AppleのAI機能「Apple Intelligence」。iPhoneへの搭載はいつ?日本版は当分遅れて対応
つい先日、iPhoneの新しいOSバージョンの「iOS 18」が配信され、早速アップデートとしたという方も多いのではないでしょうか。
「iOS 18」では、ホーム画面のアプリアイコンのライトやダーク、色合いを調整できたり、コントロールセンターのカスタマイズや写真アプリの利便性アップなど、さまざま機能が追加・強化されたことで、より魅力的なOSへと進化したような気がします。
他にも、Safariブラウザのハイライト機能やリーダー機能、Apple専用の新しいパスワードアプリなど新機能がありますが、今回のiOS 18の目玉機能と言えば、やはり「Apple Intelligence」です。
今年の5月に開催されたWWDC24で発表された「Apple Intelligence」ですが、当初、本機能は「iOS 18」の配信と同時に提供される予定でした。しかし、Apple側の準備が少し遅れているようで、来月から配信される「iOS 18.1」(iPadでは「iPadOS 18.1」、Macでは「macOS Sequoia 15.1」)で初めて提供される予定となっています。
日本で「Apple Intelligence」が利用できるのは来年
とは言っても、来月から利用できる「Apple Intelligence」は、まだベータ版で、いくつかのAI機能の内の初期機能のみの提供となります。
さらに、来月から配信される「iOS 18.1」で「Apple Intelligence」を利用できるのは米国の英語版のみ。その後、12月にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカ、英国にも英語版の「Apple Intelligence」が提供され、来年に、日本語、中国語、英語(インド)、英語(シンガポール)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語などの言語にも対応される予定です。
そのため、日本のiPhoneで「Apple Intelligence」を利用するには、来年まで待たなければならず、〇月とはっきり記載されていなので、明確な時期も分かりません。(そんなに遅くはならないと思いますが、筆者は、個人的に4月頃かなと思っています。)
WWDC24では、長尺な時間を使って発表された目玉機能である「Apple Intelligence」ですが、iPhone 16が発売され、iOS 18が配信されたのにも関わらず、日本では当分利用できない状況が続くようです。
現在公開されている「Apple Intelligence」の機能内容
「Apple Intelligence」の主な機能は、以下の6つです。
「書き直し」「校正」「要約」による作文サポート機能「作文ツール」
写真アプリでのムービー作成、写真・動画検索、画像編集機能
メモアプリ・電話アプリでの「音声の録音」「書き起こし」「要約機能」
通知の要約、メッセージの優先順位付け、スマートリプライ機能
Siriの強化
Image Playgroundと画像マジックワンド
「書き直し」「校正」「要約」による作文サポート機能「作文ツール」
1つ目の「作文ツール」は、メールやメモ、Pages、他社製アプリでの、ほとんどの文章を書く場面で、AIが「書き直し」「校正」「要約」を通じて、ユーザーをサポートする機能です。
この機能を使えば、文章を書くのが苦手な方でも、素早く正しい文章が書けるようになりそうです。
写真アプリでのムービー作成、写真・動画検索、画像編集機能
この機能は、写真アプリ内で使うことができます。
「Apple Intelligence」を使うと、メモリー機能により、ユーザーが説明を入力するだけで、見たいムービーを作成できます。また、AI機能と検索機能を組み合わせることで、自然言語を使って、探したい写真や動画を検索することができます。
画像編集機能に関しては、通称「クリーンアップツール」を使って、被写体を改変することなく、写真の背景にある不要な対象物を削除することができます。Googleの「消しゴムマジック」と同じ機能ですね。
メモアプリ・電話アプリでの「音声の録音」「書き起こし」「要約機能」
「Apple Intelligence」を使うと、メモアプリや電話アプリ上で「音声の録音」「書き起こし」「要約機能」の機能が利用可能に。例えば、電話アプリでは、通話中に録音を開始すると、通話終了時に、重要な部分を思い出せるように要約文を生成してくれます。
通知の要約、メッセージの優先順位付け、スマートリプライ機能
通知機能に関しては、複数のアプリの通知を要約したり、すぐに確認する必要がある重要な通知のみを表示したり、届いたEメールの内容を理解して、緊急性のあるEメールの場合は上部に表示するなどの機能が利用できるようになります。
また、ユーザーの受信ボックス内に届いた各Eメールの最初に数行の要約を表示したり、Eメール内の質問を理解して返信文をすばやく提案する「スマートリプライ」機能などもあります。
Siriの強化
今度のSiriは、音声入力だけでなくテキスト入力に対応します。テキストと声をスムーズに切り替えて、リクエストすることができ、Apple製デバイスの機能や設定に関する質問に答えてくれます。
また、Siri起動時のデザインも刷新。iPhoneやiPad、CarPlayでSiriを起動すると、画面の縁を囲うようにエレガントに光り輝くデザインに変わります。Macでは、デスクトップの好きな場所にSiriを置いて、作業中に簡単にアクセスできるようになります。
Image Playgroundと画像マジックワンド(数か月後あるいは年内に提供予定)
Image Playgroundは、山やビーチ、冬、野球など、いろいろなテーマから好きな画像を作ることができる画像生成機能です。一方で、画像マジックワンドは、メモアプリに描いたラフスケッチをきれいな画像に作り変えたり、ユーザーがメモした文章や単語から、その内容に合った画像を生成することができます。また、これらの機能とは別に、友人や家族の写真を選ぶだけでオリジナルのジェン文字を作成する機能も用意されています。
プライバシーに配慮した設計
「Apple Intelligence」で行われる大半のタスクは、デバイス上で処理するのですが、より多くの処理能力を必要とするタスクの場合は、「Private Cloud Compute」と呼ばれる高性能なサーバーで処理を行います。そのため、「Apple Intelligence」のタスク処理は、デバイス本体とクラウド・コンピューティングで行うハイブリッド方式となっています。
クラウドを用いたAIタスクの処理で問題になるのが、ユーザーの個人的なデータが他社に渡ってしまうリスクです。Appleは、「Private Cloud Compute」を使用する際に、ユーザーのデータがAppleに保存されたり、共有されないように、データをユーザーのリクエストに応えるためだけに使用したり、独立した専門家がAppleシリコン搭載のサーバ上で実行されるコードを調べることで、ユーザーのプライバシーの保護を徹底しているようです。
最後に:「Apple Intelligence」を使用できるデバイス一覧
「Apple Intelligence」を利用できるのは、以下に当てはまるデバイスです。
iPhone 16
iPhone 16 Plus
iPhone 16 Pro
iPhone 16 Pro Max
iPhone 15 Pro
iPhone 15 Pro Max
M1以降を搭載したiPadとMac
デバイス上の処理に重きを置いた分、高性能プロセッサを搭載した製品でないと動かないようです。iPhoneに関しては、ほとんどのユーザーが「Apple Intelligence」を利用できないといった状況になりそう...。本機能を使用できるのは、来年ですが、実際に使ってみたい方は、iPhone 16シリーズを購入する準備をしておくと良いかもしれません。
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