【短編小説】友だちじゃなくなる日
先週の水曜日、木村から電話があった。仕事で疲れ、精神的にもまいっていたので電話に出るか迷った。だけど、誰かと普通に喋りたい気持ちもあった。何コール分かバイブ音を聞いたのちにスマホを手に取った。会話は俺の仕事の愚痴から始まったが、好きだったバンドが再結成する話へ移ると、そこからは出会ったころに戻ったような感覚になり、気づけば深い時間まで話していた。久々に笑った気がした。その流れで会って飲もうという話になり今日を迎える。知り合いに美味しいワインをもらったらしく、3年ぶりに木村の家