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高校生活ラスト1年、開始早々大泣きする

毎年、新年度が始まる4月は情緒が大荒れになる。もはや恒例行事なのだが、今年も例に漏れず、情緒大荒れ期はやってきた。

話は新学期初日の8日に遡る。
帰りのショートホーム後に、担任の先生に呼び出された。「〇〇さん、〇〇先生から手紙預かってるから、後で進学支援室(担任の先生のいる職員室)まで来て」と告げられ、間髪入れずに「嘘!?」という言葉が口を突いて出た。

〇〇先生、というのは、こないだの記事の最後に登場した、異動になった大好きだった先生だ。


先生から個人的に手紙を貰う、というのが人生で初めてで、こんなことってある?とまず最初に疑った。そして、ほんの数週間前のことを思い出して、少し泣きそうになった。

帰り際に受け取りに行くと、クローバーのシンプルな封筒が手渡された。そして、紛れもなく、先生の字で「〇〇へ」と書かれていた。

手紙には、「1年間ありがとう。」から始まって、ディベートの時のことや、大泣きしながら悩みを聞いてもらった時のことが書かれていた。
ディベート経験者である先生の「サマリーを立派に務める〇〇の後ろ姿は本当にかっこよかった」という1文は、重みがあって、経験した人にしか分からない大変さを汲んでくれていて、本当に嬉しかった。

「でも、そんな頼もしい〇〇が、明らかに顔色も悪く、下を向いて生徒部を訪ねて来たときは本当にビックリしました」ごめんね、驚かせてしまって笑
あのときは家でのことや学校での人との距離感に悩んでいて本当に余裕がなくて、話しながら泣いていた。「ぶちまけた」という表現が適切なくらい、家族以外に素を晒したのは先生がたぶん初めてだ。先生が「えらかった」と過去形にせず「えらいね」と言ってくれたのはずっと引っかかってたけど、「今苦しんでいる〇〇に声をかけたかったから」と当時の心境を語ってくれていた。本当にどこまでも目の前の人のことを考えて、ちゃんと寄り添ってくれる人だったんだなと再認識させられる。そういう所が自分には足りなくて、だからどうしようもなく憧れていた。

帰りながらひとりで号泣し、改めて、先生がいない1年間を最後まで頑張ろう、と自分を鼓舞した新学期初日。

ところが。

先生との面談をしたり、奨学金の説明会に参加したりしているうちに、突然迷子になった感覚がした。

行きたい大学も決めて、将来就きたい仕事も決めて、それに向かって頑張っているはずなのに。それでも、自分は大人になんかなれっこない、と根拠のない不安が頭を支配した。こんなことでへこたれていたら。こんなことで泣いていたら。考えれば考えるほど、どんどん下に落ちていって、夜、涙が止まらなくなった。最悪だ、せっかくこの一年頑張りきるって決めたのに。

慣れない校舎、慣れない音、慣れない授業スタイル。いったん無視できていたことが全部一気に押し寄せてきて、とりとめのない不安をばら撒いていく。先生、なんで異動になっちゃったの。いっぱい聞いてほしいことがあるのに。
割り切ったはずの感情ですら、容赦なく襲って止まない。

結局その日は泣くだけ泣いて、疲れ果てていつの間にか寝ていた。
起きたら不思議と心が凪いでいて、泣き腫らした目で、なんとも無かったかのようにいつも通り登校した。

それからはとめどない不安が顔を出す隙がないほど毎日の授業に追われて、忙しく過ごしていた。無意識的に不安と寂しさに蓋をして、別のことに集中しようとしていたのかもしれない。

週8時間分の英語の授業を担当してくれている先生は、別の学校から赴任されためちゃくちゃ厳しい先生だ。最初の授業は、冗談抜きで魂が取られるかと思ったほどだ。授業スピードも桁違いで、50分間があっという間に過ぎていく。
それでも英語は得意教科だし、厳しい先生にこそ認められたいという若干のM精神でモチベーションを保って挑むことができている。誰も答えられなかった問題を答えることができて、先生の「素晴らしい」というお言葉を頂けたのは本当に嬉しかった。英検準1級を受けることを知って「準1受けるんですか。頑張ってください」と声を掛けてくださったことは、勉強がしんどくなったときのモチベーションにしている。


やる時はやる、泣く時は泣く。
そして、けろっと前を向いて、また頑張る。

昔から自己管理が苦手な自分は、泣くことを良しとしている。むしろ、泣かないとメンタルが保てない。

嫌なことがあったら、不安なことがあったら、どうしようももなく寂しくなったら。

いったん泣いてリセットをかけて、進むべき道とちゃんと向き合う。
そして、しっかり前を向いて、笑顔で頑張る。



一年後、あの人に堂々と顔向けできるように。

頑張るからね、先生。
卒業するまで待ってて。


ご清覧ありがとうございました。
自販機のコンポタでした🌽

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