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ツウと言えばカアと言うように

早いもので今年も 4 月になりました。"出会いと別れ" の季節なんて言いますが、今年は "暑さ・寒さ" まで一緒くたに、やって来ているようですね。

そんな、対になるもの達についての雑談。

曰く憑きの言葉

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子供の頃、どういう経緯かさっぱりですが "ムラサキカガミ" という言葉を知りました。20歳を迎えるまでその言葉を覚えていると...という有名な都市伝説のヤツですね。

時は流れ、オジサンもすっかり板についてきた今日この頃、ピンピンしているのは対になる言葉 "白い水晶" も一緒に覚えていたからでしょう。

長らくこの "ムラサキカガミと白い水晶" で一対だと思っていたのですが、白い水晶の方には代替の言葉があるそうで、"ホワイトパワー"、"ピンクの鏡" でも良いのだそう。あとは "水野温斗" と唱える対抗手段もあるのだとか。誰?

そもそも "ムラサキカガミ" が一体何者か存じ上げなかったのですが、諸説あるものの概ね "紫の鏡をキーアイテムに少女が非業の死を遂げる" という物語が背景にあり、言葉を忘れず20歳を迎えると、その少女の霊がやってきてしまう、という仕組みなのだそう。

しかし"紫の鏡" とは、なんとも妖しいアイテムですね。この紫鏡が登場する怪談や都市伝説はこの他にもあるそうで、例えば、空から紫色の鏡が降ってきて、それを拾った少年が悪魔となり悪事を働く...というもの。

少年にしか見えない死神が、横でリンゴ食べてそうな話ですね。

予言

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言葉を覚えていると死んでしまう。未来のことを言い当てるという意味では一種の予言。"予言" そして "対になる" というと、有名な存在に "クダン" がいます。

漢字では "件" と書き、人の頭に、産まれたての仔牛の体という漢字のままの姿をした怪異で、牛から生まれ数日という短い期間を生き、死ぬ間際、人の言葉で厄災を予言し息絶えるのだとか。

日本各地に伝承が残るこのクダンは、数々の厄災を言い当ててきたことから、クダンが予言した事は必ず起こるとされています。

さて、この予言をするクダンですが、基本的には雄であるとされています。では雌のクダンはというと、雄とは逆に牛の頭に人の体をもち、その性質も雄が予言した災厄を回避する方法を伝えるという、対になったものなのだそう。

ところでこの話、先に雌に出会い、結局雄を見かけなかった場合どうなるのでしょう。例えば、災厄の回避方法が "大豆を入れた袋を頭からぶら下げて、村人みんなで三日三晩踊り明かす" だったら、わけも分からず、でもやらないわけにもいかず.....

日本各地の由来不明の儀式や奇祭のいくつかは、こうして生まれたのかもしれませんね。

んなわけないか。

入口出口

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さて半人半牛といえば、海の向こうにもっと有名なのがいましたね。言わずと知れた "ミノタウロス" ギリシャ神話の怪物です。

彼が隠されているのが "地下迷宮ラビリントス" の最深部。巨大な迷路として描かれることの多いこの施設ですが、最深部が言うなればゴール地点ですので、入り口と出口が同じになっている、と言えます。

この大迷宮でミノタウロスを退治したのが英雄テセウス。彼は最深部から再び帰還することができるように、迷宮入口に糸をくくりつけて侵入し、見事ミノタウロスを倒したあと、糸をたぐりながら無事出口にたどり着いた、と言われています。

英雄をもってしても、工夫を凝らさねば脱出が叶わなかったこの施設。一体全容はどのようなものかといえば、こんな感じだったとされています。

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単純!

ご覧の通り、一本道になっているので、迷う要素はありません。ミノタウロス倒したら、振り返って道なりに歩けば迷わず出口。英雄テセウスも大いなる肩透かしを食らったことでしょう。

おわりに

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迷宮と書いていて、この曲を思い出しました。しばらく頭の中流れていそう......

"秩序と混沌" これも対の言葉。

それはそれとして "歓迎光臨ラビュリントス"。なんて良い語感。




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