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【感想】NHK-ETV特集「記憶は愛である~森崎東・忘却と闘う映画監督~」

映画監督、森崎東さんは、今年の7月に亡くなった。追悼のためだろう、2013年に放映された番組の再放送だ。認知症をテーマにした「ペコロスの母に会いに行く」が出来上がるまでのドキュメンタリーだ。実は、この時、森崎さん自身が認知症にかかっていたのだ。

薄れゆく記憶の中で、何とか映画を完成させようとする森崎さんと、監督補佐・撮影監督として両脇から師匠を支える弟子たち。なかなか見ていて辛いものがあったが、完成した「ペコロス~」は森崎さんにとっても近年の代表作として語られる名作になっただろう。

「記憶は愛」

森崎さんは、その映画人生を通して「記憶」にこだわり続けた映画監督だった。「映画は記憶の芸術だ」と語った。普通の庶民の生活、世の中の片隅に埋もれてしまう市井の人たちの記憶をフィルムに焼き付けることに全力を注いだ。徹底した取材でリアリティある映画を作った。失われていく庶民の生活の中にある歌を収録した。

「人の記憶は、その人の記憶と、その人に関わる人の記憶の総和だ。だから、その人が死んでも、その人の記憶を覚えている人がいるかぎり、その人は忘れられていない。だから、記憶は愛なのだ」

森崎さんは、こんな名言を残している(正確に書きとれなかった、、、汗)。森崎さんの著書には「映画」と「記憶」に関する名言がたくさんある。すっかりプレミアがついた森崎さんの本。

その森崎さんが、認知症になり、自らの記憶を失いつつあるなかで、認知症をテーマにした映画を撮ることになるとは。

記憶を残すこと

森崎さんは、自分が出した指示さえすっかり忘れてしまう。作成した映画でさえ、自分が作ったものだと忘れてしまうかもしれない。それでも、森崎さんが作った作品は残る。まるで外部メモリーに自分の記憶を移し替えたようなものだ。

コンテンツというのは自分の分身だと思う。一度形になった文章や映像は、自分がいなくなっても残っていく。その作品が誰かに必要とされる限り、その人はいなくならない。だから記憶は愛なのだ。

ADHDが関係しているのか分からないのだが、私はとにかく記憶が薄い。子供の頃の記憶、数年前の記憶、鮮明なイメージとしては、もうすっかり残っていない。ADHDを公表している栗原類くんも同じだとのこと。

これも、ADHD脳の特徴なのかもしれない。

それでも、今の自分の考えたこと、感じたことを記憶し続けていれば、記憶(記録)は失われない。私は毎日、日記を読みなおしている。1年前、2年前、3年前の同じ日をさかのぼる。何らかの仕方で外部に刻んだ記憶は、日々、消えさえる記憶を補ってくれる。その記憶(記録)は点在する、バラバラな記憶を一つの線にしてくれる。

今、できるうちに、もっとコンテンツを作ろうって思った。やがては私の記憶もすっかり失われてしまうのかもしれない。発見したこと、開発したノウハウ、ライフハック、生き方のコツ、まだまだ発信したいことがある。忘れてしまう前にアウトプットしないと。

いつもとはちょっと違う感覚で、コンテンツ作成意欲が高まった日だった。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq