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World Happiness Report 2020 日本語まとめ

世界の幸福度を調査しているWorld Happiness Report 2020 が 3月20日に公開されました。

しかし、ご存知の通りすべて英語で書いているので、私のような英語ができない人間が読むのはかなり大変です。
なので、日本語で書いているページがないか探してみたところ、幸福度の日本のことだけを書いている記事や、日本の幸福度が年々落ちていることだけを紹介している記事(これが一番多い!)や、各国の幸福度と日本の幸福度を比較しているだけの記事など、まったく全貌が書いていない!困りました、、。

そこで今回、英語の勉強もかねてざっくりですが頑張って読みました!
拙い日本語訳と単語を調べながら、翻訳を使いながら(翻訳もわけわからないこと言うこともあるのでw)読んだので、これまで読みたかったけれど、英語だから諦めていた人はこの機会にぜひ読んでみてください!
※一字一句すべては読んでいません。抜粋してまとめています。
※訳が間違っている可能性は大いにあります。予めご了承ください。
※レポートのダウンロードはこちら。無料です。

World Happiness Report 2020 のテーマ

以前のレポートを読んでいないので詳しくはわからないのですが、2020年のテーマは都市ー田舎(地方)・社会・自然に焦点を当てているようです。

目的
・人生に対する主観的満足度を測定すること
・世界全体として幸福度をr高めるためのテーマを見つけること

これこそがWorld Happiness Reportの目的のようです。

どうやって測定しているのか?
なかなか複雑なので簡単に説明すると、World Happiness Report では、あくまでも個人の主観的な幸福度を測定するのが目的なので、年収などの客観的な幸福度も存在しますが、まずは主観的幸福度を測定しています。それが、「キャントリルの梯子の質問(the Cantril ladder)」という尺度を用いて測定しています。

これについてまとめている記事があったので一部抜粋すると、

回答者は、「ありうる最悪の人生」を梯子の0段目、「ありうる最高の人生」を梯子の10段目と考え、現在自分がその梯子の何段目にいるのかを答える。「理想の人生」の現在の達成度を問う質問だ。評価の“ものさし”となる最悪や最高は、回答者自身が設定する。

そして大切なのが測定する指標です。World Happiness Reportでは主観的幸福度を測定するための6つの指標を用いています。※Technical Box 1: Detailed information about each of the predictors in Table 2.1 P16~19

①国民一人当たりのGDP (GDP per capita)
②社会的支援 (social suppor)
③健康寿命 (healthy life expectancy)
④人生選択の自由度 (freedom to make life choices)
⑤寛容性 (generosity)
⑥社会の腐敗度 (perceptions of corruption)

わかりにくい指標について説明していくと、②社会的支援は、「もし、あなたがトラブルにあったとき、あなたの関係する人や友人は、あなたが必要とすれば助けてくれますか?」みたいなことを聴いています。

⑤寛容性は日本語の意味とかなり異なるので注意。ちゃんと読んでいない記事なんかは適当なことを書いています笑
これは「この一ヶ月でチャリティーにお金を寄付しましたか?」という質問です。寄付などの文化が日本にはあまりないので、どうしてもこの値は低くなってしまいがちなのです。

しかし、心理学の研究では他者のためにお金を使う人の方が幸福度が高いという研究があるので、それがこの指標のベースになっているのだと推測できます。

そして一番の問題は⑥社会の腐敗度:Perceptions of corruptionです。
※「社会の」という訳をつけたのはその方がわかりやすいと思ったので書いています。
この社会の腐敗度というものは「政府や企業に汚職が蔓延しているか」というものになっています。

厳密な訳を書いている記事から引用すると詳しくはこんな感じ。

(1) 一人当たりGDP: 一人当たりGDPの自然対数。GDPは世界銀行「World Development Indicators」から取得。
(2) 社会的支援: 二者択一「困った時にいつでも頼れる友人や親類はいますか?」への回答を平均。
(3) 健康寿命: 世界保健機関(WHO)「Global Health Observatory Data Repository」から取得した健康寿命データを、調査対象期間(2019年版の場合、2016年~2018年)に対応するよう調整。健康寿命とは、生まれてから健康な生活を維持できなくなるまでの期間をいう。
(4) 人生選択の自由度: 二者択一「人生で何かを選択する際の自由度について満足していますか?」への回答を平均。
(5) 寛容さ: 二者択一「先月、寄付をしましたか?」への回答の平均について一人当たりGDPを説明変数とした回帰式で得られた残差。
(6) 腐敗認知度: 2つの二者択一「政府に腐敗が蔓延していますか?」と「ビジネスに腐敗が蔓延していますか?」への回答を平均。

日本の幸福度について

こちらについては色々なページで紹介されていますが、こちらを見てください。

日本の「2020幸福度ランキング」は過去最低の62位まで順位を落としています。もちろん先進国で最低です。評価項目では、「GDP」と「健康寿命」を除き、「汚職の無さ」「社会的支援」が低く、特に低評価なのが「社会的自由」と、「寛容さ(他者への寛大さ)」です。さらに日本人は「人生評価/主観満足度」が非常に低い評価点です。

まあこれだけ聴くと「寛容さ(他者への寛大さ)」が低くて、社会的自由がない国民なんだなーって思ってしまうのですが、前述した情報と少し違って見えますね。寛容性は、「この一ヶ月でチャリティーにお金を寄付しましたか?」という質問ですし、社会的自由はおそらく人生選択の自由度 (freedom to make life choices)を指しているのかもしれませんが、ちょっと誤訳しすぎな気もします。

「一次情報を見よう」ということですね。余談ですが、幸福度ランキング7位のスウェーデンにはKällkritik(シェルクリティーク)をという言葉があるそうです。これは、「自分が聞いた情報が、本当に正しいか、情報源が信頼できるものか確認すること」という意味だそうで、日本語だと“ファクトチェック”と呼ばれるようですが(ファクトチェックも日本語ではないwので、事実確認ですね笑)、最近のスウェーデンでは日常的に使われる言葉のようです。そのことが書いている記事についてはこちらをどうぞ。

さて、話を戻すと日本のランキングは62位と毎年下がり続けている、というのは聞いたことがある人も多いでしょう。では、一体何が問題なのでしょうか?

データを見ると、※World Happiness Report 2020 /P20-21/ Figure 2.1: Ranking of Happiness 2017–2019
④人生選択の自由度 (freedom to make life choices)
⑤寛容性 (generosity)
⑥社会の腐敗度 (perceptions of corruption)
これらが他国に比べると低いですね。

寛容性が低いから「寄付文化を作っていきましょう」というのは難しいですが、④人生選択の自由度 (freedom to make life choices)は私も課題視している部分です。小学校ー中学校ー高校ー大学ー就職というこのレールが日本の文化ですが、これは人生の選択の自由度にも影響している点ではないでしょうか。

これに対し北欧諸国ではフォルケホイスコーレといった教育機関があったり、教育も無償だったり、いつでも学びなおせるといった環境があることは幸福度を高めている要因でもあります。
しかし、実際にフォルケホイスコーレにいった友人の話を聴いてみると、「選択肢が多すぎて何になったらいいかわからない」という悩みを持っている人もいるようでしたので、なんとも難しいですね笑

さて、問題の⑥社会の腐敗度 (perceptions of corruption)
今回のコロナウイルスの件では政府の対応は散々な言われようをされています。また、先日はこの騒動の中、検察庁法改正案、検察官定年延長の件もありました。before コロナの時には「桜の会」の問題もありましたね。さかのぼればキリがないくらい、日本の政治への不信感は年々高まっているように感じます。

そしてこのことが国民の幸福度を下げている要因として大きいのです。これについては北欧諸国の章で紹介します。

※また、日本人は極端な回答をさけるバイアスがあります。そのために順位があがりにくい(逆に極端に下がりにくいともいえる)傾向があったりもします。

都市ー田舎(地方)問題  Chapter 4 Urban-Rural Happiness Differentials across the World P66~

さて、この章では都市と田舎をテーマに、そこに住んでいる人の幸福度を比較したデータが紹介されています。

この章は全部読めていないのですが、ざっくりまとめると、
・経済発展が低い国では主観的幸福度は、都市に住んでいる人よりも田舎に住んでいる人の方が低い。しかし、経済発展が高い国では田舎に住んでいる人の方が幸福度は少し高い。
・人口の多さ、人口密度は主観的幸福度とは相関はないが、急速な発展を遂げている国では主観的幸福度の平均値が低下する。
・しかし、もともと田舎に住んでいる人で都市に出てきた人を調査すると、幸福度が上がっていたりもする。

つまり、先進国 (Developed country)では、田舎に住んでいる人の方が幸せである、ともいえる結果。これには自然が豊かであるとか、そのような理由も含まれていたりしますが、これに対し開発途上国(Developing countries)では田舎が不便すぎて、都市に出てきた人の方が仕事もあって幸福度が高いというわけです。

しかし、西ヨーロッパ、アイルランド、北欧諸国、ニュージーランドなどでは都市に住む人よりも、田舎の方が幸福度高いという結果もあって、なにやら一概には言えないご様子。

他に書いてあってこととしては、
・都市に住んでいる人は教育レベルの割に高い給料を得られていない。そして住んでいるのが学生などの一人世帯が多く、生活が苦しい。その上、お金がないので、治安の良くないところに住まなければならない。
ということも関係しているみたいです。

しかしこの部分の調査には課題もあるそうで、
1.都市の人と田舎に住んでいる人で、同じ質問を聞かれていても、その内容への Sensitivity (感度) が違う
2.住む人によって幸福度が違う(EX. おじいちゃんが田舎に住むと、田舎はのんびりできて幸せ~ってなるけど、若者で仕事したい!って人が田舎に住むと退屈、、、)
3.どこからが都市で、どこからが田舎なのか、明確な基準がない
4.統計的な解釈(ここがちょっとよくわかりませんでした)
5.性格と遺伝的要素の役割と、それらが幸福に及ぼす影響が異なる

これら5つの要因がまだ考慮されていないようです。
※ここの訳は少し不安なところが多いので、Källkritik(シェルクリティーク)してください笑

5章ではHow Environmental Quality Affects Our Happiness「環境の質が私たちの幸福にどう影響しているのか」
6章ではSustainable Development and Human Well-Being 「持続的な開発と人間の幸福」をテーマに取り扱っています。SDGsとか興味ある人はぜひ。
申し訳ないですが、ここはまだ読めていません!ので頑張って読んでみて!笑

Chapter 7 The Nordic Exceptionalism: What Explains Why the Nordic Countries are Constantly Among the Happiest in the World
(北欧例外主義:なぜ北欧諸国が継続的に、世界で高い幸福を維持しているのか)

北欧諸国が幸福度が高いというのを知っている方も多いでしょう。デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド、スイスやオランダも上位に入ってきていますが、私は今回の記事を通して、多くの人に知ってほしいことがありました。

それは「北欧諸国が幸せな国である」ということ。

確かに幸福度は毎年トップクラスです。まるでユートピアのように思われている人も多い。先日はテレビ番組でも世界一幸せな国、北欧!みたいな特集もされていましたが、実は北欧諸国は多くの人が想像しているほど、幸せな国ではないのです。例えば、

・11月の日照時間は一週間で10時間、一日当たり1時間ちょっとしか日が出ていない
・フィンランド・デンマークは自殺率・うつ病の発症率が高い
・福祉・医療が無料で受けられるために、健康に無頓着で、女性の肺がんの罹患率は世界で1位
・タバコは2人に1人が吸っている
・性感染症の発症率1位

などなど、別名、暗黒の国という異名すらあります。これを聞いても本当に幸せな国と言えるでしょうか?

しかしそれでも幸福度が高い国というのも事実であります。それを踏まえてこの章を読んでいただけると嬉しいです。

Weather, smallness, homogeneity, and suicides –
Dispelling four myths contradicting the idea of
Nordic happiness /P130-131

とてもおもしろい表現をされています笑
ざっくり訳すと、天気も悪く、土地も狭く、均質的(平等的)で、自殺率も高いー北欧の幸せの考え方に矛盾する4つの神話を払拭するー

といった感じです。まさに北欧神話ですね笑
ではなぜ、一見するとこんなにも大変そうな国であるのに幸福度が高いのでしょうか?

結論を先に述べておくとその答えは、政府の質 (Government quality)です。
ジョン・F・ヘリウェルが行った横断研究では、2005年~2012年の157ヶ国の政府の質(Government quality)の変化を調べました。その結果、政府の質の向上は国民の幸福度に結びついている、という傾向がありました。

では、政府の質とはいったい何なのでしょうか?それは2つに分けられます。
1つめは Democratic quality です。これは、
・政府のことに参画することができるか
・表現の自由、政治的安定性、権力へのアクセスがあるか
2つめが Delivery quality です。これは、
・法規制、規制の質があるか
・腐敗・汚職をコントロールできるか、汚職への取り締まり
・実効性(日本で言うと、言ったことを実行しているか。マニュフェストを実行しているかなどが当てはまるかと。)

これらが政府の質の中身です。1つめも、2つめもどこの国でもだいたいあります。しかし、特に2つめ(Delivery quality )については市民の幸福に強く関係していました。そして2つめのDelivery qualityがしっかりしている北欧諸国でも、1つめの Democratic quality は国民の人生満足度とも関係していたということでした。

Income Inequality :収入の不平等

収入の格差のようなものはどこの国でもあると思いますが、まず前提として、これが幸福度に影響があると主張する論文と、影響がないと主張する論文の両方があるそうで、まだ結論がはっきりと出ていないようです。

もしダイレクトに関係しているなら、生活満足度に直結しているのでは?
しかし、そうなっていない(生活満足度が高いから)。つまり
・高いレベルの福祉が、不平等性を受け入れているのではないか?
そしてもう1つは、ヨーロッパの人は平等な社会を好むので、不平等は幸福にネガティブな影響を及ぼすはずだ!という感じで記されていました。

Freedom to make life choices:人生選択の自由度 (自由感)

幸福度を測定する6つの指標にも登場した、人生選択の自由度です。
ここでは、「自律・人生選択の自由は主観的幸福に影響している」と述べられています。しかもエビデンスもある!と主張していました笑

この人生選択の自由とはさっきの指標では質問形式になっていましたが、ここでは自由感と表現されており、これが北欧諸国は高いようです。では自由感とは何かというと、

①人々を欠乏から解放する物質的な豊かさ
②人々を政治的抑圧から解放する民主的な政治
③自分自身と独自のアイデンティティを表現する余地を与える、寛容で自由な文化的価値観

この3要因が相互に作用した結果であると、Inglehartさんは主張しています。

Trust in other people and social cohesion:他者への信頼と社会的結束

他者を信頼できるか?というのは幸福度に影響しています。例えば「財布を落としたとき、その財布が戻ってくるかどうか、人々を信頼しているか?」という質問をします。そしてそれは人生満足度と関係がありました。しかもその結果は国別にみても同じ結果が得られました。また、この他者への信頼は「危機への強さ(レジリエンス)」とも関係しているそうです。

social cohesion とは社会的結束という意味なのですが、この定義としては、①他の人とのつながりがある
②社会的関係が良好
③公共の利益に焦点が当たっている

ということです。この社会的結束が強いことが幸福度が高い理由のようです。この章では書いていませんが、北欧諸国は独自の言語を守り続けており、また、移民を最近まではあまり受け入れてこなかった背景があります。そのため、同じ国民、同じ人種、民族である、ということ自体が一つの共同体意識を強めているのではないかと言われています。

え、それなら日本だって同じじゃないか!
という主張が聞こえてきそうですが、日本の場合は陸続きになっていないおかげで、鎖国や他国から攻められることが歴史上、ヨーロッパに比べて少なかったのです。そのため、陸続きになっている国々よりもその感覚は弱いのではないかと考えられています。※諸説あり

Economic insecurity and vulnerability :経済的不安と経済的脆弱性

経済的不安や経済的脆弱性というのは国民を不安にします。不況であるとその国民の幸福度は低下します。これは直観的にもわかるでしょう。現在のコロナウイルスによる影響で経済活動が停滞していますが、幸福度は低下しているということです。

こうした経済的不安について考えると、これが主観的な幸福度を下げていることもわかりますが、逆に客観的な幸福度(いわゆる収入、年収の増減)のことも指していると言えます。この章で述べられていたのは、

そうした客観的な幸福度だけでなく、主観的な幸福度を出すのも大切だ。なぜなら所得などの客観的なものよりも社会における自分の(自国の)立場を認識することで、幸福度を予測できるようになるからだ。

と著者は述べていました。

Conclusion:結論

結論を述べる前に北欧諸国に関することで、このようなことも述べられていました。

・真に注目すべきなのは、北欧諸国の幸福レベルは、幸福の測定方法に依存しているということだ。

これは確かにそうですよね。寛容性の指標がなければ、または別のものであれば日本ももう少し順位をあげていると思いますし。なるほどでした。

Positive emotions では北欧諸国は15位~36位で、ラテンアメリカ、インドネシアがトップ10を占めている。したがって、北欧はかなり頻繁(quite frequent)に Positive emotionを感じているが、ラテン系は最も頻繁(the most frequent)にPositive emotionを感じている、と述べていました。※frequentでquite とかthe mostを訳すのが難しい、、、。わかりにくかったらごめんね笑

・北欧諸国の人たちは自分たちに melancholic なイメージを持っている。メランコリックとは「鬱々しい」みたいなイメージなのですが、自殺率が高いとか、うつ病の発症率の高さから考えても頷けます。
そのため、彼らは他の国ほど幸福度に興味がない(流行していない)が、「生活に満足しているか?」と聞かれれば「Yes」だそうです笑
※友人に聞いた話では、どちらかと言えば幸せ、という考え方の人が多いようです。日本はどちらかと言えば不幸せと答える人が多いようです。
※また、一位であるということは、さほどそのことについて気にしないものです。例えば、かけっこで1位になった人は、2位以下の人のことを気に留めませんよね笑
※さらに少し脱線しますが、北欧諸国は日照時間が短いというお話をしましたが、そのためか、北欧諸国の人々は、少ない日光でもセロトニンを大量に分泌できるように進化していると言われています。

・国民が制度を信頼していなければ、納税もしたくなくなり、改革への支持も低下する。制度が崩壊しつつあるならば、政府の信頼レベルも低下する
とも述べていました。日本は特にまずいですね、、。

まとめ

まとめると北欧諸国が幸福なのは、

・民主主義が機能している
・寛容な文化
・効果的な社会福祉
・犯罪や汚職が少ない
・政府が、自分たちが言ったことをしっかり実行している
・お互いを信頼している
・政府を信用している

といった特徴があることがわかりました。こうしてみると、日本と違う点も見えてきますね。


私は以前、大学の先生にこんなことを言われました。
北欧諸国は福祉が充実しているから。
国民が少ないからコントロールしやすい。日本で同じことはできない。


確かに福祉が充実している、というのも要素の1つです。
しかし、今回見てきたように、福祉の充実よりも、政府の腐敗度の方がよっぽど問題で、国民の幸福を左右しているのは、福祉よりも政府の影響の方が圧倒的に大きいということでした。

私も以前は、福祉が充実しているからだ、と思い込んでいましたが、とんだ勘違いでした。正しい情報を見ることがいかに大事か、ということを思い知らされたような気がします。

最後に、著者はこのような提案をしています。

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これらを改善していくことは簡単なことではないが、提言するなら、

First, the quality of institutions:ひとつめは、制度の質だ。
まずは制度の質を確保しよう。minimizing corruption: 腐敗を最小化し、maximizing citizen participation: 参画権、決定権を最大化する。そして国民の信頼を維持することだ。
Seconds, 2つめは、市民の共同体意識、他者への信頼感、社会的結束を生み出すことが最も重要だ。 

ゆえにこんな政府を立てることだ。
①信頼性が高く、機能性が高い
②文化的にも共同体意識を作る
③人々が幸せに向かえる社会づくりをすること

最後に。

本当に政府の目的が、国民の幸福であるならば、国民が幸福になるための、制度的・文化的要因に関する研究に真剣に取り組むことが、エビデンスに基づいた、目標達成に向けた旅立ちの第一歩である。

~fin~

World Happiness Report 2020はこちらからダウンロードできます。

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