マガジンのカバー画像

どついたるねん。

100
きっと仕事のためにはならないでしょうが、暇つぶしにはなるかと思います。そんな、エッセイです。(2019/10/1〜2021/5/23)
運営しているクリエイター

2021年4月の記事一覧

カフェで迷えない

スターバックスなどの喫茶店チェーンにて、サイズ指定の独自のあの用語が言えないという話はよく聞く。 スモールじゃなくてショートなの? トール、グランデってなに? オードリーの若林は、著書『社会人大学人見知り学部卒業見込』にて、自意識過剰ゆえに「「トール」と言うのがなんか恥ずかしい。「グランデ」なんて絶対言えないから頼んだことがない」と書いている。 私も、当初はショートやトールが言えなかった。 それらが言えるようになった今も、グランデには大きな壁を感じる。 しかしそれ以

うんこを漏らした

完全に油断をしていた。 これは屁だろう。そう確信しきっていた。 自宅のベッドの上にいたことも、油断には一役買っていたかもしれない。 兎角、私は完全に放屁のモードだった。 そして肛門から出してみたらば、うんこだった。 うんこであることにはすぐに気づいた。 「いま出てきたのは、感覚的に、ガスじゃない」。 私は急いでトイレに駆け込んだ。 ケツからは、軟便が絶えず出た。 パンツを見ると、「ああ、漏らしたな」という痕跡があった。 便が止まったところで、ケツを拭き、ト

万引き犯を捕まえたときのこと

実を言うと、私は万引き犯を捕まえたことがある。 あれは大学生の時分。 秋口――最寄り駅前の本屋に向かおうと歩いている最中のことだった。 駅から私の家までの道にある、私が頻繁に使っていたコンビニの前を通りがかったとき、店舗から一人の男が駆け出してきた。 何をそんなに急ぐことがあるのだろう? と訝しんでいると、次いで、いつもレジに立っているやや年配の女性店員も駆け出してきた。 これはただ事ではない、と思っているとその女性店員は私に向けて「万引き犯よ! 捕まえて!」と叫ん

「オフィスでセックスしたい?」

「ねーねー」と、夜中にいきなりLINEが来た。 通知の送信者欄を見ると、そこには大学時代からの女友達の名があった。 こんな時間になんだろう? と思いつつ、その晩、私も眠れずにいたため、何気なく「なに?」と返した。 すると彼女は、脈絡もなく「オフィスでセックスしたい?」と訊ねてきた。 わけがわからず、一気に目が覚めてしまった。 少し時間を置いて、彼女は弁明するかのようにメッセージを送ってきた。 それの伝えるところによると、こういうことらしかった。 「自分は、内定こ