病気のプロセスからの回復

　絶望的で治療不能な疾病からの奇跡的な回復に関するすべてのケースに、意識の大きなシフトによって、病的なプロセスをもたらすアトラクターパターンが支配しなくなったことが明らかになりました。
　（中略）どんな病気のプロセスからの回復も、自分自身や、自分の人生に対する新しい見方を検討する意欲に基づいています。だからこそ今までの信念が揺らぐときに、内なる恐怖に耐えられる能力が必要となるのです。憎しみや不平をいだき、何かにしがみついている多くの人々が、人類を癒すために、恨みや攻撃、復讐の生活態度から引き離されなければなりません。
　（中略）悪意は当然、人を病気にさせます。私たちは、常に自分自身の復讐心の被害者となるのです。表立って敵意を出さなくても、自分自身の体を生理的に攻撃することになります。
　その一方で、「笑い」には癒しの効果があります。それは愛のように、被害者意識から離れた、もっと大きくて包括的な視点に立つことで生まれるからです。どんなジョークであっても、日常的な出来事はささいなことであり、真のリアリティはそうではないことを私たちに思い出させてくれます。
　（中略）それとは対照的に、健康と幸福の敵はユーモアの欠如です。
デヴィッド・R・ホーキンズ 『パワーか、フォースか 改訂版』 p.283および284-285

どんな病気の、とあるように、ここでいう病気には、肉体の病だけではなく精神的なものも含まれます。アルコールやドラッグやギャンブルへの依存症ももちろんです。意識の大きなシフトについては、その内容はケースバイケースというしかありません。しかし、そこで起きているのは例外なく、生命に対して破壊的な（つまり意識レベル199以下の）アトラクターパターンからの解放です。

それが起きるには、自分自身や、自分の人生に対する新しい見方を検討する意欲が必要ということなのですが、エゴというものは変化することを嫌います。とりわけ、自分自身の誤りや未熟さを認めて、より成熟した正しい見方を受け入れることを邪魔するのが「プライド（意識レベル175）」です。たとえば怒りや無気力といったプライドよりも低いアトラクターパターンを手放そうとするときに、プライドがそれを足止めします。

わたしが覚せい剤とギャンブルへの依存症を克服するまでの過程でも、最後まで障害になっていたのはこのプライドという厄介なものでした。個人的には、プライドは完膚なきまで打ちのめされることで消え去りました。それは大変な痛みを伴うプロセスでしたが、プライドがなくなったことでわたしの意識レベルを低く抑えていた錨（アンカー）が解き放たれ、その後しばらくして急激な意識レベルの上昇（浮上）を体験しました。もっとも、これは話をものすごく単純化しています。実際には、もっといろいろありました。

悪意と笑いについては、最近Twitterをみていて感じるところがあります。まず『表立って敵意を出さなくても、自分自身の体を生理的に攻撃することになります』というところですが、以前のわたしのTwitterのタイムラインには、わたし自身も含めて、なんらかの対象への怒りをしょっちゅうぶちまけている人が多くいました。

わたし自身が怒りを手放していく過程で、そのような人々もタイムラインから消えていきましたが、よくよく観察していると、『あからさまに感情的にはならず、冷静かつ客観的にものを言っているようだけれども、実際にはなにかを痛烈に批判している』ことの多い人物が少なくないことに気づきました。これはそうした人たちへの批判ではありません。

言いたいのは、引用文のとおりです。つまり、『表立って敵意を出さなくても、自分自身の体を生理的に攻撃することになります』です。わたしたちの本質はひとつです。ですから、どれだけオブラートに包んでソフトに仕立ててあったとしても、他者への批判や攻撃は、自分自身への批判や攻撃になるのです。このような人物には、全員ではありませんが、健康上の問題も見受けられます。そのような問題を抱えていることへの怒りを外側へと発散しているとみることも可能ですが、その見方は何の解決も生みません。

外側への攻撃が結局自分に返ってきているのだと気づけば、攻撃をやめることが賢明であることは、誰にでも分かるでしょう。

そのような人たちに共通するのは『深刻さ』です。直接自分の生活には関係のないようなことまで深刻に考えこんでしまう真面目な性格から、そのような隠れた攻撃的な態度になってしまうのでしょう。笑い、ユーモアは深刻病への特効薬です。自虐的な態度はお勧めできませんが、どんな状況であれ、「これを笑いにするとしたら、どのように捉えなおすことができるだろうか？」と常に問うことによって、深刻な状況を打開できる可能性が高まります。

わたしは最近『ヒナまつり』というギャグ漫画にはまっています。面白いですよ。『パワーか、フォースか』とおなじくらいおすすめです。