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学校で友達ができなくても全く問題ない、どうせ続かないから

日本経済新聞の朝刊で、最終面に「交遊抄」という記事がある.

経済界のトップの人たちや行政・社会団体など各界のトップや有名人が、親しく付き合っている人物を紹介する記事だ.これが面白くて、毎日楽しみにしている記事の一つである.

今日は田口亜希というパリ・パラリンピック日本代表選手団団長が、女優の市毛良枝との付き合いを紹介している.なんでも病気で車椅子生活になってから、知人に紹介してもらって知り合い、以降20年以上の付き合いだそうだ.

この「交遊抄」を読んでいると、へ〜そうだったのかと感じることが多く、今日の記事でも市毛良枝の父は日本郵船の船医だったらしい.やっぱりいいところのお嬢さんで、そのバックアップで女優になったんだ、どうりでガツガツした感じがしなかったなー、というように、新しい発見をすることもたびたびある.

こんな感じで毎回「交遊抄」を楽しく読んでいるのだが、気がつくのは、紹介されるのが、社会人になってから知り合った人物が多いということだ.

例えば、仕事の取引がきっかけで知り合った他社の社長であったり、趣味を通じて知り合った全く違う業界の友人であったり、ほとんどが働いている中で知り合った人物が紹介されているのである.

もちろん学生時代からの友人を紹介している例もないわけではないが、圧倒的に少ないと思う.

組織のトップに立つような人たちは、基本的に陽キャであって、コミュ力オバケだろう.でなければ出世できないからだ.そういう彼ら彼女らであっても、大人になって親しく付き合うのは、小中高大からの友達ではなく、社会人になってから知り合った人物なのである.これは非常に興味深いと感じる.

学校で友達がほとんどいないとか、大学に入って友達ができなくて悩んでいる、小中高大学生はたくさんいることだろう.孤独で寂しく、学校に行きたくないと感じてしまうかもしれない.

無理に学校に行けとはいうつもりではないのだが、友達がいないという悩みは全然気にしなくていい、ということは言っておきたい.だって小中高大でできる友達なんて、社会人になってから、付き合いがほとんどなくなるのだから.「交遊抄」に出てくるような陽キャですらそうなのだ.例え友達ができたとしたって、どうせ大人になったら会わなくなるのだから、無理に作る必要なんてないのである.むしろ友達がいない方が、余計なことに煩わされることなく、勉強なり好きなことなりに打ち込める、と言えるかもしれない.

いや、「交遊抄」に出てくる有名人たちには学生時代からの友人がたくさんいるけど、紹介していないだけだという反論があるかもしれない.確かに友人1人を紹介する記事なので、若い頃からの付き合いがある人も含めて、多くの知人の中から1人を選ぶわけで、たまたま社会人からの知り合いが取り上げられているだけかもしれない.

確かにその可能性もあるだろう.しかし、それにしては不自然だと思うのだ.

というのも、幼馴染とか、小中高大からの友人が取り上げられる回数が極端に少ないのである.統計をとったわけではないのであくまで印象論になるが、先ほどからいっているように、「交遊抄」で出てくる知人で学生時代からの知り合いは、ほとんど出てこないのだ.不自然なほど少ないと言っていい.これはそもそも絶対数として、社会人になってからの知人の方が圧倒的に多い、と考える方が自然なのである.

したがって、組織のトップにまで上りつめるような経済界のお偉いさんなどですら、若い時の友人との付き合いはあまり続いていない、と言っていいのではないか.

だから、今友達がいなくて悩んでいる若者は、そんなことは一切気にしなくていい、目の前の勉強や部活、仕事を一生懸命やっていれば、ふとしたきっかけ(本当に「交遊抄」で描かれるきっかけは些細なものが多い)で友人ができて、それが長い付き合いになるのである.

・・・ということも学ぶことができる「交遊抄」は、おすすめの記事である.

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