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イラン音楽から見える世界を~セタール 石井紗和子さん~

MEMOS-J オンラインサロンイラン音楽編に先駆けて、
日本人に馴染みの薄いイランをより知ってもらいたいと思いまして、
今回は久しぶりにインスタライブを開催します!

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特別ゲストに、今回は現在、浜松市楽器博物館学芸員であり、
そしてセタール奏者でもある石井紗和子さんをお迎えして、
フレッシュで多彩、魅力的な彼女のお話をお聞きします!

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その前に石井さんがどんなお人柄か、事前にお伝えしたいと思いまして、
インタビューしてまいりました。
ぜひぜひ、ご一読頂けたら幸いです。


青春は歌とともに


幼少期から「うたうこと」が大好きだったという石井さん。合唱や聖歌隊、バンドなど様々な形態で歌うなかでも学生時代の中心の活動となったのは、高校時代の友人と二人で始めたデュオ活動。Kiroroさんのような編成で、紗和子さんが歌い、相方さんがピアノやギターを演奏するスタイルで活動されていたそうです。

ジャンルに捉われず、自分たちのスタイルでオリジナル作品を作曲し、長期休みにはライブを企画したりと積極的な活動だったとのこと。素敵な活動ですね。

キューレーションを音楽で


大学は、上智大学の国際教養学部へ入学。授業はすべて英語で学ぶスタイルで、社会学・文化人類学を選択。混沌とした情報化社会の中で、音楽そのままを紹介するというよりも、社会的背景や、そこに暮らし生きるひとたちが、何のために音楽をしているのかも含めて共有したいという思いが強かったそうです。
そのため、大好きな音楽を演奏するだけではなく、美術や展覧会のキューレーションの役割を「音楽で実践したい。」と感じ、社会学の観点から音楽を捉えたいと考えたそうです。

渡米~「民族音楽」を学びに~


そんな中出逢ったのが「民族音楽学」でした。日本で「民族音楽」は、西洋音楽以外の音楽を指す言葉と捉えられがちですが、本来は社会的なコンテキストの中で音楽がどのような意味を持っているのかを考える学問であると知り、それを学べる大学を探し、大学の留学制度を利用し、アメリカへ10か月半の留学へ行くことを決めます。
その留学では主に、民族音楽学の基礎を学び、世界各国の地域を広く知り、その音楽がはどんな枠組みの中で捉えられているかを学んだそう。その授業の中でなんだか心惹かれたイランの音楽について、より深く知る出来事がやってきます。


イランとの出逢い


クリスマス休暇で訪れたカルフォルニアでの人のイラン出身人の女性との出逢いが、大きく運命を分けました。
まず彼女たちはいつも「うた」をうたっていました。本国で音楽活動していたという彼女たちは、タンブールなどの伴奏で歌ったり、アメリカではコーラスにも入っていて、うたが大好きな石井さんはすぐにそのお2人と友人になれたそうです。
次に彼女たちは「詩」を大切に歌っていました。その大切さは、日本のそれとは違うように感じ、それは具体的に何を意味しているのか、その背景に何があるのか、とても気になりました。
そして二人が見せてくれたイラン音楽の映像をみて、とにかくとってもかっこよくて、魅力的で、その独特感なリズム感に心惹かれたそうです。

思い起こせば小さいころ、ディズニーのアラジンが大好きで、5歳で初めてカラオケで歌った曲も「ホールニューワールド」でした。漠然とした中東への憧れがあったのだと気づいたのです。
そして大学での期末のレポート課題でに彼女たちを取り上げることに決め、もう一度2二人を訪ねて、何日間か取材をして、イランについて想いをと理解を深めたのでした。

芸大そしてイランへ


帰国後、もっと「民族音楽学を学びたい!」との思いが強くなり、大学院への進学を決意。再度留学を検討していたところ、知人から東京藝術大学の大学院に出来て1年目の新しい研究科コースがある出来たことを聞きます。そのコースは民族音楽学ダイレクトではないけれども、ここならキュレーションやアウトプットの仕方もが学べそうだと感じた石井さんは、リサーチコースを志願し進学することとなりました。
そして修士論文を、イラン出身であり、日本で歌手として活動する一人の女性を題材にすることを決めたのです。イランでは女性が人前で歌うことについて色々と制約がかかることもあるので、
どんな想いで歌っているのか知りたかったそう。また、音楽と移住の関係についても興味があったそうです。

そんななか、実際文献にはのっていないことについて興味を持ち始めます。
イランで女性が人前で歌ったり、踊ったりしちゃいけないというのは本当なのか、本当ならどうしてみんな踊りが上手なのか、音楽だけではない芸術活動の現状など、どの程度の制約を持って芸術家は活動しているのか、「自分の目で見てみたい!」という気持ちが日に日に大きくなりました。

そして、もっとイランの音楽や詩、せめて曲のタイトルだけでも読めるようになりたい、理解したい、話したいと思いが強くなりました。そして何より、文化人類学的にも相手の話す言語を学んでコミュニケーションする姿勢を見せたいという思いもありました。
そんな思いで通っていたペルシャ語講座のクラスメート2名があるとき同じタイミングでイランに行くということを耳にします。頼れる知人が2人も現地にいて、そして学生の今が留学のチャンスと担当教官からの勧めもあり、急遽イランへの留学を決意したのでした。


その地で感じる息吹


留学中はテヘランの語学学校で学びながら、その傍ら音楽を習い、そして音楽関連の場所やアートギャラリーなども見て回りました。
気になっていた「詩」については、現地ではとても重要な文化であることを実感します。うたはまず「詩」が中心であり、セタールのレッスンでもまず詩の韻律で旋律のリズム覚えることがあったそうです。
留学の終わりの方は、授業も受けたそう。詩の意味だけでなく、韻律や詩人の哲学など、その背景にあるものも深く学んだとのことです。素晴らしいですね。
現代のイランでは、あえて詩から離れて音楽を試みる動きもあるようですが、それでも詩の文化は、イランの音楽や芸術の中に色濃く存在しているようです。

浜松市楽器博物館、そして未来


修士論文はペルシャ語を話せるようになって日本に戻ってきたこともあり、取材も順調で、より深く話ができるようになったそう。イランに行ったことはプラスとなったとのことです。

卒業後は、静岡県浜松市にある楽器博物館の学芸員として就職。学部時代から、学芸員課程を趣味でとっていたという石井さん。アリゾナの楽器博物館に行ったとき、「楽器」を資料にした博物館の存在を始めて知り、感動し、日本の楽器博物館にも興味を持ったそう。
好きなことが仕事になり、また自身のやりたいことにもつながり、周りからの期待もあり、今後はもっともっと様々なことにチャレンジしていきたいと考えているそう。


具体的には、高校時代からずっと思い続けている


「音楽や楽器を通じて、
それとは切り離せない社会や文化など他の事柄を伝える活動をし、
自分とは違う境遇にある人間との違いや共通点を
見出す機会をもっと広げていきたい」

と思っているそう。

多様性を音楽や楽器で伝える。まさに今のお仕事は石井さんにぴったりですね。
そしてイランの演奏家、歌手としても、ご活躍される日がとっても楽しみです。

活動の様子は紗和子さんのInstagramをチェックしてみてくださいね!

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おすすめの音楽家

そんな石井さんにおすすめのイランの音楽家さんの動画を載せてくださいました。最後は石井さんがお友達と演奏されている様子とのことです。
ステキな演奏ですね。

⑴ Sepideh Meshiki

⑵ Sahar Mohammadi & Majid Derakhshani Mahbanoo Ensemble


⑶ 紗和子さんとご友人による演奏♪

MEMOS-Jインスタライブ『イラン音楽から見える世界を~セタール石井紗和子さんをお迎えして~』


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日時:1月25日(木)20:00
場所:MEMOS-J Instagram
料金:無料

MEMOS-J オンライン講座 イラン編について

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日時:2021年2月28日(日)20:00〜21:30
場所:Zoom開催 
参加費:3,500円(会員3,000円)
ご予約:090-2477-3391(鈴木) memos.japan@gmail.com

前編では古典音楽、後編では各地方の音楽をご解説頂きます。
どちらかのみの受講も可能です。
アーカイブでの見逃し配信も予定しております。


前後のフォローもありのオンラインサロン会員も随時募集しております。
どうぞお気軽お問い合わせくださいね。

いかがでしたか?
中東音楽をご紹介するなかで、外すことの出来ないイラン。
トークライブでは実際の演奏や、現地で感じた息吹など、貴重なお話を伺う予定です。
イランを少しでも身近に感じて頂けたら幸いです。
パソコンの画面の前で皆様にお会い出来ますのを楽しみにしております。

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