じゃない方々
"違う!お前じゃない!" なんて言われたら凹みますが、 "そうそう!お前だよ!" と呼ばれてもロクなことが起こらないので、どっちもどっち。"あー違うけど!チョットきて!" くらいが気楽でいいですね。
そんな、"じゃない" けど興味深いモノたちについての雑談。
2P カラー
主にビデオゲームで用いられる表現で、2P カラーというものがあります。複数のプレイヤーが同じキャラクターをそれぞれ操作する場合に Player 2 側のキャラクターの配色が、便宜上変わるというものですね。
元々はゲーム内のグラフィック容量や処理能力の節約のため、ただ色が違うだけのものでしたが、やがてプレイヤーを楽しませるバリエーションとして機能するものになり、今では細かな装飾が違ったり、キャラクターそのものの姿形が違ったりします。
逆に、本来は別のキャラクターなのにゲームの制約上 2P カラーで描かれていたものもあります。マリオシリーズのルイージが有名な例ですね。今でこそマリオより少しほっそりとした長身のキャラクターですが、最初期は完全な 2P カラーキャラクターとして描かれています。
ところでこの "2P" なんて読んでいますか?僕は "ツーピー" だと思っていたのですが、いや "二ピー" じゃないか?と言われて Google の検索結果件数を比較してみたのですが......
・2P ツーピー での検索結果 ... 約 6,640 件
・2P 二ピー での検索結果 ... 約 5,500,000 件
(執筆時点)
圧倒的マイノリティ!いや、検索方法が良くないのかもしれないし、そもそも検索結果件数の比較で良いのかなど、疑問は残りますが、最近愕然とした出来事でした。ちなみに三人目のプレイヤーのことは "サンピー" と呼びます。急に和の心が出てくる。
このまま次は、和のものっぽい "じゃない方" 話を。
イロハじゃなくて
イロハニホヘトチリヌルヲ……これはかの有名なイロハ歌。出自は明らかではありませんが、日本では馴染みのあるものですね。
その最大の特徴は、日本語仮名47文字が重複なく使われているという構造にあります。そのため、仮名を書く学習の手本にも用いられてきました。
そして、そんなイロハ歌と同じ特徴を持つ別バージョン、 ”とりな歌” というものもあります。
とりなくこゑす ゆめさませ(鳥啼く声す 夢覚ませ)
みよあけわたる ひんかしを(見よ明け渡る 東を)
そらいろはえて おきつへに(空色映えて 沖つ辺に)
ほふねむれゐぬ もやのうち(帆船群れゐぬ 靄の内)
こちらはイロハ歌に使われている仮名 47 文字に "ん" を加えた 48 文字を使って、完全な七五調になっています。これは 1903 年に新聞の紙面上で公募された中から選ばれたもので、同誌で一般普及を目指したようでしたが、叶わなかったみたいですね。
ですが後世に作られただけあって、こちらのほうが読んで意味が通るというか、情景が浮かぶというか。そういう点ですごく好きなんですよね。もちろん、イロハ歌のちょっと妖しい感じも好き。
黒の女王仮説
突然ですが、生物の進化に関して "赤の女王仮説" というものがあります。これはルイス・キャロル著 "鏡の国のアリス" の登場人物に由来する有名なものですが、別の女王の名がついた仮説もあったりします。
その女王とはトランプゲーム "ハーツ" のスペードのクイーンであり、仮説は "黒の女王仮説" と呼ばれています。ハーツはそのルール上、どのプレイヤーもスペードのクイーンを得ようと......するのではなく、得ないように努力をします。持っていると狙える一発逆転もありますが、基本的に持つことにリスクのあるカードなのです。
さて、これが生物の進化にどう関係するのかといえば、微生物の世界では、ある遺伝子や生物学的機能が集団にとって重要なものであっても、個体としては持つのにコストが高い場合、それを集団の一部の個体が持つようになり、その他の個体はその遺伝子情報を放棄する、という様なことが起こるそうです。効率的!
その様子を、ゲームにとっては重要なスペードのクイーンを、自分ではないプレイヤーが得るように振る舞うハーツになぞらえている、ということですね。
黒の女王仮説は微生物の世界でのお話ですが、遺伝子情報を "役割" なんかに置き換えると、なんだか人間の集団でも似たようなこと起きてそうな気もします。
おわりに
我ながら、ババ引きがちな人生だなぁと思って生きていますが、もしかしたらこれ、ババじゃなくてスペードのクイーンなのかも?
ちなみにハーツではスペードのクイーンを持ってしまったら、ハートのカードを集めることで一発逆転が狙えます。ババ引きがちフレンズの皆様、一緒にハートのカードを集めましょう。
しかし、ハートのカードが現実における何を指すのかは謎です。
いざ、アマゾンの奥地へ。
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