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【Actor's File vol.2】『ザ・ボーイズ』ディープ役のイケメン(?)…チェイス・クロフォードってどんな人?

Amazonプライム・ビデオにて配信中の海外ドラマ『ザ・ボーイズ』。
同作で海を司るヒーローのディープ役を演じているチェイス・クロフォードは、かつて大ヒットガールズ・ドラマ『ゴシップガール』で人気を博したイケメン俳優である。
彼が不遇の時代を乗り越えて体現する俳優魂とは?

「イケメン俳優」として人気を博した俳優たちは、その後のキャリアで苦労を強いられる。
現にかつてアイドル的人気を博した俳優たちが、続々とハリウッドから姿を消している…。
容姿のカッコ良さからくる人気というのは儚いもので、時が経てばすぐにファンに飽きられてしまい、徐々にキャリアが低迷していく現実があるのだ。
しかしながら、いまアメリカTV界で再起をかけて奮闘する一人の‘‘イケメン俳優’’がいる。
彼の名前は、チェイス・クロフォード。かつて大ヒットガールズ・ドラマ『ゴシップガール』で大ブレイクを果たした彼である。
今回は、チェイス・クロフォードの俳優人生を振り返りながら、いかにして復活を遂げようとしているのかに迫る!


母親の勧めで俳優の道へ

チェイス・クロフォードは、1985年7月18日アメリカ・テキサス州ラボックで、皮膚科医の父親と教師の母親の元に生まれた。
テキサスの雄大な大地で育ったチェイスは健康的な青年へと成長し、高校時代はゴルフに精を出した。
この頃から、その容姿を活かしてモデルの仕事を始め、シニアイヤーの時には校内のベストドレッサー賞を受賞するほどの人気者だった。
カリフォルニア州マリブのペパーダイン大学へと進学したチェイスは、男子学生たちのフラタニティに所属し、カレッジライフを謳歌。
アメリカの一般的な大学生らしい日常を送っていたが、将来の目標や進路を決めることができず、悩み悩みぬいたのちに母親から演技の道を勧められ、かねてから興味のあったショービジネスの世界に足を踏み入れることを決意する。

レニー・ハーリン監督作で注目を集める

チェイスは2006年のTV映画『Long Lost Son(原題)』で俳優デビューを飾り、同年に『ダイ・ハード2』の監督として有名なレニー・ハーリンがメガホンをとったファンタジー・アクション『レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨』で主要キャストの一人に抜擢され、デビュー2作目にして大役を得ることに成功する。
かつて魔女狩りにあった特別なパワーを持つ5つの家族の血を引いた4人の学生の一人であるタイラー役を演じたチェイスは、デビュー2作目の新人俳優とは思えぬカリスマ性を発揮。
のちに「キャプテン・アメリカ」シリーズのウィンター・ソルジャー役で有名になるセバスチャン・スタンや『バトルシップ』(2012)などの大作映画に数多く出演することになるテイラー・キッチュらと共に、次代を担う若手俳優として大きな注目を集めるようになる。

『ゴシップガール』ネイト役で大ブレイク!

そして翌年には、世界的な大ヒットを記録することになるガールズ・ドラマ『ゴシップガール』のメインキャストの一人であるネイト・アーチボルド役に抜擢。
7度にわたるオーディションの末に掴んだネイト役で大ブレイクを果たすことになるのだった。

チェイス演じるネイトは、裕福な家庭に育ち、幼い頃から何不自由なく育ってきた、いわゆるお坊ちゃまという役どころ。
完璧なルックスで、幼い頃からの許嫁のような存在であるブレアというガールフレンドもいる何の不満もない人生だったが、過去にブレアの親友であるセリーナと関係を持ってしまったことから、人生が大きく変わっていくキャラクターである。
美青年でありながら、どこか世間知らずで優柔不断なネイト役を嫌味なく好演し、全米ティーンを中心とした女性ファンから絶大なる支持を集めた。
2007年から2012年まで、5年間にわたりネイト役を演じたチェイスのキャリアは、『ゴシップガール』終了後も順調に築き上げられると思われたが、そう単純なものではなかった…。

俳優デビューを果たした1年後に世界的人気を博すという誰もが羨むような俳優人生を送ってきたチェイス・クロフォード。
『ゴシップガール』出演中、『モリー・ハートレイ 血塗られた制服女子高生』(2008)、『TWELVE トゥエルヴ』(2010)、『恋愛だけじゃダメかしら?』(2012)などの映画にも出演したチェイスは、俳優キャリアを模索し続けていた。

崩れ落ちた好青年のイメージ

その最中の2010年。俳優として、これからが踏ん張り時だという時に、マリファナ所持の現行犯で逮捕されてしまう。
この逮捕がきっかけで好青年のイメージが崩れ堕ちてしまい、俳優としての将来に影を落としてしまう。

当時のチェイスは、映画『TWELVE トゥエルヴ』でドラッグディーラーのキャラクターを演じていたため、その役作りだったと思いたいところであるが、逮捕の衝撃はファンにとって計り知れないものだった。
もともとチェイスはイケメン俳優としてブレイクを果たしたわけだが、決して「爽やか系イケメン」という枠組みではなかったように思う。
それは演じる役柄からも現れており、『ゴシップガール』でもルックスは完ぺきだが、次から次へとガールフレンドをとっかえひっかえという印象だったし、映画『モリー・ハートレイ 血塗られた制服女子高生』ではサイコなキャラクターを演じるなど、ザック・エフロンやジャスティン・ティンバーレイクのような爽やかアイドルといったイメージではなかった。
そのため、イメージダウンに繋がったかと聞かれれば、然程ではなかったように思うのだが、思いのほか、その影響は大きく、『ゴシップガール』終了後に出演したTVドラマ『Blood & Oil(原題)』は視聴率の低さが原因で10話限りで打ち切りになってしまうなど、数年間の不遇の時代を過ごすこととなる。

イケメン俳優からシフトチェンジ!ディープ役で魅せた衝撃の演技

『Blood & Oil(原題)』が打ち切りになってしまった後は、映画の端役やTVドラマのゲスト俳優としてキャリアを積んだチェイスに、一筋の光が差し込む。
アメコミ原作のAmazonプライム・オリジナル作品『ザ・ボーイズ』への出演が決まったのだ。

同作でチェイスが演じるのは、7つの海の支配者を名乗るスーパーヒーロー・ディープ役。
ついにチェイスもアメコミ・ヒーロー役を演じる日が来たかと大きな期待を膨らませて視聴したファンにとっては、あまりにも衝撃だった。
同作は、ヒーロー・ドラマでありながら、「ヒーローたちが実は裏では悪事を働いており、欲望にまみれた人間だったら」というテーマのもと描き出される、異色のアメコミ・ドラマなのである。
チェイス演じるディープも、新入りの女性ヒーロー・スターライトに対してセクハラを繰り返し、社会的立場を失っていくという、あまりにもゲスいキャラクターなのだ。

『ゴシップガール』時代の‘‘イケメン俳優’’はここには存在しておらず、立場を悪用して、ケツを丸出しにしたり、バリカンで頭を丸めたりと、とにかく体を張った熱演を魅せているのだ。
『ゴシップガール』放送終了後は、主演ドラマが打ち切りになる憂き目に遭ったりと、散々な俳優生活を送っていたということもあり、チェイスにとって残された道は、このディープ役しかなかったのだ。
このイメージを真っ向から覆した俳優魂を魅せつけられたら、応援せずにはいられない!巷では「イチローに似ている」ということでも話題になっており、視聴者からの支持も厚い。

いま、チェイス・クロフォードが復活の時を迎えている。
次なるシーズンでグランドフィナーレを迎えると話題の『ザ・ボーイズ』。
これから先の将来、チェイスが魅せる俳優魂に大いに期待していきたい!

『ザ・ボーイズ』は、Amazonプライム・ビデオにて配信中。

(文・構成:zash)

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