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質問箱への回答㉓『会話という現象』

今回いただいたご質問はこちらです。

「おしえてください」と書かれているものとしますね

会話ってなんなんでしょう?🤔

って、会話は会話だろ! と思ってしまった人もいるかもしれませんね。しかし、意識が進化していくにつれて、会話というものの不思議さに戸惑いを覚えるようになる人もいるはずです。そもそも、こうしてわたしが皆さんに文章で語りかけていることも会話の一種だとするなら、人間の活動の全側面において会話はその主要な要素であると言えます。実際、人生というものは人と人が出会って関わって織りなされているわけですが、そこで繰り広げられているのは会話です。ボディランゲージやスキンシップといったものまで会話の一部とみなすのであれば、人間関係のすべては会話であると言っても過言ではないでしょう。

ですから会話についての理解を深めることは人間と人間の意識についての理解を深めることと同じです。そして、ある人物がいるとして、その人の意識レベルがいちばん分かりやすく反映されているのは「その人がなにを話すか」「その人はどう話すか」です。

その人がなにを話すかについていえば、どのような話題を選ぶかという観点と、どのような語彙を用いるかという観点とがあります。話題に関してはホーキンズ博士の意識レベルの表を参考に、その話題がどんなレベルから発せられているかを確認してみてください。

語彙については、教養という意味で語彙が豊富であることも意識レベルと無関係ではありませんが、より意味深いのは「ポジティブで統合的な言葉」を用いるか、「ネガティブで分離・分裂的な言葉」を用いるかの違いです。これについては『パワーか、フォースか』の9章「人間の心構えにおけるパワーパターン」に書かれていることを熟読して頭に入れておくとよいです。

続いてその人はどう話すか? こちらを見ていくには会話における観察力や洞察力が必要になってきますが、そうした能力を養うことそれ自体も意識レベルを高める作用があります。いくつもポイントがありますが、まずは傾聴する姿勢の有無は重要ですね。傾聴までいかなくても、単に人が話している途中でそれを遮ることがあるかどうかで見てもよいでしょう。

仕事上で必要な議論や質疑であったり、ある種の相談事というような場合を除いた、誰がその場の主導権を握っているでもないような日常会話においては話す量よりも聴く量の多い人のほうが概して意識レベルは高いでしょう。ただし、単に話すことが苦手な人もいますし、聴いているようで実は人の話を聴いていない人もいますから、そういう機微を見分けることも必要です。

また、話をはじめると勢いよくまくしたてる人がいれば、その都度その都度で聞き手に話が通じているかを確認しながら話す人もいます。話の中に主語(俺、わたし、など)が多いかどうかもポイントです。その人が話している限り、とくに誰のことであるかを指示する必要がなければその人が主体であるため、俺が、わたしが、と言う必要は実はないのですが、多くの人は俺が、わたしが、という主語を多用しています。小学生の作文のレベルなのですが、ここにも意識レベルが反映されています。単なる癖といえばそうなのですが、成長とともに意識レベルが上昇したなら、俺だのわたしだのという主語をやたらめったら使うことの自己中心性が気になってくるものです。

さらに先に触れたようにボディランゲージなども会話の要素ですから、その人が話す時にどのような身振り手振りを用いるかや、もっとシンプルに表情をどのように変えているかも観察できるポイントになります。いずれも観点としては攻撃的な感じがするか、優しく包み込むような感じがするかでみればよいでしょう。また、身振り手振りについていえば、それが話している内容を効果的に補完している場合と、まったくそうではなく単にその人の勢い的なものを示しているだけの場合😆があることにも気づけるはずです。

それから、これは会話の要素でもあるのですが、実はそれよりももっと包括的にその人の意識レベルを示しているものがあります。それは「目」です。瞳は魂の窓ともいうべきもので、目から読み取れる情報は豊富です。ここでは一つ指摘しておくと、意識レベルが低い人ほどアイコンタクトつまり目を合わせることを避けます。他者と見つめあう(目を合わせる)とき、そこには合一感すなわち「一つになったような感じ」が生じます。これはすべては一つであるという真理を垣間見ているからで、それによって愛が芽生えたりすることもあるわけです。そもそもが一つなのですから、ここで芽生える愛はちょっとした錯覚なのですが、それはまあともかくとしましょう。

意識レベルが低いということは自己中心性が高く、それだけ世界から分離独立していると錯覚しているのですが、こういう人は他者と見つめあって「ひとつになる」ことを忌避したがります。なぜなら、ひとつになってしまうと自らの独立性、中心性が損なわれてしまうからです。一般的に「人と話をするときは相手の目を見ろ」ということは普通に言われていますが、まさにそれが出来ているかどうか、ということになります。これは会話においてのみならず、街ですれ違う時などでも観察してみれば分かりますよ。まあ、無関係の人の意識レベルが分かったところでどうかというのはありますが、観察力を養うトレーニングとしてはよいと思います。

ちなみに注意点としては高知能サイコパスはこれを知っていて、自分は望まないけれども、他者を自分の思うままに操作するために相手の目を見つめるということを平気でやるので用心が必要です。

さて、ここまで会話について色々と見てきました。もっと深堀りすることももちろん可能ですが、それはこれを読まれた皆さんのほうで研究していってください。

先日の明け渡しについての記事やその他のところでも書いてきましたが、そもそも人間の自我は行為の主体ではありません。真の主体はすべてであるところの全体性あるいは神にあります。ですから、自我によって行われているように見受けられる人間同士の会話もまた、ほんとうは全体性が上映している映画のスクリーンに映し出された一幕でしかありません。つまり、神である全体性が一人ひとりの人間に発話させ、それを別の人間に聞かせているのです。

ですから、会話というのはその時その場において生じる現象にほかならず、そしてそれは起こることになっているのです。起こることになっている会話について自我がコントロールできることはなにもありません。コントロールしようと試みて実際になにかやってみるということは現象の中で起こりますが、それすらも起こることの中身としてプログラムされているのです。

とはいえ、ある肉体精神機構は意識レベルを高めようという意志をもち、その結果として会話を洗練させていきます。そうでない肉体精神機構もまたいます。見かけ上はこうしたことが起こりますが、これもプログラムです。

プログラムなので、この記事を読まれた人の会話がどのように変化していくのか、あるいは変化しないのかについて、わたしにもその人にも、どうにもできません。起こることは起こりますが、起こらないことは絶対に起こりません。つまりどんな会話もカルマの現象化であるということです。

世間話をするときに気をつけることをおしえてください

そのうえでアドバイスするなら、すでに触れたものも多くありますが「他人の話を遮らないこと」「他人の話を丁寧に聴くこと」「低い意識レベルの領域にある話題を避ける(自分がしないだけでなく、そんな話題の多い人との会話はなるべく避ける)」「話すときには必要でない限り自分を指す主語は省く」「代わりに、わたしたち(we)という主語を多用してみる」「相手の目を見る」「断定はしない(◯◯だ、ではなく、◯◯だと思うと言う)」などが挙げられます。

さらに加えるなら、「他者の人間性について評価しない」ことですね。これは会話に限った話ではありませんが、人は自分の(自我が持っている)価値観や思想を他者に投影しているだけで、客観的に誰かを評価することはできません。それでも評価したい、評価してしまうというのは単なる自己中心性でしかありません。

そもそも自我というものは幻想、ただのアルゴリズムでしかないのですから、良いにせよ悪いにせよ、そんなものを評価したところでなんの意味もありません。しかし、当の自我にしてみれば自分が幻想であるなどとは露ほども思っていないわけですから、評価されてみれば有頂天になって自惚れるか、さもなければ気を悪くして憤慨するかのどっちかしかありません。

ですから、本人の口から出てくる自己評価について「ふんふん、そうなんですね」と同意でも否定でもない相槌だけ入れておくのが一番よいでしょう。

そして最後になりますが、会話は短いに越したことはありません。 長く話せば話すほど碌なことにはなりませんからね。短い会話で相手に深い印象を与えるには意識レベルを高めるよりありません。わたしも本当はもっと短い記事にしたかったのですが、書いてみるとこの有り様です😆 それでもなんとかお役に立てたら幸いに思います。今回はこれで以上になります。お読みくださってありがとうございました。

なお、今回も質問箱にはこの記事へのリンクを掲載して回答とさせていただきます。


【おまけ】

LOVE PSYCHEDELICO は好きなアーティストです。だいたいどの曲も名曲なのがすごいですよね。そして初めて聴く曲でも確実にLOVE PSYCHEDELICOだし、初めて聴いたのに前に聴いたことがある気がするのもすごいです。

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