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研修医振り返り2022年4月編

こんにちは。めんたむです。

今回は、少しでも学んだことを同期の研修医しかり、医学生の方にも伝えたいと思いこの記事を書くことにしました。

とはいっても、個人情報に配慮する必要があるのでそこまで細かい知識ではないかもしれませんが、「こんなこと学んでるんだなあ」くらいに捉えていただけると幸いです。

遅ばせながらまずは4月編のことを当時のメモを参考に残しておきます。

箇条書きなのはご了承ください。

・血液透析の機械について
脱血側のチューブは心臓の拍動によって揺れている
赤が脱血側、青が送血側のチューブ
シャントの形成には自己血管、人工血管がある
基本的には自己血管を用いるが高齢者や血管の細さによっては人工血管を用いることもある
また透析用カテーテルを用いて透析を行うこともあり(事前に挿入術が必要)、そのときは3本の管が入るように太いカテーテルを挿入する
3本というのは輸液、脱血、送血に用いるため
このような管の形状をトリプルルーメン(3つの腔)と呼ぶ
なお透析の針は16Gと太い針を2本用いて行うためとても痛い
そのためリドカインテープ®のような局所麻酔薬含有の貼付薬を用いて疼痛を軽減する

透析患者の管理で大切なのは血圧と電解質(K、Ca、Pなど)、腎性貧血
透析後はチューブ内の血液を体内に戻すため200〜300mLの生理食塩水をを点滴して血を体内に戻す
この量も計算した上でドライウェイト(DW)になるように計算して透析を行う←DWとは「体液量が適正であり、透析中の過度な血圧低下をおこすことなく、且つ、長期的にも心血管系への負担が少ない体重」by日本透析医学会

・とくにラシックス®というループ利尿薬は腎機能が低下していても使用しやすい薬であり、腎臓内科に喜ばれる薬だということを学んだ
→逆に言えばダイアート®もループ利尿薬ではあるが、こちらは腎機能低下時には使いにくいようだ

・透析中は抗凝固薬としてヘパリンを使う

・炭酸水素ナトリウムはアシドーシス補正に用いられるが、透析開始後は中止する

・アルファロール®は活性型ビタミンD3で、intactPTHを下げる働きがある

・透析患者ではACE-I(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)を使うと高カリウム血症になってしまう可能性がある
ゆえにARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)の方が好んで用いられることが多い

・透析患者で考えやすいのは腎性貧血だが、腫瘍が隠れている可能性もあるので要注意
特にフェリチンが上昇している場合は鉄欠乏性貧血は考えにくくなるが、腫瘍の可能性は絶対に考えよう
そのため、貧血の鑑別として胸部から腹部にかけてのCT(場所によっては全身を撮る場合もある)、上部消化管内視鏡や下部消化管内視鏡を行う必要がある

・亜鉛欠乏について面白かったこと
これも貧血の鑑別として考えたいところだが、亜鉛を摂取しすぎると銅の吸収が抑制されてしまう
そのため、亜鉛欠乏または銅欠乏の場合純ココアを溶かして飲むと良い
純ココア10g中、銅を約300μg、亜鉛を約700μg含むよう
まさかの純ココアにそんな成分を含んでいるとは驚きで、ポリフェノールのイメージが強かったので面白いと感じた

どこの科をまわっているのかはバレ防止のためあえて明言していません。

1つでも何かの参考になれば幸いです!

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