オークス.日本ダービー’24をまとめて考察
■今3歳世代での父キングマンボ系の奮わなさ
→今世代2000m以上では1-0-0-22(1人気3頭凡走)とイニシアチブが全く取れておらず好走は青葉賞1着シュガークンのみ。スワーヴリチャード.エピファネイア.キズナ等に追いやられた感ある不遇な世代か
父キングマンボ系.芝2.3歳重賞(オークス前まで)
今世代 4-3-5-63
昨世代 12-9-6-58
※オークス出走予定馬
サンセットビュー
ホーエリート
ミアネーロ
※ダービー出走予定馬
サンライズアース
シュガークン
ミスタージーティー
■今3歳世代優勢な血は母方デインヒル(Danehill)保持馬
→母父デインヒル系として13/21頭が重賞3着内経験あり(代表馬アスコリピチェーノ)。母母父デインヒル系として3/8頭が重賞3着内経験あり。デインヒル=ダンチヒ系。ここまで日本でも保持してた馬はたくさん居てたし活躍馬も多数。それでも欧州ではさらに上を行く超重要血統であるし世界で系統を確立したといっていい大種牡馬。その血が今ホットなのは脚速血統ディープにキンカメという主流が居なくなって戦国血統時代になったからというのもあながち間違いではないはず。デインヒル保持によりパワーとスピードの供給力というのが現代でマッチしてるのではないかなと。実際に非デインヒルの母父ダンチヒ系になると今世代重賞では0-1-0-10であるだけに尚更
母父デインヒル系.芝2.3歳重賞(オークス前まで)
今世代 7-5-7-19
昨世代 2-4-1-28
※オークス出走予定馬
エセルフリーダ(母父)
サフィラ(母母父)
ライトバック(母父)
※ダービー出走予定馬
アーバンシック(母父)
コスモキュランダ(母母母父)
サンライズジパング(母父)
ジャスティンミラノ(母父)
ダノンエアズロック(母父)
レガレイラ(母父)
今世代⇔昨世代と比較して大きく違う代表的なものをこれまでnoteやXで触れてきたが改めて。もちろんこれらもウエイトとしては大きくなると考えてるが今回はまた違った視点=特に東京で今輝きそうな血とは!?というところに重きを
まずは昨年のオークス
1着 リバティアイランド
2着 ハーパー
3着 ドゥーラ
この3頭が母方に共通して保持してた血がプリンスリーギフト(Princely Gift)。代表的なのがサクラバクシンオーの父を辿るとここに行き着くスピード持続力血統。昨年この血を母方に保持してた5頭中3頭で上位独占し人気馬と人気薄が共存という結果に。昨年ダービー2着ソールオリエンスに一昨年ダービー馬ドウデュースも保持
このプリンスリーギフトは特に京都の3-4角下り(外回りのほうがグッと下るが)での相性良。直近では都大路S1着セオに鞍馬S3着カリボールが母方に保持。そしてもう一つ京都下るに相性良いのがサーゲイロード(Sir Gaylord)。端的に言えばしなやかな脚の伸びを備える血で代表的な保持馬がディープインパクト
※母方プリンスリーギフト保持
🐴リバティアイランド
オークス1→秋華賞1→JC2
🐴ハーパー
オークス2→秋華賞3→エリ女3
🐴ソールオリエンス
ダービー2→菊花賞3
※父方or母方サーゲイロードクロス
🐴マスクトディーヴァ
秋華賞2→ヴィクトリアマイル3
🐴タスティエーラ
ダービー1→菊花賞2
サーゲイロードに関しては持ってる母数が多くなるので父方か母方にクロスで強調されてる馬をチョイス。これら京都リニューアル後から引っ張ってきたのだが…京都と東京で見事にリンクしている!ドゥーラも秋華賞ハナ差4着であったし。これらは人気馬だったので血統適性<馬の能力だったとは言われればそれまでになるのだが、血統で予想してる以上このリンクは見逃すことは出来ない
そしてこれが今開催東京へともリンク…特に母方サーゲイロードクロス馬が相性良である(今開催東京メインレースからピックアップ)
フローラS
ラヴァンダ 2着
メアヴィア 14着
青葉賞
デュアルウィルダー 3着(上がり1位)
アバンデル 9着
スイートピーS
該当馬なし
プリンシパルS
ダノンエアズロック 1着(上がり3位)
ヴィレム 4着(上がり1位)
NHKマイルC
該当馬なし
京王杯SC
スズハローム 3着
ロードマックス 12着
ヴィクトリアマイル
マスクトディーヴァ 3着
ドゥアイズ 4着
(メンク調べ)10頭該当馬が居て5頭馬券にということは3着内50%。6.4.1.8.1人気と人気馬と人気薄が共存しておりこれは相性良!プリンシパルS11人気ヴィレムは頭差、ヴィクトリアマイル11人気ドゥアイズ、共に際どい4着だったのもさらに相性良を裏付けるものになるし、好走馬それぞれいい脚を使って伸びておりまさにサーゲイロードそれを強調させてる構成は今の東京でいいのではなかろうかと
青葉賞
シュガークン 1着
プリンシパルS
ダノンエアズロック 1着
京王杯SC
スズハローム 3着
ヴィクトリアマイル
テンハッピーローズ 1着
母方サーゲイロードクロス馬よりも母数が多く好走率は下がるが、母方プリンスリーギフト保持馬も走っており何と言ってもテンハッピーローズ!
Irish River、Shirley Heights、Mill Reef、Seattle Slew、これら東京で元来脚を伸ばすに長けたナスルーラの血もまだまだ有効であるし今東京でも走っているが、京都の下りで脚を持続そしてしなやかな脚を繰り出せる…そんな血統馬が昨年東京G1好走馬とのリンクに今の東京からして最重要血統という位置付けをしてみても面白いのではないか(母方サーゲイロードクロス馬なら昨年オークス3着ドゥーラに一昨年ダービー2着イクイノックスの母父キングヘイローがサーゲイロードクロス)
それではオークス&ダービー出走予定馬の中で母方にサーゲイロードクロスもしくはプリンスリーギフト保持してる馬たちを挙げておこう
※オークス出走予定馬
◆スウィープフィート(プリンスリーギフト)
◆パレハ(サーゲイロードクロス)
◆ホーエリート(プリンスリーギフト)
◆ラヴァンダ(サーゲイロードクロス)
<スウィープフィート>
5代母方にトウショウボーイがおりこれがプリンスリーギフト。4代母方にダンシングブレーヴでその母父がサーゲイロード系。ラヴァンダ.スズハローム.マスクトディーヴァも母方にダンシングブレーヴ保持し今東京好走。キングヘイローの父がダンシングブレーヴで保持するサーゲイロードから脚を伸ばす影響力は高い。そのサーゲイロードと母父ディープスカイが保持するSecretariatは姉妹になるのでつまりサーゲイロードニアリークロス。父スワーヴリチャードが内包するSeattle Slew込みでどこまでも脚を伸ばせそうな血統構成。一つ懸念はスワーヴリチャード産駒が芝多頭数内枠で未勝利(15頭以上.馬番4番以内)。即ちこれはスワーヴリチャードが内包するトニービンらしさがもろに。トニービン産駒は小回りで器用に立ち回るというより不器用な分だけ長い直線の東京でズドーンという脚を使うことが多かった。チューリップ賞がまさにそれで、桜花賞はライトバックに内に追いやられたのが痛くスムーズさを欠いた。まあどの枠でも下げてという競馬の可能性大であとはスムーズにさえいけばこの血統が黙ってない
<ラヴァンダ>
母方サーゲイロードクロスでダンシングブレーヴ保持。Mill Reefも持っていて欧州色が前に出た母方。シルバーステート牝駒にはオークス13着ウォーターナビレラがおり牡馬はパワー型が多い。ただどうだろう?負けて強しだったチューリップ賞→内からしぶとく脚を伸ばしたフローラSからするとシルバーステート産駒でも脚を伸ばせるタイプ。産駒のイメージよりレンジの広さを感じるのは母方からなのか。母父ベーカバドは父ベーカバドの仔たちを見るとダンチヒ系でも交互(×○)でというより前走込みで近走走ってるのに舐められて走るほうのダンチヒ。まさに前走がそれ。その源泉は保持する意外性血統Courtly Deeか。どうせまた舐められるのであろうし
※ダービー出走予定馬
◆アーバンシック(サーゲイロードクロス)
◆コスモキュランダ(サーゲイロードクロス)
◆シュガークン(プリンスリーギフト)
◆ジャスティンミラノ(サーゲイロードクロス)
◆ダノンエアズロック(プリンスリーギフト.サーゲイロードクロス)
◆レガレイラ(サーゲイロードクロス)
<アーバンシック>
<レガレイラ>
母が全姉妹で父スワーヴリチャードも同じということで血統表は母の文字以外全て共通なんで一緒に説明。母方がサーゲイロードクロス。スワーヴリチャード産駒上級馬は小回りで器用に立ち回るというよりは不器用そうで爆発力も備えてるのが大きな特徴。即ちこれはスワーヴリチャードが内包するトニービンの成分が高めとも言えそう。レガレイラはホープフルS馬ではあるが共にそれを踏まえるとサーゲイロードクロスも相まってTHEトニービンなのかなと。特にアーバンシックは百日草→京成杯からしてもろにそのタイプと推察。ダービーではアーバンシック>レガレイラと決めてはおり更にアーバンシック◎と決めてもいたり。ならば同血ならレガレイラ無印はありえない
<コスモキュランダ>
母方サーゲイロードクロス。22-23年と皐月賞2着したイクイノックス(母方)タスティエーラ(父方)もサーゲイロードクロスを持ち次のダービーも2着と1着。馬場が全く違ったとはいえ皐月賞と繋がってるという意味ではいいのかもしれない。父アルアインはSeattle Slew内包も産駒成績を見ると芝では圧倒的に直線短コース>>>直線長コースに出ておりまさに父を彷彿のパワーとスピード立ち回り型。芝勝ち馬5頭中母方Haloが3頭で同馬の母父Southern ImageがHalo系。サーゲイロードよりもアルアインからのサンデー~HaloでHaloクロスの機動力に出ての中山3連荘なら、サーゲイロードクロス持ちの他馬と比べるとどうしても加点は少なくなるか
<シュガークン>
ここまで今世代で劣勢だった父キングマンボの新興勢力はドゥラメンテ産駒。しかもドゥラメンテ産駒は東京重賞で勝ち切れず前走東京重賞だった馬の成績が熱かったのも覆した。こういうブレイクしてくる馬は得てして大物が多かったり…母父サクラバクシンオーがプリンスリーギフト。ちなみに同馬の青葉賞勝ちでドゥラメンテ産駒は東京重賞4勝目。その内スターズオンアースのオークスが稍重→良、シャンパンカラーのNHKマイルCが稍重。キタサンブラック半弟も踏まえるとプリンスリーギフトであっても馬場が渋るとかなりチャンスある可能性。負けても前走東京重賞になる次走は要注目
<ジャスティンミラノ>
母方サーゲイロードクロス。母母父Shareef Dancerからのサーアイヴァーにその奥のDarshaanにShirley Heights。キズナ牡駒のここまでは斬れよりもパワー体力優勢だったがまさに今世代をリードしているキズナの新世代配合馬で共同通信杯がキズナ牡駒として初となる東京重賞勝利だった。母父Exceed And Excelとの組み合わせは桜花賞3着ライトバックと同じでライトバックも母方にDarshaan~Shirley Heightsと似通っている。皐月賞よりダービー向きである血統と捉えてた中で皐月賞のあの強さ。ダービーでもそこから血統的に加点あるなら高評価必至
<ダノンエアズロック>
これは母方にプリンスリーギフトとサーゲイロードクロス両方備えるという馬。あとはモーリス産駒特有の”反り立つ壁”ローテを乗り越えられるかどうか。それは産駒2.3歳芝重賞で前走1着馬の勝利つまり連勝が未だなしということ。ほんとこれは競馬七不思議になりつつあるのだが…若駒特に2歳馬なんかは前走1着馬だらけでその内勝てるはずが勝てない。結局完成度という意味で他産駒に遅れを取ってるのかなと。活躍馬は3歳夏~古馬にかけて上がっていく馬が目立つし。この血統からするなら中山弥生賞の敗戦も仕方なしと取ってもいいがこの臨戦は前走アイビーS1着から。今回プリンシパルS1着からで果たして!?
以上、ここまで長々と失礼しました。そして最後までお読みいただきありがとうございました。今回は母方に目を向けそこからサーゲイロードクロスとプリンスリーギフトをチョイスしましたが、もちろんそこには父の存在も大きく関わってくるわけでそれを保持してる馬の中で個別に少し触れておきました
当然これがこの先の京都へと繋がる結果になれば血統未来予測としても成立ということで!?その意味ではまずはこの世代より一足先に(プリンスリーギフト保持)ドウデュースの京都施行になる宝塚記念がどうなるかを楽しみに