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今年の暮れのバンダム級

今日はボクシングの話をしたい.

ファンなら誰でも知っているように、今バンダム級がアツい。4団体全てが日本人王者となっており、特に中谷潤人が飛び抜けて強い.

で、井上尚弥というモンスターと唯一まともに戦えるのが中谷で、将来的に両者が戦う日が来るのでは、というのが大きな話題となっているのだが、確かにそれを想像するのも面白い.

ただしそれはだいぶ先の話であって、実現するかも分からない。それよりも現実に組まれている&組まれそうなカードも十分楽しめるのだから、それらを見ていきたい.

直近で大きな注目を集めているのが、武居vs比嘉だろう.この間の東京ドームでモロニーに勝ってチャンピオンになった武居の初防衛戦で、15戦連続KO記録を持つ元フライ級王者の比嘉との一戦だ.

YouTubeなどで前評判を調べてみると、武居優位の予想が多いようだ.しかし私は比嘉が勝つと思う.というのも、武居はディフェンスや時間の使い方などでスキが多いことがモロニー戦ではっきりしており、それを比嘉が狙ってくるだろうと予想するからだ.モロニーは油断していたのか、ほぼ無策で試合に臨んでおり、ゴングが始まってから判定で苦しくなってきても、工夫が感じられなかった.

それに対して経験豊富な比嘉は、1ラウンドごとにしっかり考えながら組み立ててくるだろう.序盤をコントロールするのは比嘉で、焦った武居が不用意に飛び込んでKO負け、と言ったところではないだろうか.

というわけで、9月3日横浜アリーナの対戦は、比嘉がKOと予想する.この日のメインの井上尚弥の試合は、予想するまでもないだろう笑

ところで、実は個人的に最も注目しているのはこの武居vs比嘉ではなく、まだ正式決定していないが、実現が12月に濃厚と言われている、井上拓真vs堤だ.こちらの方が盛り上がるのではないか.

そして大方の予想は拓真の勝利であるが、私は堤の勝ちを予想する.なぜなら、拓真は過大評価されている気がするのだ.

確かにアンカハス戦の、正面から打ち合ってのボディブローは素晴らしかった.あの試合で評価が上がるのはよくわかる.

しかしアンカハスは全盛期を過ぎ、衰えてきていたのも事実だ.2022年にはマルティネスに連敗し、IBF王座から陥落した.しかもこれは下の階級のスーパーフライだ.アンカハスが弱いというわけではないが、その1勝だけで評価が上がり過ぎているのではないか.

実際、石田匠との試合は微妙であった.ダウンを取られ、どちらが勝ちとなってもおかしくない試合で、あれだけの大差判定勝ちとなったのは、井上家のイベントだったからだろう.中立的な試合であれば石田の勝ちでもおかしくなかった.だからこそ石田はラウンドを重ねてもスタイルを変えず、淡々と戦ったのだろう.判定を聞いてさぞかし驚いたのではないか.

こういうことがあるので、ボクシングの試合はオープンスコアリングシステムを採用した方がいい、というのが私の意見だ.もし途中で判定で不利だということがわかっていれば、石田は戦い方を変えたはずだ.しかし勝っているという手応えがあったので、無理をしなかったのだろう.

もちろん石田は挑戦者なのだから、そしてイベントの性質からして井上サイドに有利な判定になりやすいのは分かっていたのだから、もっと積極的に戦うべきだっただろう.

話が逸れたので戻すが、拓真が強さを見せた試合はアンカハス戦だけであって、特別なレベルにあるというわけではない.堤より前に石田との再戦が筋だとは思うが、それはないとして、では堤なら勝てるかというと、そんなことはないと思う.きっと堤の馬力に押されて苦戦するのではないか.でも判定で石田戦のように勝つのかもしれないが.

以上をまとめると、今年の暮れのバンダム級王者は比嘉、堤、西田、そして中谷ということになる.


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