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AI時代だからこそ『遊』んで生きる

昨今よく「えーあい」って聞くようになりましたね、生活のあらゆるシーンにテクノロジーが浸透してきてもはや、知らず知らずのうちにAIを利用してたなんてこともあるでしょう。

それくらいAIは私たちの今の豊かな生活に欠かせない存在となっています。

「シンギュラリティ」って言葉、聞いたことありますか?AIにまあまあ興味がある人なんかは知っていると思いますが、一般的な認知度はそんなに高くないと思います。

簡単に説明すると、「シンギュラリティ=技術的特異点」
ことAIに関して言うと、AIの知能があらゆる面で人間を上回るとき、という意味です。

このシンギュラリティが来たら、人間の時代は本当の意味で終わるとかなんとか言われていて、シンギュラリティ=2045年に訪れるってのが一番有名だと思います。

「人間の時代が終わる」まで言うと大げさかもしれませんが、現状の世界のトレンドや諸問題を考えると、スキキライに関わらず人類はテクノロジー・AIの力を活用せざるを得ないでしょうし、より一層AIが身近になった未来において、確実に私たち人間の「あり方」は変わってくるでしょう。

そういった未来を見据えて私たちは、「人間」としてどう生きていけば豊かな人生を歩めるのでしょうか。

今回はそんな感じのテーマで話してこうと思います。

目次

1.AIと猫

2.会社に守ってもらえない時代の到来

3.AI時代に遊んで生きる~TVゲームを例に~

1.AIと猫

AIを理解するためのキーワード、それは『最適化』です。私たちは常にこの最適化という課題に直面しています。例えば受験勉強。受験という名の戦争において私たちは「傾向と対策」を覚え、英単語を暗記して過去問を解いてゆく。これは受験という環境への最適化です。会社に入ってもも最適化の繰り返しです。その企業のカルチャーを理解し自分を適応させ、同僚や上司との関係性を常に良好に保とうとします。これも会社という環境への「最適化」です。

よく言うAIの機械学習ってものは、人間の脳の最適化のプロセスを取り出したものです。昨今のAIはかなり進歩してきていて、大体のことは何でもできちゃいます。人間も進化の過程で常に最適化してきたので(というより進化そのものが最適化か)それなりに最適化はできますが、まあAIには敵いません。

今日のAIがどれくらい進化しているのかちょっとお話しましょう。

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この画像、何に見えますか?「猫に決まってるじゃん」って思った人、そうです。猫です。この画像は「グーグルの猫」と呼ばれています。ここで重要なのは、皆さんがこの画像を間違いなく「猫」だと認識したことです。この画像を見て、猫という概念が脳に浮かんだ。そして、この画像を書いたのは、Googleが開発したAIです。
AIに100万枚以上の猫の画像を見せ、その結果AIは勝手に「猫」という概念に到達し、上の画像を描いたのです。(つまり上の画像はAIにとっての「最も猫らしい猫」ということです)そして私たちは違和感なくこの画像を猫と認識した。つまりそれくらいAIが人の脳に近付きつつあるということです。

(ちなみにこのグーグルの猫が世間に発表されたのは2012年6月のことです。つまり今はもっと進化しています。最新のAIについて気になった方はググってみてね)

2.会社に守ってもらえない時代の到来

日本の就業者人口の約9割は会社に勤めています。この割合はアメリカではやや少なく、イギリスではやや多いのですが、他の先進国と比較してみても標準的な割合です。
一方で、ベンチャー精神の指標となる企業家活動率の世界比較(GEM調査)を見てみると、

各国の企業活動率(GEM調査)、図1

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調査結果が公表されている67か国中、日本は下から2番目の66位でした。ちなみに、図1を見てみると最下位は3.4%のイタリア、中国は13.8%、アメリカは12.7%で上位にはアフリカや東南アジアの国々が並びます。先進諸国の中では圧倒的にアメリカがベンチャー精神が高いことが分かります。今やアメリカに次いで世界第二位の経済大国となった中国もベンチャー精神が旺盛です。では第4次産業革命が進み、人間の仕事をAIがするようになったら日本人はどうなるのでしょうか。冒頭で述べた就業人口に占める会社員の割合と、GEM調査の結果から想像できてくると思います。
アメリカや中国といった経済大国は、AIが人間の仕事を代替するようになった世界でも持ち前のベンチャー精神で世界のトップを走り続ける。そして日本では、それまで会社に入って安定的な人生を手に入れようとしてきた人たちが大量に失業者としてあふれかえる、、、そんな未来が想像できてしまいます。

会社に入って、毎日スーツをきて決められた時間に出社する、実はこんな人生は決して当たり前ではありませんでした。日本の場合、第三次産業革命期の特殊事情であり、1953年の日本の日本を見てみると就業者人口のうち約4割が会社員、自営業者が6割弱でした。一つの会社に入って一生を終えるなんてのは今後も決して当たり前ではないのです。
「大企業に入れば一生安泰」なんて幻想はもうそろそろ捨てるべきでしょう。日本が世界に誇っていたサンヨー、シャープ、東芝といった企業が経営難に陥ったことがありました。これらの企業は第三次産業革命における成功に酔いしれ第4次産業革命における「ハード→ソフト」という時代の流れを見極められず傾いてしまいました。今は業界1位の企業でも1年後にはなくなっているかもしれません。そんな時代だからこそ、会社任せの人生はもうやめて、私たち一人ひとりが己の力で「考え抜いて」「生き抜いて」行くしかないのです。

経験のある副業、図2(出典:エン転職)

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日本人はベンチャー精神が低いというお話をしましたが、そんな日本人の約3割は副業をしています。そんな人たちが経験したことがある副業の割合を見てみましょう。注目してほしいのがアンケートモニターやネットオークション、アフィリエイトなどのネット関連の副業が多いことです。特に注目してほしいのが「クラウドソーシング」が7%を占めることです。クラウドソーシングとは社内のいろんな業務をインターネットを通して外注する仕組みです。このクラウドソーシングによってプログラミングやライティングなどの特殊技術を持った個人が稼ぐようになってきています。これはまさにAI時代の働き方を端的に表しているように思います。それぞれが自分の特殊技術を生かしクラウドソーシングなどのサービスによって会社に属さず個人で稼ぐ。こうしたノマドワーカーが今後ますます増えていくでしょう。そうなったとき会社は今よりもずっと緩やかなコミュニティとなり、一人が何十、何百もの会社と繋がるような時代になってくるのかもしれません。

3.AI時代に遊んで生きる~TVゲームを例に~

AI時代に消える職業・残る職業というのがよく議論されますが、前者としてあげられる職業について言えるのは事務作業などのパターン化された仕事であること、そして後者についてあげられる職業はプロデューサーや芸術家、教師などの職業です。これらの残るだろうと言われている職業について言えることは、
(1)0→1を生み出すクリエイティブな職業であること
(2)高度な人間コミュニケーションを必要とすること
芸術家やプロデューサーは(1)、教師は(2)に該当します。

未来の雇用、図3

図2

カール・ベネディクト・フレイとマイケル・A ・オズボーン「未来の雇用」より抜粋

これらのデータから分かることは、AI時代に人間が価値を発揮するために必要なのは、ゼロから答えを出す「考え抜く力」です。作家やプロデューサーはもちろん、教師に必要とされる高度な人間コミュニケーションにもマニュアルはなく常に「考え抜く」ことが必要とされます。
考え抜く、つまり物事を探求するということは知的な生物における本来の遊びの形だと思います。

テレビゲーム(特にRPG)を想像してください。テレビゲームはまさに人生の縮図だと思います。道中で仲間を見つけ、様々な試練を乗り越え、ボスに挑む。私たちの人生も信頼できる仲間を見つけ、日々小さな試練を乗り越え、時に大きな壁にぶつかる。テレビゲームに通ずるところがたくさんあります。
ゲーム好きの人たちは攻略本に頼らず、自身が主人公として自分の頭で「考え抜いて」、主人公の人生をゲームクリアに導こうしますよね。そして、そういったゲーム好きの人って何時間でもゲームをやっていられますよね。頼んでなくても勝手に徹夜でゲームクリアを目指すじゃないですか。

好きだからこそ、自分の頭で考えようとするし、何時間でもやっていられる、これぞまさに「探求」でありこれからのAI時代を生き抜く術なのです。

好きな分野で遊べばそれはすでに自然な「探求」なのです。
AI時代の大前提が「答えのない世界」だということ。今日までの常識は明日には非常識になっているかもしれない。そのような世界で人が価値を発揮するためには、過去の成功体験に縛られず常に「探求」し、仲間たちとコミュニケーションを図り、マニュアルという名の攻略本に頼らず生きていく。それが「遊ぶ」ということ。

答えのない世界で、「主体的に遊ぶ」。それこそが人間が、人間としての価値を発揮して生きていける道なのだと思います。



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