宝塚記念’24を終えて
2024年上半期G1シリーズも終了。回顧=振り返りというのは不的中時は後付け感や女々しさやw…的中時はドヤ顔感や饒舌さやw…というようにアウトプットするにはバランスが難しいのは何十年経っても変わらないが、印に至ったプロセスやレース後感じたことを血統メインに後々へと申し送りしておきたい
<宝塚記念予想印>
◎ブローザホーン
○シュトルーヴェ
▲ソールオリエンス
△ジャスティンパレス
🐴ブローザホーン
父エピファネイア
母父デュランダル
母母父フォーティナイナー
もう事前にある程度道悪が予想されたのもあってすんなりと本命の印を打つのは決定
エピファネイア産駒.芝(20年~24.6.16)
良 265- 260- 228-2009/2762 9.6% 19.0% 27.3%
重.不良 17- 25- 18-256/316 5.4% 13.3% 19.0%
エピファネイア産駒トータルとしてあまり道悪が得意ではない数字が出てる中で同馬のここまでのパフォーマンス.適性からして母方の影響力がかなり強いという血統推測。母父デュランダルはトーセンスーリヤ.チュウワウィザード等活躍馬からして字面以上のパワー.体力を付与。ましてデュランダルが内包するノーザンテーストというのはディープが勝った稍重’06宝塚記念の2.3着馬や’12’13道悪エリ女でそれぞれ母方に保持した馬が激走。当然これが令和という現代において果たして通用するのか?というのはあったが、結局パワー注入という意味合いでまだまだ母方に持ってると影響力はあるのだなと(3着べラジオオペラも母母母父ノーザンテースト)。しかも母母父フォーティナイナーは年明けからの京都で軟.荒.重馬場で肝となっていた血(↓参考記事)
デアリングタクト
アリストテレス
ジャスティンカフェ
ブローザホーン×2
これでエピファネイア産駒の京都G1は2-2-1-5。母数は少ないが京都.東京>阪神.中山という傾向になりつつあり。エピファネイアが持つSeattle Slewが東京の長い直線や京都の下りで良い感じで発揮されてるのはあるだろう。そしてこの4頭の共通項はサンデー4×3のクロスである
あとは宝塚記念で重要視している「気力」。路線の多様化に伴いここを目標にという馬も少なくなってきており+時期的なものも重なって「気力」の充実というのがかなりポイントに。ここでの気力というのは(=近走のリズム)であってそれさえ充実していればこのレースはより通用しやすいというのは過去の好走馬からしても頷ける。しかもこれに今回は「道悪」というのも重なったがこの道悪も近走のリズムが重要であって、重.不良で行われた最近のG1だと高松宮記念のナランフレグ&ファストフォースは好例であろうし、エリ女のジェラルディーナや大阪杯のレイパパレもまさしく。競争中止した京都大賞典を除けば23年3月からずっと3着内キープし重賞は3戦連続3着内と好リズムからの~これも「道悪」G1で重要な前走からの距離短縮も相まって、自分にとってこの3番人気というのは美味しく映った。そして今回まさにお誂え向きの馬場で大外からぶち抜いた
🐴ソールオリエンス
父キタサンブラック
母父Motivator
タイトルホルダー.ステラリアと異父で同じ母父馬が阪神2200mG1で好走。ただ同馬においては今年京都2200m開催だったというのは追い風に。それは道悪でMotivator=サドラーズウェルズが効いたというのも勿論あるだろうが、キタサンブラックからのサクラバクシンオー~プリンスリーギフトそしてその6×7クロスからして下る京都でなんぼであろうと。ましてコーナリングが上手くない中での近3走が見事なフリとして成立していたから。正直ここで格好付けないと今後最後の砦は東京しか残らないと思っていた。パンパンの良馬場で10を超えるような硬クッション値でも間違いなく高評価していただろう。▲評価に止まったのは兄姉達の良績がマイル以下に集中してたことで先程触れた東京1800.2000もしくは1600でこそかというのもあったのと、気力という意味でいくら近3走をフリとして使えるとしてもブローザホーンよりは劣るとしたから。距離延長組で唯一評価したのはその中で血統が優れていたからにほかならない。やっぱり道悪サドラー舐めんなよってか
🐴べラジオオペラ
父ロードカナロア
母父ハービンジャー
母母母父ノーザンテースト
アイドリームドアドリーム牝系馬
アイドリームドアドリーム牝系馬というのはコーナー4回2000mがベスト。ベター程度に思えた京都記念→大阪杯というのは最大評価し易い局面だったが、今回はそこからの距離延長でベスト→ベター程度へ逆戻りでこれは評価し辛かった。3歳2月までの東京1800mで上がり33秒台を使って勝つといういわゆる異質ロードカナロア(他にはブレイディヴェーグ.ロードデルレイ等)。加えて当然ながら気力の充実にノーザンテースト保持というのもギリギリ3着に好走出来た要因かも
ロードカナロア産駒.芝(20年~24.6.16)
良 379- 336- 257-2510/3482 10.9% 20.5% 27.9%
重.不良 35- 23- 24-305/387 9.0% 15.0% 21.2%
ロードカナロア産駒もトータルとしてあまり道悪は歓迎とは言えない中でこの好走はまさにノーザンテーストということにしておこう
🐴プラダリア
父ディープインパクト
母父クロフネ
母母父フォーティナイナー
春天.京大.京記.鳴尾と4勝はリニューアル後京都芝重賞種牡馬勝利数トップなのがディープインパクト産駒(その内2勝が同馬)。まさに坂下りでサーゲイロード相変わらず健在というのもありつつ、しかもフォーティナイナー保持なのにこれは無印に。向くだろうなあというのはあったがディープならジャスティンパレス>プラダリア>ヤマニンサンパでいいという考えの元だったから
ディープインパクト産駒.芝G1(20年以降)
前走1着 8- 9- 8- 42/ 67 11.9% 25.4% 37.3%
前走2着 5- 3- 6- 27/ 41 12.2% 19.5% 34.1%
前走3着 2- 2- 0- 25/ 29 6.9% 13.8% 13.8%
前走4着 3- 2- 1- 13/ 19 15.8% 26.3% 31.6%
前走5着 0- 1- 2- 15/ 18 0.0% 5.6% 16.7%
前走6~9着 0- 1- 1- 39/ 41 0.0% 2.4% 4.9%
前走10着~ 1- 0- 0- 27/ 28 3.6% 3.6% 3.6%
ディープにおけるG1の基本は前走に従順でありあっと驚く前走からの巻き返しは少ない。いくらここが向くであろうといっても気力が大事なここも重なり前走6着から距離延長というのはなかなか手が伸びなかったがあわやの4着。向くんだなあと
🐴ローシャムパーク
父ハービンジャー
母父キングカメハメハ
母母母母父ノーザンテースト
ハービンジャー産駒.芝G1.重不良(カッコ内は全重賞)
牡.セン 0-0-1-3(1-0-4-15)
牝 1-0-1-2(2-0-2-9)
血統字面的には一見良さそうであるしハービンジャー産駒に道悪苦手という印象はあまりなかったが…(母数は少ないが)道悪ハービンジャーで活きるのは実は牝馬のほうだったりする←’17秋華賞が好例。これは牝馬同士になるほど道悪においてのアドバンテージがパワー.体力的に高まるということなのかなと。牡馬だとちょい湿り気が残ってる稍重であったり、全体的には稍重→良という回復馬場もよく走る。だから牡馬だと馬場が重.不良まで悪くなっても重賞ではそこまでアドバンテージは期待出来ないという説。というのがあったのと距離延長組ならソールオリエンスのみ評価したので無印だった次第
🐴ドウデュース
父ハーツクライ
母父Vindication
ハーツクライ産駒って以前から2200m以上の京都重賞で勝ち切れてなくて、それはリニューアル後もハーパーのエリ女3着にダノントルネードの京都新聞杯2着と継続し2-12-7-84という通算成績。ただ母父がSeattle Slewで母方にプリンスリーギフト保持しそれでどこまでハーツを補えるのか?しかも同馬の走り=ピッチを見せつけられると有馬.京都記念(阪神)をベストとするならそれ以上は果たしてあるのかなと
ハーツクライ産駒.芝(20年~24.6.16)
良 257- 255- 241-2162/2915 8.8% 17.6% 25.8%
重.不良 22- 20- 28-257/327 6.7% 12.8% 21.4%
で、極め付けとなったのが道悪。全体的にハーツクライも道悪での印象はよろしくなかった。ドウデュースは国内での道悪経験はなかったのでやってみないと分からなかったが、距離延長と気力という観点からまして人気を背負ってとなると評価はし難かった。それでもスムーズに外を回せてたならもうちょい上があったという捉え方も
🐴ディープボンド
父キズナ
母父キングヘイロー
これはいくら京都のこういった馬場に強いキズナ産駒であっても、エピファネイア産駒とよくセットで馬券になるキズナ産駒であっても、距離短縮であっても、気力という面でも他馬に及ばないし、そもそも前走で評価してなかったのにここで拾うというのは自分の中でナンセンスであろうという形であった
🐴ルージュエヴァイユ
父ジャスタウェイ
母父Frankel
ジャスタウェイ産駒.芝(20年~24.6.16)
良 99- 94- 103-1031/1327 7.5% 14.5% 22.3%
重.不良 10- 12- 10-136/168 6.0% 13.1% 19.0%
母方の血統はがっつり欧州型なのだがジャスタウェイ産駒自体トータルで見ると道悪はあまりよろしくない。Frankelってサドラーズウェルズなのにねと。同馬のエリ女、モズメイメイの(ゲート反則技?)葵S、ウエストナウの京都新聞杯、母父Frankelの京都重賞だけを見るとインや前々でサドラーというよりはFrankelの持つスピードを活かしてるという感。従って距離延長も相まって評価はし難かった
🐴ヤマニンサンパ
父ディープインパクト
母父スウェプトオーヴァーボード
スウェプトオーヴァーボードがフォーティナイナー系であり近走リズムもそれなりによかったが…さすがに父からだとジャスティンパレス>プラダリア>ヤマニンサンパ、フォーティナイナーからだとブローザホーン>プラダリア>ヤマニンサンパ、という位置付けをしていた
🐴ジャスティンパレス
父ディープインパクト
母父Royal Anthem
春天.京大.京記.鳴尾と4勝はリニューアル後京都芝重賞種牡馬勝利数トップなのがディープインパクト産駒(その内1勝が同馬)。まさに坂下りでサーゲイロード相変わらず健在というのもありつつ、春天と同じ京都で道悪からの距離短縮。しかし臨戦的には昨年のほうが気力も充実してたというジャッジメント。阪神2200mよりは京都2200mのほうが向きそうというのもあってそこはある程度相殺出来るかなという想いも。結局悪くなかっただけに4番手で押さえたが…ここまで負けるとはねえ。ここまで負けると次G1直行なら厳しいという見方
🐴シュトルーヴェ
父キングカメハメハ
母父ディープインパクト
「気力」という意味でここまで3連勝し、キンカメ産駒で上がり32秒台と34秒以上異なる重賞2勝してるのはラブリーデイと同馬のみだったし道悪で距離短縮。対抗評価まで押し上げたがいいところなく惨敗。タフ”すぎた”ということなのかなあと。難しい
🐴ヒートオンビート
父キングカメハメハ
母父ディープインパクト
同馬は真っ先に消えた馬。キンカメ得意な新潟記念もしくはアル共杯で最後っ屁があるかどうか?
🐴カラテ
父トゥザグローリー
母父フレンチデピュティ
父×母父にその奥のパラダイスクリークにノーザンテースト保持のステゴ牝系。そりゃこの馬場なら候補には考えますとも。前走内容からしても復調の兆しは見えたし。ただそれでも同馬の距離延長ならソールオリエンスのほうでいいだろうという最終ジャッジであった