マガジンのカバー画像

どついたるねん。

100
きっと仕事のためにはならないでしょうが、暇つぶしにはなるかと思います。そんな、エッセイです。(2019/10/1〜2021/5/23)
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

バット振らなきゃ話にならない

働きたくない。 できることなら、自分の頭上にだけお金が降ってきてほしいと思う。 贅沢は言わないから、今の手取り分ぐらいだけ降ってくればいい。 しかし、そんなことは起こり得ないから、仕方なしに労働に精を出す。 まったく難儀なものだと思う。 今の仕事には、まったく満足していない。 私が課せられたミッションを果たしたとして、それで誰かが幸せになるというビジョンがまったく思い描けないからだ。 また、そのミッションの達成を通じて身につけられる職能も、私の欲するものとは全く

出世は男の本懐か

「出世は男の本懐だ」 これは、映画『シン・ゴジラ』において、松尾諭演じる保守第一党政調副会長・泉修一台詞である。 映画の主人公である、長谷川博己演じる矢口蘭堂に対し、彼はこうも言う。 「そこに萌えんとは、君、なんで政治家になった?」 彼が内に抱える出世欲がよく表れた台詞である。 私の父も同様に「出世は男の本懐だ」と考えているのかどうかは定かでないものの、私が帰省するたび、出世について訊ねてくる。 「お前、ちゃんと上司には媚びを売れているのか?」 その内容、そして

選曲がヤバかった結婚式の思い出

結婚式には、今までに3度出たことがある。 結婚式は言うまでもなく大変めでたいイベントだが、私は毎度、どんな曲がかかるのかが気になる。 きっとこれには、私が人生で初めて参加した結婚式が大きく影響している。 曲のチョイスのみについて言えば、最もセンスが良かったと感じたのは、私が最後に参加した、大学の同級生の結婚式である。 ブーケトスのタイミングでケラケラの「スターラブレイション」がかかり、披露宴の最中も嵐の「Love so sweet」などがかかっていた。 カップル向け

同じであることばかりを志向することについて

恋愛において――恋愛に限らず人間関係というのは常にそういうものなのだが――同じであることを最大価値として志向することは破滅への道のりである。 人は誰しも、ずっと同じままではありえない。 だから、同じだったものも、いずれ同じではなくなってしまう。 また同じことを志向すればこそ、違いもまた目につくようになる。 そのことを、私も頭では理解しているつもりである。 なのに私は、いつもその人と自分の間にある類似性を確認しようとする。 読書の趣味とか。 音楽の趣味とか。 両

グレープジュースは甘すぎる

グレープジュースは甘すぎていけない。 甘すぎることに後悔すると思っているのに、リンゴジュースのほうが良かったなと思うと分かっているのに、それでも時々飲みたくなるから不思議だ。 炭酸でもあればまだ飲めるのだが、ファンタグレープを1本丸々飲めるような季節でも年齢でもない。 あれは、小学生から、スラックスからシャツの裾を出しても様になる中学生までの、蝉しぐれ響く夏休みにこそ似合う飲み物だ。 まだ肌寒い日の続く3月に、社会人男性が飲むようなものじゃないのだ。 思えば遠くに来