見出し画像

小説同人誌の装丁まとめ【2022年】

※この記事では女性向け二次創作小説の同人誌を取り上げています。
原作キャラクターと創作キャラクターが掛け算されてるタイプの本文画像があります。内容はすべて個人の幻覚です。

こんにちは。二次創作の小説らしきものを書いては同人誌にする趣味を持つ者です。
それほどたくさん出したというわけではないのですが、2022年分もまとめてみました。こういう時勢ですのでリアルのイベントにはなかなか出られずにWEBイベントに合わせての発行が主ですが、楽しく何かを書けているのでいいかなという気分で今後もマイペースにやっていきたいです。
相変わらず写真へたくそ侍です。


2022年5月発行①|カバーにベルベットPP

実物は左の画像のようにもっと青みがかっているのですが写真調整下手くそ侍でした

印刷所:RED TRAIN(ワンブックス)
サイズ:文庫(A6)/ページ数:360ページ
カバー用紙:コート(オーロラ) 110kg
表紙用紙:紀州の色上質 最厚口 浅葱
本文用紙:ミステリッククリーム 32kg
遊び紙:紀州の色上質 厚口 銀鼠
加工:カバーにベルベットPP

全年齢・成人向けごった煮の一応コンセプトらしきものはある短編集。
ベルベットPPを一度やってみたかったんだ。手触りがしっとりもっちりです。Twitterで仕上がりを載せたときにRED TRAINさんからお返事をいただいたのですが、平滑なコート紙だとベルベットPPのしっとり感が増すのだそうです。
表紙に紀州の色上質、本文にとても薄い紙を使ったのもあってかめっちゃ軽く開きやすい仕上がり。

本文

フォント:イワタ明朝体オールド/9pt
レイアウト:39字×16行
余白(mm):天14ミリ・地9ミリ・小口10ミリ・ノド16ミリ

ミステリッククリームはとても薄くさらさらした紙。ふにゃっとしててノドまで開きやすく市販の文庫に近い雰囲気が出ます。テカらず、薄いのにプリントスルー(透け)も気にならず、ページ数の多い本にはうってつけだと感じました。厚め硬めになりがちな同人の文庫なのに360ページで背幅14ミリ程度という薄さよ……!
字数が嵩んでしまったのもあって本文の数値設定に悩みまくり、レイアウト違いの本文を何パターンか本の形で試し刷りしてみたのですが、上から下まで文字をギチギチに詰めるとさすがに読みにくいなと。版面設計に余裕を持たせたい。
採用したレイアウトは前回も使った設定から天1ミリ・地3ミリ分減らして39字入るように調整したもの。余白は天か地のどちらかを広く、どちらかを狭くするとバランス良く見えると思います。



2022年5月発行②|豆本

B8⇔文庫(A6) のサイズ差はこんな感じ
遊び紙かわいいから見てくれ

印刷所:しまや出版
セット:ミニ本セット
サイズ:B8/ページ数:28ページ
表紙用紙:ホワイトポスト 200kg
本文用紙:クリームキンマリ(文字物用)72.5kg
遊び紙:クロマティコ アクア
加工:クリアPP(セット標準)

ミニ本(豆本)に短いお話を載せました。
B8は「横64mm × 縦91mm」のサイズ。名刺サイズくらいですね。手元に名刺サイズのミニメモ帳があるのですがほぼ同じくらいの大きさ。てのひらに乗っかるサイズ感のかわいさよ。
クロマティコ アクアが半透明で、でもしっかり色があってかわいいんだ。
表紙、勘違いしててTwitterで180kgって書いちゃったけど確認したら200kgでしたわ。

本文

フォント:しっぽり明朝v3 Regular/7.8pt
レイアウト:27字×11行
余白(mm):天7ミリ・地9ミリ・小口7ミリ・ノド12ミリ・フッター下7ミリ

B8サイズという小ささだけどちゃんと読めます。
フォントサイズが小さいから多少行間を詰めてもいいかなと11行にしました。ほぼ8ptに近いので可読性問題なし。もう少し小さくても読めると思う。



2022年10月発行①|カバー特殊紙・スピン製本

しおり紐を2本つけたスピン製本
ミランダがキラキラなんだと言いたいだけの画像

印刷所:BRO'S
サイズ:文庫(A6)/ページ数:312ページ
カバー用紙:ミランダ スノーホワイト 130kg
表紙用紙:ファーストヴィンテージ ブルーグレー 135kg
本文用紙:淡クリームキンマリ 62kg
遊び紙:羊皮紙 あい 80kg
加工:スピン製本(金茶・紺)
その他:カバーをカレイドCMYK印刷

製本に定評のあるBRO'Sさん。さすが、角がピシッとしててきれいです。
BRO'Sさんのフルカラーカバーオプションはオフセット印刷なんですよね。オンデマンドじゃないので加工はなくてもいいかなと手を加えていませんが、PPをかけても良かった気がします。
スピン製本を……スピン製本をやりたかったんだ……。何か謎のパッションのようなものがほとばしってしまったのか2本つけてもらった。
遊び紙は非在庫紙リストから選んで挟み込んでもらいました。

本文

フォント:筑紫Aオールド明朝L/9pt
レイアウト:38字×16行
余白(mm):天15ミリ・地12ミリ・小口10ミリ・ノド16ミリ

本文には筑紫Aオールド明朝の一番軽いウェイトを使いました。BRO'Sさんはモノクロ本文が細る傾向にあると聞いていましたが、やっぱり若干細め薄めに出た感じです。「このフォントかすれませんか?」と問い合わせたときに実際に(たぶん)出力して確かめてくださり(感動)、9pt程度なら問題なさそうとおっしゃっていたので信じて入稿。7pt程度の柱もちゃんと出ていました。可読性に問題はありませんが、実物を見た感じではもう少ししっかりめにRでもよかったかもなという印象です。また本文の一部に「筑紫アンティークL明朝 L」を使い、そちらもすこし細め(というか軽め)に出ましたが特に問題はなさそうです。
基本料金内で淡クリームキンマリ 62kgを選べるのはありがたいです。最近はSTARBOOKSさんもこの用紙に対応したのでいつかスタブさんでもまた本を作ってみたい。

おまけ

この本には後日談をダウンロードできるカードをつけていました。

表面&裏面

印刷所:プリンパ
サイズ:一般名刺サイズ印刷(55mm×91mm)
用紙:ディープマット インディゴ 220kg
表面カラー:ホワイト
裏面カラー:ゴールド

裏面にゴールド印刷で後日談本文の冒頭をのっけました。
金色がきれいでにやけてしまう。ディープマットもしっかりしてていい紙。



2022年10月発行②|ファンタス白面印刷

表2にファンタスヒマワリの黄色がくるよって画像

印刷所:プリントオン
セット:リバーシブルセット
サイズ:A5/ページ数:74ページ
表紙用紙:ファンタス ヒマワリ 200kg
本文用紙:コミック紙クリーム
遊び紙:わくわくドキドキ遊び紙
加工:クリアPP(セット標準)

特殊紙の白い面に表1・4を印刷して、表紙をめくったときに色のある面が出てくるってやつ。
ただただいちゃこら食べてるだけの本なので美味しそうな雰囲気がほしくてファンタスヒマワリにした。明るくていい感じです。文庫サイズに馴らされた体になってたので一瞬「200kg…!?」ってなったけど今回の版型はA5なので特に開きづらさはなくちょうどいい仕上がりです。
遊び紙はわくドキで印刷所様に選んでもらいました。アートドリープっぽい何かだとは思うんだけど、明確にこれとは特定できなかった。

本文

フォント:筑紫明朝L/9pt
レイアウト:27字×23行×2段(段間7ミリ)
余白(mm):天14ミリ・地17ミリ・小口13ミリ・ノド20ミリ

下に柱を入れる関係で下の余白が多め。何となくだけど文庫は上、A5は下に柱を入れるのがおさまりがよい気がします。個人の感想。
筑紫明朝Lはクセが控えめですが字形がきれいで読みやすいです。字そのものの形に引っかからずに読めると思う。
コミック紙クリームは黄みがあって目に優しく、軽いです。文字の印刷の出方もマット。



終わりに

2022年にこのnoteでも使っている名義で出した同人誌は以上になります。
文庫のページ設定がそこそこ固まってきた……んでしょうか。A5は版面が大きいので迷いが少なく組めたと思います。

相変わらずこだわりらしいこだわりがなくて、セットやメニューの中、付け加えられるオプションの中で「今回はこうしようかな」くらいの装丁ですが、見た目がかわいいとテンションが上がりますね。

簡単なまとめではありますが、同人誌を作る方、読む方に向けて何かの参考になりましたら幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?