夜9時に始まるというので風呂も食事も済ませて準備万端で映画に臨みました。
しかしここてイタリアンタイム!映画は始まりません。あれ?チャンネル間違った?と変えてみてもまた違う。私聞き間違ったのかな?なんでかな?と思っていると中途半端に11分とか過ぎたあたりで何事もなかったように映画が始まりました。私は今日は何か事情があったのかな?とも思いましたが、何かって何?
映画いえいえ、テレビ放送が時間通りに流れないってある?とクエスチョンがイッパイの状態で映画を見ました。
翌朝起きて、ダイニングに行くとすかさず家主に昨日の映画9時に始まらなかったけど、、と言うと『イタリアンタイム』と言って笑われました。そんなのあなたイタリアにいるのよと言うのが答えと教わりました。

わかりました。電車やバス、飛行機が遅れると言うのは分かりますが、まさかテレビの番組開始時間までとは予測不可能でしたと話が終わってしまいました。

私の住んでいたローマ市内はバスが全て網羅しているので足には困りません。
困るのはとにかく頻繁に走ってくれている路線でも時に全く来ない事もある事です。来ないな、来ないな、あっ来た!と思ったらその後ろにも同じ行き先のバスが来ていたり、電車が来ないなーどうなっているんだろ?と確認に行くとホームまで変更になっていたとか、まあ色々。しかし私が一番待ったのは解剖学の試験。自分の番が回って来るまで実に8時間待ちました。

ところでイタリアのランチタイムが13時〜というのはご存知でしょうか?
私は当初、これにも驚いたのですが、イタリアでは13時が日本の正午の役割を果たします。
これは別に上記の”遅延”とは関係ないのですが、大体みんな家を出て、オフィスや学校に着いてからクロワッサン風パン(コルネット)とか抜けて食べに行くから腹持ちは13時まで余裕なわけです。そして13時のランチ(プランゾ)の後は続いてお昼寝も、となるのでざっと16時まではドント ディスターヴです。一切の雑音シャットアウトで極上のお昼寝。なんかね、あれこれ遅れようがこういった生活スタイルの暗黙の了解はすごく正確に遂行されています。

イタリア人(社会人)可能な人はお昼に家へ帰りお昼を食べ、お昼寝をして職場に戻ります。私はこれがとーっても好きです。お昼寝の時間は15分でいいのだけど、家に帰って食べる安心というか落ち着きというか、たまらなく好きです。なんと言っても無音の極上タイム。自然の音のみの時間です。

もひとつ正確(?)なのが街で見かける長方形の長ーいピザ。コレ、食べ歩き用の切り売りピザなのでお昼にみんなよく街角で食べてます。長さは各々好きな長さで切ってくれるので自分好みの大きさで食べれます。でも丸いピザそこにないの。実は私たちがピザと認識しているあの顔よりも大きい丸いピザはディナー(チェーナ)なのです!大概 夜しか開かないピッツェリア。有名店は人だかり。日本のように手で持って食べません。ナイフとフォークで自分で切りながら食べます。ディナーですから。
あれらは別物なのです。

ある時イタリア人のファミリーと一緒にランチをしていたのですが、お子さんね、7歳なんですが、大人と全く同じ大きさの皿に大人と同量のパスタが盛られててびっくりしましてね、小さな女の子だったんですが普通にしていたのでこれは普通なのでしょう。食後にお母さんに〇〇して〜っておねだりし始めたんですが、お母さんが一言「人を急かしては行けません!」とピシャ!と言ってのけました。子供はシーンとなって以降母を急かしませんでした。私はコレだ!とピンときました。
イタリアンタイム、成立です。

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