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日本ダービー’24~全馬血統評価


血統以外は知らぬ存ぜぬ


■今3歳世代優勢な血は母父デインヒル(Danehill)系
■母方サーゲイロードクロス馬とプリンスリーギフト保持馬

この2つを評価対象にしておりその考察記事は


それでは全頭血統チェックを→最後に血統評価を




①サンライズアース

父レイデオロはキングマンボ系種牡馬。昨年3歳世代では活躍したキングマンボ系種牡馬も今3歳世代2000m以上重賞では1-0-0-25(1人気3頭凡走)とイニシアチブが全く取れておらず、スワーヴリチャード.エピファネイア.キズナ等に追いやられた感ある不遇な世代。レイデオロ産駒自体芝1400m以下は25戦連対無しでスピード疑問…好走はコーナー4つの1800m&2000mに偏っておりスポットは現状かなり狭め。母方もマンハッタンカフェ×ヌレイエフにBlushing GroomでHaloクロス。東京で脚を伸ばすという意味では他馬には劣る感は否めずでコーナー4つの機動力やパワーを生かしたいタイプか


②レガレイラ

父スワーヴリチャード。自身は父ハーツクライに米国の血を放り込み早期から動けるようにという社台の練り込まれた配合。それが産駒の成功にも繋がり種付け料も跳ね上がる要因になったような。アーバンシックとは母が全姉妹同士で同じ血統構成に

’23 ハーツコンチェルト
ホープフルS 10-10-11-11 上がり2位
’22 ドウデュース
皐月賞 15-15-16-14 上がり1位
’17 スワーヴリチャード
皐月賞 6-9-11-10 上がり5位
’14 ワンアンドオンリー
皐月賞 18-18-17-12 上がり1位
’11 ウインバリアシオン
弥生賞 10-10-8-7 上がり5位

これは【中山2000m重賞道中10番手以下経験&上がり上位→ダービー3着内ハーツクライ産駒】’20年2着サリオス以外のハーツクライ産駒のダービー好走は全てこのパターン。中山で届かず→大箱替わりで逆襲はまさに内包するトニービンの力。そんなハーツの血をひくスワーヴリチャード産駒はどうなのか?になるが、ここまで産駒が芝多頭数内枠で未勝利(15頭以上.馬番4番以内)であるように全体的には器用に立ち回るより爆発力がある馬が上級馬では多い印象=これまさにトニービンなのよね。同馬はホープフルSでは差し届いたが皐月賞では14-15-14-13で上がり1位。母父ハービンジャーは今世代優勢なデインヒル系、母方にはサーアイヴァー(サーゲイロード)クロスを備えていかにも脚を伸ばせそうで逆襲のパターンっぽい。ただこの内枠というのはどうしても産駒的には引っ掛かってくる。ルメールが好位置取ってすんなりと~の可能性は血統評価とは違うので割愛

平均勝利距離 1777.9m
平均勝利距離(牡馬) 1935.3m
平均勝利距離(牝馬) 1620.6m

平均連対距離 1857.9m
平均連対距離(牡馬) 2022.8m
平均連対距離(牝馬) 1616.7m

そしてこれは【母父ハービンジャー全産駒.芝】自身ホープフルS勝ち馬ではあるが母父ハービンジャーは牡牝で距離適性に違いが。牝はメイケイエール等(スピード型の父が多いが)、牡はべラジオオペラ.ドゥラドーレス.コパノサントス等。牡牝でわりとシンプルに能力を伝えやすいか。スワーヴリチャード産駒はダンチヒ保持馬と重賞でセットで馬券になりやすく、基本スピードとパワーのダンチヒと蜜月なら母父も相まって距離延びて?という可能性は否定しない


③ジューンテイク

父キズナ。母父シンボリクリスエスとの組み合わせはソングライン.アカイイトで共に牝馬で良配合でも牡馬としてどうだろうかという気はするが…この母父シンボリクリスエスは東京重賞が最も走っており、それはきっと内包してるシアトルスルーの力ではないのだろうかと即ち脚を伸ばすという意味で。今回Cコース替わりで内枠をひき京都新聞杯からの臨戦、キズナの父ディープ産駒で内&京都新聞杯2からダービー馬になったロジャーバローズもシアトルスルー保持しておりリファール保持まで同じときたら怖いぞと


④ビザンチンドリーム

父エピファネイア。カニキュル→テンハッピーローズ→ステレンボッシュと今開催東京重賞で産駒が好調。カニキュルはCaroにミルリーフ、テンハッピーローズはCaroとプリンスリーギフト、ステレンボッシュはトニービン。いずれも母方にナスルーラが強調されたエピファだった。同馬は母父ジャングルポケットがトニービンでナスルーラ。一見東京よさそうな母父だが実は母父ジャンポケの東京重賞は0-0-0-29と全くトニービンの良さを付与してないということになる。母母父フレンチデピュティも効いてるのかパワー.体力寄りで東京では間に合わないような気が


⑤ダノンデサイル

父エピファネイア。カニキュル→テンハッピーローズ→ステレンボッシュと今開催東京重賞で産駒が好調。カニキュルはCaroにミルリーフ、テンハッピーローズはCaroとプリンスリーギフト、ステレンボッシュはトニービン。いずれも母方にナスルーラが強調されたエピファだった。同馬は母父Congratsがエーピーインディ~シアトルスルーでSecretariatも2本持ちナスルーラが強調されたエピファという見方も(上の3頭のように欧州ナスルーラがあればもっとよかった)。脚を伸ばすという意味でも良いのではないかと思える母方も今回米国志向の母方は狙ってないというのが引っ掛かるが


⑥コスモキュランダ

父アルアイン。ここまでの産駒傾向は直線短>>>直線長で重馬場も走るまさに父ちゃんを彷彿とさせるパワーとスピード立ち回り型。母方はサーアイヴァー(サーゲイロード)クロスで脚を伸ばせそうではあるが、母父Southern ImageがHalo系で米国型。アルアイン産駒芝勝ち馬5頭中母方Haloが3頭の内の1頭が同馬。父とのHaloクロスが大きくコーナー4つの機動力やパワーを生かしたいタイプというジャッジ。捻らずにこの考え方ならやはり皐月>ダービータイプということに


⑦ミスタージーティー

父ドゥラメンテはキングマンボ系種牡馬。昨年3歳世代では活躍したキングマンボ系種牡馬も今3歳世代2000m以上重賞では1-0-0-25(1人気3頭凡走)とイニシアチブが全く取れておらず、スワーヴリチャード.エピファネイア.キズナ等に追いやられた感ある不遇な世代。ドゥラメンテ産駒にとって東京重賞はそこまで得意ではなく前走東京重賞組のほうが好成績。それは体力やパワー優先で斬れ負けするからなのかなと。母母父が脚を伸ばせるIrish Riverではあるが母父がサドラーズウェルズ。ドゥラメンテ×サドラーはタイトルホルダー.ルガル.先週勝ったエンパイアウエスト、やはり短直線でパワー.体力を活かしたい配合という印象


⑧アーバンシック

父スワーヴリチャード。自身は父ハーツクライに米国の血を放り込み早期から動けるようにという社台の練り込まれた配合。それが産駒の成功にも繋がり種付け料も跳ね上がる要因になったような。レガレイラとは母が全姉妹同士で同じ血統構成に

’23 ハーツコンチェルト
ホープフルS 10-10-11-11 上がり2位
’22 ドウデュース
皐月賞 15-15-16-14 上がり1位
’17 スワーヴリチャード
皐月賞 6-9-11-10 上がり5位
’14 ワンアンドオンリー
皐月賞 18-18-17-12 上がり1位
’11 ウインバリアシオン
弥生賞 10-10-8-7 上がり5位

これは【中山2000m重賞道中10番手以下経験&上がり上位→ダービー3着内ハーツクライ産駒】’20年2着サリオス以外のハーツクライ産駒のダービー好走は全てこのパターン。中山で届かず→大箱替わりで逆襲はまさに内包するトニービンの力。そんなハーツの血をひくスワーヴリチャード産駒はどうなのか?になるが、ここまで産駒が芝多頭数内枠で未勝利(15頭以上.馬番4番以内)であるように全体的には器用に立ち回るより爆発力がある馬が上級馬では多い印象=これまさにトニービンなのよね。同馬は皐月賞13-13-13-10で上がり3位、京成杯12-11-8-10で上がり1位。母父ハービンジャーは今世代優勢なデインヒル系、母方にはサーアイヴァー(サーゲイロード)クロスを備えていかにも脚を伸ばせそうで逆襲のパターンっぽい。もうちょい外目の枠が良かったが内よりはまだ良かったし百日草特別→京成杯からの競馬から完全にトニービンというジャッジを下してる

平均勝利距離 1777.9m
平均勝利距離(牡馬) 1935.3m
平均勝利距離(牝馬) 1620.6m

平均連対距離 1857.9m
平均連対距離(牡馬) 2022.8m
平均連対距離(牝馬) 1616.7m

そしてこれは【母父ハービンジャー全産駒.芝】母父ハービンジャーは牡牝で距離適性に違いが。牝はメイケイエール等(スピード型の父が多いが)、牡はべラジオオペラ.ドゥラドーレス.コパノサントス等。牡牝でわりとシンプルに能力を伝えやすいか。スワーヴリチャード産駒はダンチヒ保持馬と重賞でセットで馬券になりやすく、基本スピードとパワーのダンチヒと蜜月なら母父も相まって距離延びて?という可能性は否定しないが…同馬は牡馬でむしろ同世代戦なら2400mがアドバンテージになる可能性は母父から示唆


⑨ダノンエアズロック

父モーリス。前走1着からの若駒モーリス産駒にとっては”反り立つ壁”臨戦。ここまで前走1着馬の2.3歳重賞成績は0-6-5-49と未だ勝ててない。ほぼ前走1着馬で占められる2歳重賞込みで前走1着馬が勝つというのが多い中でそのパターンで勝ててないこの数字はある種異質。 他産駒と上のステージでの完成度勝負では分が悪いのと成長曲線がゆっくりで3歳夏~古馬にかけて上昇気流に乗っていくというのがここまでの産駒上級馬。ただ母方は母父Fastnet Rockが今世代優勢なデインヒル系、サーアイヴァー(サーゲイロード)クロスにプリンスリーギフト保持といかにも脚を伸ばせそうではある。勝てずとも2.3着ならあっていい


⑩サンライズジパング

父キズナ。母父Zoffanyが今世代優勢なデインヒル系。母母父Exit to NowhereこれがIrish River~ネヴァーベンドで脚を伸ばすには好血。しかしそれを薄く感じさせるのがニジンスキーが3本入る母方。キズナ×母方ニジンスキーは牡馬だとディープボンド.ハギノアレグリアス.ハピ.サヴォーナ.インプレス.クリスタルブラックと相性良な組み合わせもかなりパワー.体力寄りな面々。これは今世代好調キズナでも旧型キズナの部類か


⑪シュガークン

父ドゥラメンテはキングマンボ系種牡馬。昨年3歳世代では活躍したキングマンボ系種牡馬も今3歳世代2000m以上重賞では1-0-0-25(1人気3頭凡走)とイニシアチブが全く取れておらず、スワーヴリチャード.エピファネイア.キズナ等に追いやられた感ある不遇な世代。ではあるが…この1勝が同馬の青葉賞。ドゥラメンテ産駒にとって東京重賞はそこまで得意ではなく前走東京重賞組のほうが好成績。それは体力やパワー優先で斬れ負けするからなのかなと。母父サクラバクシンオーはプリンスリーギフト系で一見良いのだが、この母父バクシンオーは意外とパワーを付与する面も。特にドゥラメンテと同じキンカメ~キングマンボの血をひくロードカナロア×バクシンオーなんか道悪やダートでやたら走ったり。ここより次東京じゃないところで


⑫シックスペンス

父キズナ。母はアメリカ馬で米国志向な母方。母父Twirling CandyはUnbridled's Song~ファピアノ系。ショウナンラプンタそしてクイーンズウォーク同様にキズナ×母父ファピアノ系共通は上がり33秒台の決め脚。昔キズナの父ディープに母父ファピアノ系のUnbridled's Songという好配合が←コントレイル等。まさに4年のサイクルを経て産み出された世代配合。同馬は母方にシアトルスルー保持。ただ今回脚を伸ばすという意味で米国志向の母方は狙っておらず前哨戦向きかなあというジャッジ…非常に不気味ではあるが


⑬シンエンペラー

父シューニ。ここまで産駒は芝1200mに特化してるが、実はヴィズサクセス.タングルウッドが同馬同様にワンターン1800m上がり33秒台で産駒として勝ち上がっている。2頭共その後その距離では勝てなかったが結局ディープ産駒に阻まれており、適性自体短いということは決してなくディープが居ない現代なら真っ向勝負出来る算段。母父ガリレオはサドラーズウェルズ系

’23ソールオリエンス 2
’21グレートマジシャン 4
’20サトノインプレッサ 4
’19サートゥルナーリア 4
’17アドミラブル 3
’16ディーマジェスティ 3
’13エピファネイア 2

近年1着.3着まで届かなかったダービーでの母方サドラーズウェルズ保持馬。これも速い脚ディープに阻まれ続けた…欧州ノーザンダンサー系配合で脚を伸ばすならやや不満ではあるがミスプロの5×5×5×5という4本持ったクロスが夢を抱かせてはくれる。前走はこの配合ならシンプルに時計が速すぎたはずで東京替わりで前々勝負ならまだ分からんぞと。’96フサイチコンコルド、’06メイショウサムソン、そして昨年のタスティエーラ。1990年以降父ノーザンダンサー系のダービー馬は3頭。’96は既に席巻してたがSS産駒2年目、’06はSS産駒ラストクロップ、昨年はディープ産駒不在。そして今年から完全にディープ産駒が居なくなった。父ノーザンダンサー系のダービーでは過渡期でこそか?


⑭ゴンバデカーブース

父ブリックスアンドモルタル。下のクラスではあるが距離を延ばしてきて成績が上がってきている産駒印象。それは父自身12f2400mのBCターフ勝ち馬というのもあるだろうしStorm Bird3×3というクロスがタフなほうのベクトルに出たのかもなと(構成的にはデクラレーションオブウォーに近さを覚える)。従って一気の距離延長でも可能性はあるかもしれないが、それを助長させる母方の血が脚を伸ばすという意味で他馬と比較すると弱いような(パワー.体力寄り)


⑮ジャスティンミラノ

父キズナ。2走前共同通信杯がキズナ牡駒としては初となる東京重賞勝利。それが示すようにキズナ牡駒のここまでは斬れよりもパワー体力優勢なぶん東京での伸び脚比べでは分が悪かった感。母父が今世代優勢なデインヒル系Exceed And Excelで桜花3オークス3ライトバックと同配合でDarshaan保持まで共通。こちらは母母父Shareef Dancerで母方サーゲイロードクロス。脚を伸ばすという意味で申し分ない母方のおかげ且つ今世代抜群のキズナで牡馬初東京重賞をもたらしたか。皐月賞前から皐月<ダービーという捉え方をしており当然評価は必要


⑯メイショウタバル

父ゴールドシップ。産駒の東京重賞はユーバーレーベン.ウインキートス.ウインマイティー.ゴールデンハインドと活躍は全て牝馬。牡馬は札幌2歳Sでワンツー決めたり、同世代コスモブッドレアが京成杯3着。牡牝だとやはり牡馬は重さを感じさせるのがゴールドシップ。同馬はワンターン1800m毎日杯勝ちが道悪でまさに!しかも母父フレンチデピュティがそれを助長させてる感。だが…ワンターンを勝った時点で異種とすれば速さもこれまでの牡駒よりは備えてはいそう。ここで敢えて狙うより菊花賞で狙うのが真っ当か


⑰ショウナンラプンタ

父キズナ。母はアルゼンチン馬で米国志向な母方。母父ZensationalはUnbridled's Song~ファピアノ系。シックスペンスそしてクイーンズウォーク同様にキズナ×母父ファピアノ系共通は上がり33秒台の決め脚。昔キズナの父ディープに母父ファピアノ系のUnbridled's Songという好配合が←コントレイル等。まさに4年のサイクルを経て産み出された世代配合。ただ今回脚を伸ばすという意味で米国志向の母方は狙っておらず前哨戦向きかなあというジャッジ


⑱エコロヴァルツ

父ブラックタイド。産駒のダービーといえば内から抜けて3着に穴を開けた’14マイネルフロストが2枠3番。このようにブラックタイドは重賞ではとにかく内枠得意傾向。母方がキングカメハメハ×エーピーインディでややパワータイプの感もエーピーインディがシアトルスルーにサーゲイロード保持で脚を伸ばすという意味で支えとしては悪くない。それだけにこの大外枠は痛恨でこの騎手で内枠で見てみたかった



血統評価


S→A→AB→B→BC→C→Dの7段階で評価

①サンライズアース D
②レガレイラ AB
③ジューンテイク AB
④ビザンチンドリーム C
⑤ダノンデサイル BC
⑥コスモキュランダ BC
⑦ミスタージーティー C
⑧アーバンシック S
⑨ダノンエアズロック BC
⑩サンライズジパング C
⑪シュガークン C
⑫シックスペンス B
⑬シンエンペラー AB
⑭ゴンバデカーブース C
⑮ジャスティンミラノ A
⑯メイショウタバル C
⑰ショウナンラプンタ B
⑱エコロヴァルツ BC