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Many Many Mary

自分と同じ顔の人間が世の中に3人はいる、なんて言いますが、じゃあ名前が同じ人間は……名前によるかも。

特に集めたわけではないですが、たまたま集まった名前 "メアリー"。そんな彼女たちについての雑談。

超天才科学者のメアリー

メアリーという科学者は視覚に関する事全てを知っています。しかし彼女は生まれてこのかた、モノクロに統一された部屋を一度も出たことがありません。

そんな彼女が、あるとき部屋から出ることになりました。扉を開けたその先、初めて実際に "色" に触れた彼女は一体何を思うのでしょう。

こちらは1982年、哲学者フランク・ジャクソンにより提唱された思考実験 "スーパーサイエンティスト・メアリー" です。思考実験には悪魔やゾンビが出てきますが、これは特定の分野において全知の人類。すごいぞメアリー。

思考事件は、既存の理屈や考え方への反論を目的とすることが多いように思います。こちらのメアリーは物理主義という考え方に対して、問題を投げかけているそうです。

物理主義が正しいのであれば、色について全ての定量的で言語化可能な情報を持っている人間は、実際に色を目にしても新しく学ぶことは何もない(そんなことはないだろう?)、という話かと思います。

確かに、見聞きするのと体験するのとでは全然違う!なんてことは世の中に沢山ある気がしますし、そのときの感動は物理的なものではないように思います。

ところで、自分の肌とか髪の色はどうしていたのでしょうね。塗ってたのかな毎日。なんだか怖い。

怖いお人形のメアリー

自分を白黒に塗る狂気の科学者はさておき、怖ろしいメアリーのお話をひとつ。9 月だというのにまだまだ暑いですね。

イギリスはストークオントレントを拠点に活動する団体 Ghost Hunters Of Stoke On Trent が所有し展示している人形 "メアリー"。座っているロッキングチェアを揺らしたり、展示周辺のライトを明滅させたり、目を左右に動かしたりと、沢山の "いたずら" をするのだそうです。

こちらはある日の彼女の様子。

とってもやんちゃ。

さてこの人形、元々はとある女性の持ち物だったそうです。その女性は彼女の子供へのプレゼントとして人形を渡されたそうですが、その不気味な様子や子供が泣いて怖がる様を見て、寄贈することにしたのだとか。

受け取ったその日から、怪奇現象が相次いだというこの人形。そんな彼女にミュージアムの館長は "メアリー" という名前をつけ、可愛がっているのだそう。なんだかすごい話。

人形を女性に渡した方は、どこから彼女を連れてきたのでしょうね。

都市伝説船のメアリー

さて、必ずしも怖い話ではないですが、似たようなジャンルに都市伝説というものがありますね。その中からメアリーという名の船の話を。

1872年ポルトガル沖で、1隻の船が無人のまま漂流しているのを発見されました。その船の名が "メアリー・セレスト号"。 船体には目立った損傷はないものの、掛け時計や羅針盤が壊れていたり、手すりに謎の血痕が残されていたり、救命ボートがなくなっていたり、あげく、船長の寝台の下には赤く染まった剣が……というとんでもない状況だったそうです。

後年には発見時に、まるでつい先ほどまでいた乗組員が突如消失したかのように、食卓には食べかけの食事が残され、紅茶からはまだ湯気が立っていた、という話まで。まるでミステリーのようですが、それもそのはず、この有名な逸話は、メアリー・セレスト号の事件をモデルにした、コナン・ドイルによる短編 "J.Habakuk Jephson's Statement" に登場する描写が、逆輸入されたものだそうです。

こちらの短編集に収録されている様子。今度読んでみよう。

実際の事件は、積み荷のアルコール樽から揮発したアルコールが何かの拍子に引火し爆発、それに驚き救命ボートに一時避難した乗員たちでしたが、ボートが本船とうまく接続されておらず、そのまま漂流してしまったのではないか、という説が有力なのだそうです。

おわりに

他にもメアリーというとアレコレ思い浮かびますが、こんなメアリーもありますね。

怖そうな名前に反してトマトジュースたっぷりで、なんだか健康に良いような気がします。
いや、気がするだけですが。


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Photo by Peggy_Marco (adapted)
Photo by N-region (adapted)
Illust by GDJ (adapted)
Illust from wikimedia commons (adapted)
Photo by Lernestorod (adapted)


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