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質問力⑦後編/コールドリーディング

前編で仮説・決めつけという事で、尋問質問になりにくい質問を紹介しました。
前編はどちらかというと事前準備があって、相手の事を知ってから仮説・決めつけをするというスタンスでした。

実は事前準備なしで仮説・決めつけを出来る方法があります。
初対面の相手に使えるテクニックです。
それはコールドリーディングという方法です。

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である
(Wikipediaより)

このコールドリーディングは主に詐欺師や宗教家、占い師、霊能者などが、自分のことを信じてもらうために使用している場合が多いです。
コールドリーディングを使ってラポール(信頼関係)を築き、その後の交渉や診断を有利に進めることができるのです。


コールドリーディングの細かいテクニックはたくさんあります。
その中でもメンズエステで使えそうなものをいくつか紹介していきます。

1️⃣曖昧にする



a「最近ストレスに感じることがあったんじゃないですか?」

b「最近人間関係でギクシャクした事があったんじゃないですか?」

c「経済的な悩みを抱えていませんか?」

d「健康に不安を感じてませんか?」

よくありそうな質問ですが、具体的な質問ではなく、かなり曖昧な質問です。
ストライクゾーンを広くして当たりやすくするテクニックです。

解説

a→現代社会では多くの人が何かしらストレスを抱えています。

b→多くの人が人間関係でちょっとしたトラブルを抱えているものです。

c→多くの人がお金の不安を持っています。

d→身体は健康だと言われたら、精神面の健康状態の不安を指摘します。(占いに来た人であれば精神的な不安を持つ人が多いです)

このように、多くの人が当てはまるであろう内容を、ズバリ言い当てたかのように言って、相手の信頼を得ます
これは占い師とかがよく使うテクニックですが、占いを受ける相談者は、「この人なら分かってくれそう」ってなるわけですね。

◆「~してしまうことがある」という言い回しが、曖昧さを増す

例えば
「あなたは、かなり非現実的な野望を抱いてしまうことがありますね」
かなり曖昧な表現ですが、曖昧にする事でストライクゾーンを広げているわけですね。

「人には言えない事を考えてしまうことがあるのではないですか?」

これも誰でも当てはまりそうですね。

曖昧にするには言葉の表現方法を工夫するとより高い信用を得られます。

2️⃣二重人格(二面性)

a「メンタル強そうですが、実は繊細な部分を持ってたりもしますよね?」

b「人見知りで無口に思われがちだけど、仲良くなった人とはたくさん話すのではないですか?」

c「普段明るく振る舞っているけど、たまに急に落ち込んで暗くなる事があるんじゃないですか?」

正反対の性格を同時に提示する方法です。

常に明るい人はいませんし、いつも暗い人もいませんから、「自分の性格が見抜かれた」と、多くの人に感じさせることができます。

また、二面性を指摘する事でストライクゾーンを広げる意味合いもあります。

ズルいけど、こんな事言われたら、「この人凄いってな」、「私の事分かってくれそう」ってなっちゃいそうですね。

3️⃣サトルネガティブ(否定疑問文)

サトルネガティブとは否定疑問文を使って相手の心境を言い当てたり、相手の情報を引き出すテクニックです。

詳しく説明すると、
否定疑問文「~じゃないよね?」
という質問に対して相手の答えが「Yes」だろうと、「No」だろうと言い当てたことにしてしまう方法です。

「はい」でも「いいえ」でも言い当てた事にする?
どういう事?

では、例を見てみましょう。

例A
💁‍♀️「スポーツしてないですよね?」
(否定疑問文)

・スポーツしている場合
🤵‍♂️「スポーツしてますよ!草野球やってます」
💁‍♀️「やっぱり!身体がっちりしてますもんね!」
🤵‍♂️(見抜かれてたんだ。すごい!)

・スポーツしてない場合
🤵‍♂️「スポーツしてないですね」
💁‍♀️「やっぱり!お忙しそうだから。
なかなかスポーツする時間も取れないですよね」
🤵‍♂️(見抜かれてたんだ。すごい!)

スポーツしていても、していなくても、やっぱりという表現を使って言い当てた事にしています。

その後に理由を付けてフォローできるとより信憑性を増します

例B
💁‍♀️「ストレス溜まってないですよね?」

・ストレス溜まっている場合
🤵‍♂️「溜まってます。最近仕事が忙しくて」
💁‍♀️「ですよね!少し顔に疲れが出ているように感じたんですよ!今日は私が全力で癒しますね」
🤵‍♂️(ちょっとした変化に気付いてくれて嬉しい)

・ストレス溜まってない場合
🤵‍♂️「溜まってないですよ!溜まる前に発散するタイプなので」
💁‍♀️「ですよね!顔から幸せオーラが出てますよ!よくするストレス発散方法はありますか?」
🤵‍♂️(なんか褒められたようで嬉しい)

ストレスが溜まってても、溜まってなくても、
「ですよね!」
と言い当てた事にしています。
ちゃんと理由も添えています

このように否定疑問文を使うとどちらの答えが返ってきても「やっぱり」「ですよね」などを使って言い当てたように見せる事ができるのです。

否定疑問文は少し不自然になるので質問内容は選ぶようにしましょう。

他には
💁‍♀️「転職なんて考えてないですよね?」
なんて質問なんかは占い師がよくしそうな質問ですね。
💁‍♀️「好きな人は居ないですよね?」
💁‍♀️「ペットは飼ってないですよね?」

🤵‍♂️「はいorいいえ」

どんな答えが返ってきても
💁‍♀️「やっぱり、、フォロー」
💁‍♀️「ですよね、、フォロー」

という感じに、言い当てた事にできるのです。
フォローが上手くできるかがポイントです。


んー、否定疑問文ってズル賢い質問ですね!
ストライクゾーンを広げて誰にでも当てはまる質問にするという点は1️⃣2️⃣と似ています。
知っておいた方が良い質問ですね。

ツイッターの占いに興味ないですか?
も否定疑問文を使ってます。

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占いに興味があろうと無かろうと、否定疑問文を使っているので、言い当てた事にできてしまいます。
女性の多くは占いが好きでしょうし、ここまで読んだ人なら99%が占いに興味を持っているはずです。


4️⃣不満


「あなたは現状に満足してないですよね?」

これは多くの人が不満を持っているものなので当てはまりやすい質問です。

これは特に占いで高い効果を発揮する手法です。
そもそも、相談者は不満を解決したくて占い師を訪ねるわけですから、
「現状に不満がありますね」と誘い水を向けると、
「そうなんです! じつは会社の上司が……」という具合に、自ら悩みを話しはじめます。

コールドリーディングは、こうやって相手の情報を聞き出せる事もあるのですね。

5️⃣弱点



「あなたは口数は少ないけど、いざ発言すると人を惹きつけることが多いでしょう?」

「ぱっと見チャラいけど、言葉遣いが丁寧で中身は誠実そうですね!?」

相手の弱点を指摘する方法です。
後半に褒めと組み合わせるとより信憑性を増します


落として上げる事でより褒めの効果を高める事ができるのです。

2️⃣の二重人格と似ています。


6️⃣向上心

相手の向上心を指摘する方法です。

「今より上に行きたい」という欲求は、誰でも少なからずもっているはずです。

「あなたは、人から好かれたい・認められたいという欲求が強いのではないですか?」

のような質問をすれば、たいていの人から同意を得ることができます。

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ここまで6つのテクニックを紹介しましたが、使いこなしたり使い分けたりするのはかなり難しいと感じました。
(詐欺師や占い師も使うテクニックなので簡単にできてしまってもいけないのでしょうが)

コールドリーディングを簡単に説明すると、誰にでも当てはまりそうな事を言って相手に信頼してもらうという事です。

これに関する心理学でバーナム効果というものがあります。

バーナム効果

バーナム効果とは占いなどにおいて、誰にでも当てはまるような曖昧な記述や発言を見聞きした際に「自分のことをずばり言い当てている」と思ってしまう心理、あるいはその現象を指します。

これは「確証バイアス」が働いています。

「確証バイアス」とは、認知バイアスの一種で、自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向のことをいいます。
最初に思い込みがあると、多様な情報があっても、最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付いてしまうのが確証バイアス。
ビジネス、SNS、医療、政治、科学、雇用など、実生活のさまざまなシーンで散見されます。

確証バイアスとは、自分の考えに対して、都合のよい事柄だけに注目し、それに当てはまらないものはあまり見ようとしない、見方の偏りのことを言います。

血液型占いなんかもそうみたいです。

人の考えは自分の都合の良いように働くという事ですね。


なるほど、コールドリーディングは『バーナム効果』や『確証バイアス』を利用したテクニックとも言えそうです。

コールドリーディングのメリット

・信頼関係を築ける
・その後の会話に信憑性が出る
・相手の情報を引き出せる
・知っていれば詐欺に遭いにくくなる
・ビジネスや恋愛、あらゆる人間関係で幅広く利用できる

コールドリーディングのデメリット

・頼り過ぎると楽しい会話ができなくなり、逆に人間関係が悪くなる
・詐欺などに悪用される場合がある
・慣れてないと不自然な会話や質問になる
・習得するまでにかなりの練習が必要
・下手だと怪しまれる

コールドリーディングの注意点

コールドリーディングを使う際に、怪しまれないように相手に何者か伝えることが必要です。

いきなり初対面の人に
「あなたは悩みがあるのではないですか?」
なんて聞いたら、警戒されるのが普通です。

そんな時の対策として

「占いに興味があって」
「最近心理学の勉強してて」

のように自己開示をして相手に安心感を与えられると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
誰にでも当てはまりそうな事を言って相手に信頼してもらう。

コールドリーディングは詐欺師やインチキ占い師など、残念ながら悪用される事もあります。

しかし、その技術自体はセールスマンによる営業、警察官などの尋問、催眠療法家によるセラピー、筆跡学や筆跡診断、恋愛などに幅広く応用できるものであり、必ずしも悪意のある技術とは言えません。

また、知っていれば自分自身、被害に遭うリスクも減らせます。

メンズエステでも信頼関係を築く為に使えますので、是非使ってみて下さいね。


★付録★ 
メンズエステで使えそうなコールドリーディング

1️⃣曖昧にする
「最近ストレスが多いのではないですか?」

2️⃣二重人格(二面性)
「大人しそうに見えて、仲良くなるとたくさん話すタイプですね!?」

3️⃣ サトルネガティブ(否定疑問文)
「浮気願望とかないですよね?」
あってもなくても
「やっぱり思った通り…フォロー」

4️⃣不満
「今の仕事に満足してないんじゃないですか?」
(サトルネガティブも併用)

5️⃣弱点
「下ネタばかりで変態だけど、人を楽しませる事ができるエンターテイナーですね!?」
(後半で褒めて信憑性を上げる)

6️⃣向上心
「現状に満足しておらず、何か変えたいと思っているのではないですか?」
(不満も併用)


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