豊かになったのに、うつ病が増える矛盾からやはり資本主義の限界を感じる話〜隷属なき道〜
自分がやってきたことをいかに「還元」させるか?
”真の進歩は、知識を基盤とする経済には生み出せないものから始まる。それはよりよく生きるとはどういうことかという叡智である”
ー『隷属なき道』本書から抜粋
なるべく朝投稿すべく、今日はこの時間からやっていこうと思います。
というわけで今回紹介する著書は『隷属なき道』という気鋭のジャーナリストが書いた、めちゃ読みやすい作品です。
本書は
資本主義が過渡期を迎えた結果人々は幸せになったのか?いやいや確かに過去最高に繁栄したけどめちゃくちゃ閉塞感が高まってないですか?
ということを教えてくれる作品。
資本主義のおかげで
・一人当たりの所得は産業革命前に比べて250倍も!
・全世界の平均寿命は100年前と比べて倍以上になった!
・全世界で栄養失調で苦しむ人は3%も満たない!
という、中世の時代に比べればまさに現代は「ユートピア」と言っても差し支えないものですが、一方で
・今以上に良い世界を作ることが困難だ!
・不安感はどの世代でも増すばかりだ!
・大きな共同体が減ったことで孤独が大問題に!
という、大きな問題に直面していることも事実なんだぞ、と。
2極化の時代と呼ばれてはいるのですが、これは何も貧富格差の問題ではなく、
・美貌格差(見た目の格差)
・情報格差(知識の格差)
・人間格差(ネットワークの格差)
みたいな格差が見えて、精神を病んでしまうんだと。いかにもありそうな感じ。
その格差をどうにかすれば良いのかもしれませんが、
富が集まるところに良い情報も集まるような世界では割とどうしようもないんじゃないのか?
という「諦め」がただよい、
上級国民以外は同じように、サラリーマンのような「雇われ」で働き、同じような服装を着て、同じような振る舞いを見せてしまう
といった、言葉を選ばずに言えば「奴隷」のような生活を選んでしまうのでしょう。
豊かであるにもかかわらず、そんな閉塞感が漂っているように見える世界だからこそ
今ある資源を使ってより良い世界を作っていこうというユートピア思考
を一人一人が持とうという提案をしています。
お金が過剰にあるんだからばらまけば良いんじゃない?
本書の作者はジャーナリストでありながら、データ至上主義の研究者でもあるよな〜という印象を受けました。
そんな著者が出す、閉塞感を打ち破り、ウェルネスな世界を作り出すには
・ベーシックインカムの導入
・1日3時間労働の実現
・研究者や技術者への投資
というもの。
本書では、
ベーシックインカムで不安感を取り除き
1日3時間労働で余裕ある生活をして
その分、よりよき世界を作る研究者や技術者に投資しよう!
という主張。
投資というのは何もお金をつぎ込むんじゃなくて、自分が研究者や技術者の視点を持って、より良い社会に貢献していこうぜ!という話です。
例えば自分が魅力的に見えるが、生活がカツカツになりがちな職業を研究してより豊かに過ごさせるにはどうすればいいのかを考えて実践するということです。
またお金の不安は、IQを15も下げると言われており、視界が狭まるため
・社会復帰のための補助金や職業教育が分からなくさせる
・結果、カツカツなのに何もしない時間が増えてそれが余計病ませる
というものがあるので、お金をばらまいた方がいいんだと。
お金をばらまいたら、働かなくなる人が続出するんじゃないの?と思いがちなのですが、そんなことはなく
・フィンランドで実践したら、特に仕事をやめるという事態にはならなかった
・アラスカ州では、出生率が高まり、それが余計雇用の促進につながった
みたいな成功例も。
もちろん失敗例もありますが、懸念事項である「働かなくなる問題」はばら撒きすぎない限りないんじゃないかな〜と思う次第です。
なんであれ、インフラは整っているんだから閉塞感を持たずに自分のできることをやっていきたいものです。。
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