何かが空を飛んでくる
雨・雪・日光・宇宙線。目に見える物から目に見えない力まで、空から降ってくるものは実に様々です。さすがに、空から女の子が降ってくるのは漫画や映画の中だけですが、それに負けず劣らず奇妙なものが空の向こうから......というような雑談。
空からサカナが
雨・雪・あられ、たまには隕石。空から降ってくるといって思い浮かぶのは大体そんなところですが、思いもよらない物が降ってくることを表す "ファフロツキーズ (Fafrtskies)" という言葉があるそうです。それは "Falls from the skies" の頭文字をとって Fafrtskies らしいですが、ふぁふろつ...... ずいぶんと読みづらいですね。
では、一体何が Falls from the skies なのかといえば、1861年2月22日のシンガポールで降ったのは、サカナでした。日本でも 2009年代には全国各地でオタマジャクシが降るという事件の報告が相次ぎ、最近ですと 2018 年のフロリダではイグアナが降ったのだそうです。これは思いもよらない。
何でそんなことが起こるかといえば、海や川で発生した大きな竜巻が、水もろとも付近の生き物を空へ巻き上げ遠くへ降らす、というのが有力な説の一つなのだそうですが、それだけでは説明がつかないことも多々あります。
空から降る生き物には、クモやカエルなど水棲生物の他にも報告例がありますし、 2017 年に北カルフォルニアでは 100 匹ものサカナが降る、といったこともありました。
竜巻のせいだったとして、そんなに都合よく大量の生き物がまとめて巻きあげられ、また、同じ場所に降り注ぐものでしょうか。そこには科学や物理の向こう側にいる、高次の存在の介入を感じてしまいます。
それは大いなる意思によって
世の中には学問によってしくみが解き明かされていても、それがあまりにもご都合主義のように見える、ということがあるのだそうです。ご都合主義とは何者かの "ご都合" によるものですから、そこには必ずご都合を抱えた "誰か" が居るはずですね。
宇宙や自然界で起こるあらゆる法則が、その誰かの意思に沿うよう予め設計されている、という考え方を "インテリジェント・デザイン" というのだそうです。
それは漠然としたよくわからない物事を、神や妖怪の仕業とするのとは違い、解き明かされた法則自体に、どうも何者かの意思を感じずにはいられない、という思いからくるのだそうですが、自然法則を取り決める高次の存在なんて、ちょっとオカルトめいてきましたね。
しかし、そんなインテリジェント・デザイン、ただのオカルトとは扱われ方が違います。2005 年のアメリカはカンザス州ではなんと、生物の進化に関して、インテリ・ジェントデザインを正式な教育カリキュラムに組み込み、学校の授業で教えようという動きがありました。
生物の進化に高次の存在の介入が、というとそれは神を連想します。宗教と教育というと、また違った大いなる意思も感じますが、それはさておいて、どんな論説にも平等や尊重をという姿勢は素晴らしいことですね!
空飛ぶスパゲッティ・モンスター
ところで、生物の成り立ちに関して、進化論と同様にインテリジェント・デザインも尊重し扱われるべきなのだとしたら、宇宙の全ては空飛ぶスパゲッティ・モンスターによって作られたという説も尊重されるべきですね。
いや、僕が今考えた話ではないですよ。空飛ぶスパゲッティ・モンスターなんてパッと思いついてみたいものですが、これは実在する宗教の教えで、それによると、宇宙はビールをしこたま飲んだ空飛ぶスパゲッティモンスターにより創られたのだそう。
ちなみに、教団の公式サイトはこちら。
さて、これが何かといえば、教育の分野で学問と、宗教的な考え方を同列に扱うのはいかがなものか、ということをユーモアをもって訴えているわけですね。インテリジェント・デザインが通るのなら、そのインテリジェントとはパスタの化け物であるかもしれない、ということでしょうか。
公式サイトには、苦情メールとその応答ページがあったり、Join Us の Q&A では、現代の宗教と信者の距離感もちょっとからかっていたり、ジョークサイトとして眺めていて楽しい作り。
何と、日本支部のサイトもあります。こちらは現代のインターネット文化を取り込んだ、本家より俗っぽい仕上がりですが、これもこれで面白い。
おわりに
宗教といえば、田舎で見かけるキリスト看板。あれを捩ったジョーク画像で "魚を正しくさばく" というのがあるのですが、最近魚がキリストを表すモチーフだということを知り、それを踏まえると "魚を正しくさばく" とは何とも意味深で思想的な言葉じゃないか!と真面目に物思いにふけっていたのですが、改めて思い返すと、なーに考えていたのか......
きっと、空から怪電波でも降っていたのでしょう。
掲載画像について(掲載順)
Illust by Jose_Arte (adapted)
Photo by GLady (adapted)
Photo by Pexels (adapted)
Image by Niklas Jansson (adapted)
Photo by TheoLeo (adapted)
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