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ビールのお世話はめんどくさい(クラフトビール)

ビールが好きです。
お酒が飲めるようになった当初からのビール派。飲み会で周囲の女子がデザートを頼むタイミングで注文するのはもちろんビール。というか、幼い頃から「ひと口」って飲むと大人がおもしろがるのが嬉しくて、ビールはちょいちょい口にしていた。エリートだ。

けれど、クラフトビールの存在を知ったのは飲めるようになって10年近くが経ってから。旅行が好きなため「地ビール」を飲んだ経験はそれなりにあったけれど(いま思えば門司港地ビールなんかはだいぶ前に現地で飲んでいた)、バーに通うようになったのは会社が神田に移転したことがきっかけだった。老舗のビアバー「蔵くら」さんにビール好きの同僚と行ったところ、美味しくて楽しくてすっかりハマってしまったのだ。その時に飲んだのはたしか志賀高原ビールのHouse IPA。そりゃハマるよね。

で、転職期間中に趣味を極めたくてビアバーの門戸を開いてはや1年半。もとの仕事に戻る気配は全くない。今やすっかり「この先どうするの?」と心配される不安定さだ。主に収入面が。

そんな中途半端なビアバーとの関わりを続けている私だが、やっぱりビールは全くと言っていいほど飽きない。しかし店側の人間になってみると、クラフトビールとは、儲からない上に管理にとても手間のかかる商品であることを痛感する。

そもそも原価が高い。地方や海外のビールはさらに送料なんかも乗ってくる。馬鹿にならない金額だ。1杯の価格は高く見えるけど、どの店もギリギリの利益でやっていると感じる。原価についても酒税のせいだったりするのでブルワリーに儲けが著しく偏っているわけではないんだけど、それはまた別の話で。

管理もめんどくさい。まず温度。ビールは生鮮食品と同じなので、樽が届いたら冷蔵庫にパンパンに入っている樽たちをパズルのように組み替え、すべて庫内に納めなければいけない。タップ(ビールが出る蛇口)やライン(樽をつなぐホース)などは放っておくと雑菌が沸くので毎日洗うし、新しい樽をつなぐたびに薬品で洗う。イベントがあればまた全てのタップを洗わなきゃいけないし、とにかく水と薬品と仲良くやっていかなければならない。重曹は友達だ。

ただ、口癖が「めんどくさい」の私でも、それらの作業が心からめんどくさいかと言うと、そうではない。口ではめんどくさいと言っても、やらなきゃいけない、というかやりたい作業ではあるのだ。昔のMacユーザーが「手間がかかるほど可愛い我が子」って言ってたのには全く共感できなかったけれど、今なら違う分野で理解し合える。

けっきょく何が言いたいのかというと「ビールは可愛い」ってことなんですよね。すみません。

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