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元彼の母親と同じくらいの年齢にさしかかる

当時、25才の彼がいた。
私は32才だった。
7才年下の彼は「懐いてくる小動物みたいに可愛い男の子」って感じだった。

同時に志田とも付き合っていたから、二股かけていたのは間違いない。

志田は5才年上の割におっさんっぽく(後々に妻帯者、年齢詐称が判明、10歳上だったことに超絶納得するのだがこの時点ではわかっていない。)志田との会話は、もっぱら志田の仕事の話を聞いているか、私の仕事のアドバイスを貰っているかで、あとはダラダラと体を重ねているだけだった。

だから、小動物みたいに可愛い7才年下の彼は新鮮に思えたんだよね。
初めての「年下の彼氏」、っていうこの女心くすぐるワード(笑)に浮足立ってたのは否めない。

なんだかんだと二股に至る理由を述べても、私が不誠実なことには変わりないのだけども。


小動物みたいな彼とのデートは楽しかった。
公園を延々散歩したり、映画見て一緒に泣いたり、アスレチックではしゃいだり、ずっと海辺で話をしたり、娘を交えてピクニックやバトミントンしたり。
キャッチボールもしたなぁ。


おっさん志田とラブホテルの一室で湿っぽく過ごすとかじゃなくて、明るい陽の下で過ごすのが新鮮で楽しかった。

若いっていいなって思った。




彼とは2年ぐらい付き合ってお別れした。
いい遊び相手だったはずなのに、彼が衝動的に結婚を意識し2DKのマンションを借りたあたりから、気持ちが重たくなった。

私はバツイチ子持ちだし、初婚の年下の彼の人生に私たち母娘を負担させるつもりも無かったし、第一に私は誰とも再婚するつもりもなかった。





当時、彼がよく自分の母親の事をぼやいていたのを、思い出した。

「うちのオカン、更年期やからしんどい言うて晩ごはんなかなか作ってくれへんの。
だいたい夜の9時ごろまで寝てて、それから起きてきて支度するから、食べれるの10時ぐらいになる。」


へぇ、更年期って大変って聞くけど、そんなになるのかぁ。大変だなぁ。

と思ったもんだ。
私の母親の更年期の症状や様子については、別々に暮らしていた時期と重なっていたからわからなかったし、更年期自体、当時の私にはあまりピンとこなかった。
「お母さん、仕事で疲れてるんだろうから、自分で作って食べれば?」
と彼に言うにとどまる。


何度か「母親が更年期で寝てばかりで何もしない」という愚痴を聞いているうちに、とうとうある日、彼と母親の親子喧嘩が勃発する。


「オカンと大喧嘩した。もう家出ていけ言うから、マンション借りる。
結婚して一緒に暮らせるように初めから広めのマンション借りようと思ってる。」

そう彼は言って、私が躊躇している間に部屋を決めてしまう。
しばらくは通い妻的なことをしていたけど、半年あたりで私は根を上げ別れることになるのだ。

私、こういうの向いてないし結婚なんてましてや無理。
そもそも、母親と喧嘩して突発的に家を出て、その勢いで結婚するってのも安直だよね。

と、内心は思っていたけれど、実際本当の気持ちを伝えて別れては無い。
好きな人できたとかなんとか言って、別れた。
この辺りは思い出したくないのか、あんまり覚えてない。








更年期。

元カレのお母さんと同じ年齢になり、同じように我が子がその年齢になり思う。


オカン、しんどかったんやろうなぁ(;´・ω・)




元彼の家族構成は、旦那、妻、息子(元彼)、息子(元彼の弟)の4人。
当時、元彼の父親にあたる旦那は単身赴任中だったはず。


息子二人がご飯マダー?とやかましいうえに、成人後の男二人が仕事から帰ってきて、ゴロゴロしていたらイライラしそうだ。
息子も仕事してるが、自分(母)だって仕事してる。
旦那は常にいないから役に立たないし。
その上、更年期で体も精神もいう事聞かない。もどかしい。


と、元彼ママの当時の状況を妄想してみた。


そりゃ、子供に出てけ!と言うわ。(私も言う)



元彼ママにお会いしたことは無かったけど、今頃になってお察しします、あの頃の大変さを。